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物語(仮)  作者: りくど
第1部
3/6

3話:よく効く薬はマズいは当たり前

※本作はカクヨムにも掲載してます。

「君も、お腹空いてるってことね…」


相手の姿は見えないが

向こうも、敵の侵入がわかったようだ。


ただ、カナタは戦闘態勢にならない。

ならないのではない、なれないのだ。


その理由は単純。


敵の位置が不明だからだ。


カナタは、敵を確認してから

戦うぞっていうタイプ。


目の前の暗闇を覗き、探す。


当然、待つヤツはいない。



─待つのは、戦隊モノとかの敵だね。

変身シーンが終わるまで待ってくれる。

チャンスなのになんでだろうね?



ここは違う。生きるか死ぬかだ。


カナタは探す─。


相手は待たない─。


ようやく、目の前の闇に動く影を捉える。

普通の人には見えないが、カナタには見えた。


その影は、遥かに早く眼前へ現れた。


「…!あっぶなぁー!

私じゃなかったら死んでたよ!」


わかっていれば、避けるのは容易い。

通り過ぎた物体を避けた体勢で確認した。


飛んできたのは石と瓦礫の塊だった。


石と瓦礫を投げやすい形に

無理やり固めて投げたのだ。


カナタは、再度正面の闇を見つめる。

背中に背負ったハンマーへ手を伸ばした。


「遠距離攻撃のドロップなら

近づいたら簡単に勝てそう。

ただ、肝心の姿が見えないっていうね…。」


ハンマーを背中から取り、

柄をしっかり両手で掴み構える。


姿は見えないが、また塊が

飛んできた時、打ち返すために。


しかし、待てど暮らせど飛んでこない。

構えをやめようとした。


その時だ。


建物の壁をつたい、上から細かい石や

埃が落ちてきた。


カナタは、見逃さなかった。


「上か!」


ォォォォォォ!!


このドロップが声の主だ。


叫び声を合図に、建物の屋上から飛び

カナタに向かって、塊を投げた。


「増えたぁ!?」


一つでは避けられたからか

ドロップは数を増やしてきた。


しかし、一つ一つはやや大きく

簡単に避けることはできた。


避けきったカナタは頭上を見た。

すぐそこにはグーパンが来ていた。


塊よりデカい。


すごいのは、カナタが避けられない

完璧なタイミングだったということ。


───ッガン!……ドーン!!


カナタは咄嗟にハンマーを

自分の前にだし、柄を掌で支え

グーパンを受け止めた。


鈍い音と同時にカナタの足元は、割れた。


──華奢な脚は全てを受け止めていた。


「…っ馬鹿力だなぁ!でっかいし!手!

ていうか!さすがに脚ちょっと痛いぃー!」


拳を弾き、少し距離をとり

お互い見つめ合う。


「遠距離攻撃だけじゃないないの〜?

じゃあ塊より、あの手に掴まれる方が危険だな〜…」


オオォォォオアアアアッ!!!


その咆哮は、カナタに対策を

練らせる暇を与えなかった。


胸を叩き、少し走り、ジャンプした。


両手を振り上げ、まるでカナタの

ハンマーを真似して、手のハンマーを作り

振り下ろしてくる。


カナタは、腰からなびかせている

羽のコートを翼に変え、ヒラリと避ける。


攻撃は当たらなかったが、同時に

視界がブレ、フラつき、地面に降り

止まってしまった。


「……なんで?当たってないのに…」


空腹がここで牙を向く。


ドロップは、停止した一瞬を逃さなかった。

その大きな手でカナタを掴み

スーパーの中へ、力の限りぶん投げる。


「…ぐっ!しまっ─」


ガシャーン……!ドゴォーン…!


カナタはスーパーの中にぶん投げられ

商品棚にぶつかり、破壊し、

勢いそのままに壁に叩きつけられた。


「がっ……はっ…!……げほ…げほ…っ」


背中を強打し、負傷する。

また、口や腕なども切ったため出血している。


「げほ…くそ〜…お腹空いてるからだ絶対…!

