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物語(仮)  作者: りくど
第1部
2/6

2話:食事をするのは当たり前

※本作はカクヨムにも掲載しています。

ぐぅ〜…ぐぅ〜〜……。


もう、水では騙せない。


「うるさいなぁ〜…わかってるよ〜……」


そう言いながら、目線を下にする。


あの雪が降った日から

どれくらい経ったんだろ─。


壊れた世界に慣れて、

体もまた『馴染んでいる』。

着ていた服は、正直…覚えてない。


体は──


『成長』していた。


首を左右に振り、我に返る。


「よしっ!」と両手で頬を叩き

カナタはその重い腰をあげた。

同時に、動く影を視界に確認する。


「ん?今あっちでなにか動いたね、

あっちは〜…え〜っと…なんだっけなぁ……」


カナタは一人、頬をポリポリさせ

目を泳がせていた。


「と・に・か・く・!行けばわかる!」


カナタは愛用のハンマーを手に取り

ペン回しのようにくるくると回し、背負う。


カナタの体内の違い、それは


数百メートル先が見える《視力》と

女の子では、ありえない《力》。


──この二つが、今のカナタの『当たり前』。


しかし、見えるのは《形》であり

確かめるには、そこに行かなければならない。


そして、向かったのは先は

かつて《スーパー》と呼ばれていた場所。

毎日、沢山の人が訪れ、賑やかで

食べ物や飲み物などを買った場所。


─あなたも、行ったことあるよね?


そんな場所を全く調べていなかった。

違う、そうじゃない。


スーパーに行けば食料が手に入る。

その当たり前を…覚えてない。


──ヒュー。……カチリ。


風を切る音と共に、優しく着地する。

カナタの下半身は太ももまでは同じ。


違うのは膝から下。


膝から下は、足首にかけて

細く引き締まり、鳥の脚のようになっていて


その先には、鉤爪が形成されている。

誰が見ても華奢な脚だ。


「到着っと。んー?

なんか来たことあるような…ないような…。

ま、いいや!いくぞ〜!」


目の前の建物は、ヒビこそ入っているが

比較的その形を保っていた。


カナタは意気揚々と進んだ、その時。


ドン……!


「……ッた!!え?は?なに?!」


カナタを止めたのは…自動ドアだ。

お店の入口にある無色透明の扉。


──そう、今のカナタの目には、

透明なガラスが認識できない。


「もう!なんで進めないの!?壁!?」

「壁なら壊せばいい!ご飯のため!

壁が悪い!……せーのっ!!」


バリーン…ッ!!


鋭い鉤爪が、ガラスを粉砕した。


「これでOK〜、なんだけど……。お願いッッ!」


目を閉じ、両手を合わせ、祈る。


グォォォォォォッッ!!!!


「……はぁ〜、知ってた。」


空腹は、お互い様だった─。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

この作品は、「勢いとテンポ」を大事に、とにかく楽しく書き進めています。

ゆるい気持ちでお付き合いいただけると嬉しいです!

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