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物語(仮)  作者: りくど
第5部
PR
24/30

4話:身支度するのは当たり前

※投稿順直しました。

こちらは5部です

よかったら1〜4部も読んでみてください

どこからでも聞こえる賑やかな声

どこからでも聞こえる笑い合う声


どこを見ても平和な風景

どこを見ても安全な場所


シオンとカナタはセンターと森で出会った

『イツキ』と『クローバ』の2人も

ちゃんと連れてこれた気がしていた。


「さて、周りのみんなも戻って行ったわね

まだ見てる子達もいるけど…

ゼラ姉さんどうする?」


「えぇ……ん〜…うるさかったし

帰ってきたの隠すの無理だし〜…待たせると

まず報告ってゾアちゃんうっさいからぁ〜」


「ゼラ姉は相変わらず『ちゃん』呼びなんだね…」


「だって〜…いいって言われてるしぃ

ダストもカリスもいいよって

言われてるじゃ〜ん」


「あたしは、『さん』でいいよ…

なんか呼びやすいし…はは……」


「わたしも『さん』でいいわ

なぜか呼びやすいのよね」


気になった2人は

目をふきふきしながら聞いた。


「ゾア〜?だれ〜?」


「ゾア…さん……さん?う〜ん…

なんか私も呼びやすいなぁ…」


なぜか分からないが

真似て言葉にしてみたら思いのほか

しっくりきていた。


カリスは『ゾアさん』のことを

簡単に説明する。


「ゾアさんはね、シオンが言ってた

ここに里を作るって言ってた姉妹の1人!」


「ホントにその人なんだ!」


「シオン、なんで知ってるの?」


「…え、イツキが……」


「ん〜?だれ〜?知らない人だよね?」


「(深化で…)

カ、カナタは見たことないよ…!

私はカナタと会う前に

そのイツキって人と会ったことがあるの」


「そっか!じゃあわかんないね!

深化で忘れてないのすごいね!」


「……あはは…

それを選んでないからだよ…きっと…(……)」


シオンは独りの時に会ったことにした。

今のカナタに話しても、もう意味が無い。


3人の会話の横でダストは気づいた。

とても、重要なことに。


里の中に入り

カナタとシオンの『見た目』は

めちゃくちゃ浮いていた。


「ゼラ姉さん…ゾアさんのとこには

『今』は連れて行けないわ

これは、ある意味……任務よ」


「えぇ……?なんでぇ…?

何言ってんの〜?ダスト〜?」


「見て、この2人を……!」


「あぁ〜〜〜〜…………よく見れば…

汚っったないやぁ……ダメだそれは〜…

これは任務だぁ〜…!ダスト〜…!」


「行くわよ……!カリス…!」


「え…?え…?なんのはな──」


「「きたない…!」」


「「きたな……い?」」


「きたない!ゾアさんのとこ行けない!」


綺麗な里、綺麗な見た目の住人達

そんな中で汚い格好は逆に目立つのも当然。


そして、そんな格好で

里を作った姉妹に会わせられない。

ゼラ達の評価も下がりかねない。


これは姉妹からの重要な任務に匹敵する。

ゼラ達は全力で任務を遂行する。


重要任務発生

『風呂に入り、綺麗になれ』


失敗は許されない。


「お前ら!お風呂だ!行くぞー!」


「ついでにわたし達も入りましょ」


「そうだねぇ…私お風呂好きぃ……

でもきっと2人は『びっくり』する〜」


「お、おふ…ろ?」


「んー?食べ物?びっくり?」


「えぇ!!知らないの!?お風呂!」


「ふふふ、体を綺麗にするところよっ」


「まぁ…頭の中ではいらないものだしねぇ…」


手を引かれるがままお風呂へ。

お風呂初体験の2人。


全身を綺麗にする……未知の場所…!



──ぽかーんっ


ここもまた、初めて見る景色だ。

大興奮のカナタは走り出した。


「うわ!なにここ!暖かい!

あはは!なんだこれー!

モヤモヤしてるぅー!すごー!おおーー!」


─ツルっ……ゴン!!…スーーー……ゴンッ!


「っったぁぁぁ!!!頭!2回も!!

シオン気をつけて!

ここすごくツルツルする……!」


「カ、カナタ!もう少し小さく喋って

ここだと、すごく声が反響して、

逆によく聞こえないよ…!あわわわ……!

…ふぅ…おふろって危ないんだ…」


その後、ダストに教えてもらいながら

お風呂を堪能するカナタとシオン。


今、お風呂にいるのは5人のみ。

いや…3人と2匹……?