あとコレ…重たく感じる…げほっ……」


相手は万全、自分は空腹。

早く仕留めなければ自分が餌になる。


しかし、避けるのは出来ても

武器を満足に振れないのもまた事実。


「こっちは!さっさと!ご飯探して!

食べたいんだよ!もう!水も飲みたいの!

…あいてててっ」


建物内に虚しく響く、文句。


「仕方ない、少し『進んじゃう』だろうけど

……やるしかない!次で倒すぞ!」


カナタは数秒目を閉じ、息を整えた。

グッと柄を掴んでいる両手に力を込めた。

同時に、手首辺りに少し痛みが走る。


カナタは気にしてなかった。


そして、ハンマーはカナタに応えるように

青黒い光を『鎚の部分』に発生させる。


少しずつ、鎚の片側から青黒い羽が

フサフサと生えてくる。


今にも飛び立つ勢いだ。


「よし、軽い!いくよ!」


ハンマーの軽さを確認し

すぐにカナタは床を蹴った。


床に、鉤爪の跡を力強く残し

一気に低空飛行でドロップに接近した。


「…いーち!」


カナタは、ドロップの両足を

横から殴り一気に粉砕した。


スピードに重さを乗せたため

破壊力は増し、粉砕するのは容易だった。


ドロップは相手が

接近したことすら分からなかった。


突然、目線の位置が下がる。

立ち膝のような態勢になったからだ。


それでも、コバエを捕まえようと

両手を振り回したが、

相手は余裕の表情をしていた。


「今の私は捕まらないよ〜だ!

君が悪いんだからね!……にぃ〜、さん…!」


攻撃を掻い潜り、両肘を粉砕する。


アアァァアァアァァァオオオ!


ぶっ壊された痛みか怒りかは分からない。


必死に抗っているように見えたが

声だけでは相手は倒せない。


カナタはドロップから距離をとり

再度、踏ん張る姿勢をとる。

そして、頭の位置を確認し、地面を蹴る。


ドロップは目で追えてなかった。


まるで、居合切り。


滞空したまま、

振り抜いたハンマーを背中に戻した。


直後に頭は粉砕し、そのまま倒れ、

その活動が止まる。


「倒した〜…余計…お腹減ったじゃん……はぁ…」


愚痴りながらゆっくりと地面に降り立つ。

ハンマーから生えた羽は消えていた。


そして、体を確認する。


「脚は〜?うん、あれぐらいなら

やっぱ問題ないね!」


「少し痛かったのが…やっぱりか〜

手首進んじゃったけど、ここだけみたいだ。

ならよしっ!」


手首が青黒く変色。


『進んだ』。


「あ、そうだ!えーっと…あったあった!」


カナタは倒したドロップの心臓を取り


──食べた。


「うぇ〜〜…!ホント、ま〜〜っずい!

でもコレ食べるとなんでか知らんけど

回復するんだよねぇ……」


倒した相手の心臓を食べると

《その相手から受けた負傷部分だけ治る》。


食べて数十秒、負傷箇所はすぐに治った。


以前、同じように

空腹状態でドロップを倒したことがある。


その時、周りに本当に何も無かったため、

一番食べれそうだった心臓を食べた。


直後、戦った相手から受けた

負傷箇所だけが回復したのを覚えていたのだ。


それからカナタは、倒した相手の心臓を

《負傷した場合のみ》食べることにした。


不味いから基本食べたくないのだ。


良薬は口に苦し──。


「傷は治ったし、中を探索だぁ!

食べ物あれぇ〜…食べ物あれぇ〜……」


建物の闇に向かい、

カチリ、カチリと歩いていく。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

この作品は、「勢いとテンポ」を大事に、とにかく楽しく書き進めています。

ゆるい気持ちでお付き合いいただけると嬉しいです!

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