ダストは何も驚かない。


「ゼラー!どうしたの!?変だよ!?」


「うわ、カリスも何!?どうしたの!?」


「アレは驚くわよね。

水に関係する因子の人達は

ああした方が、滞りも消えるし

もっと体が楽になるのよ」


「私もあれやりたい!やりたい!」


「カナタちゃんは一生無理よ」


「なんでだーーーー!」


「カナタはカラスで鳥って言ってたでしょ…」


「鳥やめる!!」


「「それは無理」」


シオンとダストのツッコミは切れ味抜群だ。


そんなカナタが『鳥やめる!』と言うまで

羨ましがったゼラもカリスの姿は

全身ではないが、人の部位が

『適合した因子の姿』に変わっていた。


ゼラの因子は『ヒョウモンダコ』


下半身がタコになり、髪の毛に元々ある

触手も本数が多くなり

肌もやや黄色味が増している。

青いリングも嬉しそうに光っている。


カリスの因子は『リュウグウノツカイ』


下半身にあった2本の脚は閉じ

1つの尾鰭になっている。そして長い。

脚にしか見えてなかった鱗は

脚以外の場所にもたくさんあり

少しキラキラしていた。


頭にある鰭も普段より長く

その頭から背中にかけてある

背鰭も長く出ている。普段は服で見えない。


「いや〜!ホント楽だなぁ〜、ね?ゼラ姉!」


「うん…楽〜……体の中がぁ〜落ち着く〜…」



『人だけど、人じゃない』



その姿に疑問を抱かないわけがない。


「なんで2人は

あんなに変わっちゃってるの??」


「うんうん!」


「最初は、お風呂に入っても

あんな姿にはならなかったのよ。

わたしもよくわかってないの…

あ、でも、わたしの今の記憶だと

オーバーファクターを使えるように

なってからなのは覚えてるわ」


「ふーん?じゃあ深化しないとダメなんだ!」


「そうだね、でも、

深化しないといけない…深化…かぁ」


ダストはわかる範囲で説明した。


あの姿は、水に関係する因子の人に

見られる現象の1つらしい。


オーバーファクターを使えなくても

稀に、姿が変わる人もいる。


また、ゼラとカリスは

オーバーファクターを使えるようになってから

因子に感覚が違うものがあったようで


それに『抗わず、従った』結果があの姿。

ただ、苦しいだとか痛いだとかはまったくなく

逆に超リラックスしている証拠だと。


この点についてはダストも

理解しきれていないようだ。


カナタ達はその後もお風呂を楽しみ

お風呂から出たところで、次の問題が待っていた。


服だ。


そして、服を着ようとした時

ゼラとダストは全力で止める。


「それ着るのはダメだからねぇ〜…!」


「そうね、それだけはダメよ…!」


ゼラは容赦なく服を奪い、捨てた。

着れたもんじゃない。


カナタとシオンは「あぁ…!」と言いつつも

服より2人が戻ってることの方に驚いてた。


「カリスとゼラが戻ってる…!

あんなに変わってたのに!」


「おふろ?から出ると戻るんだね

でもびっくりした〜」


「私もやりたかった!!」


「だから無理だって…カナタ……」


「服よりこっちかぁ〜……」


「どうしましょ……このままじゃ

ここから出ることもできないわよ」


「あ〜……ゼラ姉?ダスト姉?

服『あるよ』?とりあえずそれでいいなら」


「「???」」


お風呂を後にし、外に出た。


※※※


ちゃぽん…ちゃぽん…

バシャ…バシャ…


「あはは!すごいねこれ!変な感じするよー!」


「おふろも初めてだったけど

コレも初めてー!私好きかもー!」


2人がはしゃいでいる理由は服だった。


カリスの冷静な…?判断と対応で

2人に服を用意した。


用意した服は、正しくはカリスが『作った服』


それは──『水の服』だ。


カリスは因子の水を作れるし、操れる。

だが、自分には使えず、他者には使える。


ゼラが言っていた

『色々使い方がある』うちの1つ。


ゼラとダストは『その手があった』と

服を見てから気づいた。


しかし…水の服は

服同士の擦れる?音はずっとうるさかった。


2人がずっと着ていた服は汚くて

ボロボロだった為、捨ててしまっていた。

故に、同じものは出来なかった。


代わりに、ゼラとダストが

着ている服に寄せ、それぞれに作った。


ゼラの服装はシオンへ

ダストの服装はカナタへ


水で作られていても、

思った以上に喜んでいた。


「水だけど、おふろの時みたいに

裸は見られないようにしてるからな!

あーはっはっはー!すごいだろー!

(まぁ、水だから模様とか全くないけど…はは…)」


「見てよカナタ!私ゼラみたい!」


「私もダストみたいだよー!

強くなれるかな?!」


「そんな気がするね!あはは!」


2人はカリスをまったく気にせず、

ひたすらにはしゃぎ、カリスは

少しでも反応して欲しい顔をしていた。


「なんか言ってくれよ〜……!」


ゼラは自分と同じような服で

はしゃいでるシオンを見てムズムズし

ダストは仲間が増えたみたいに喜んでいた。


「ん〜……なんか…

なんか……恥ずかしいなぁ〜」


「ふふ、いいじゃない。私は嬉しいわよ?」


「ゾアさんのとこ行く前に

あの服をちゃんと作ってもらおうよ!」


早速、里にある服屋に向かい

水の服をちゃんとした服として

作ってもらい、着用した。


今度こそ、2人のその姿は

『里の住人』そのものだった。


ゼラの服装をベースにして

シオンにとって動きやすい服装に


ダストの服装をベースにして

カナタにとって動きやすい服装に


「「…………」」


「あら?静かになってどうしたの?

水の方がよかったのかしら?」


「……か」


「かぁ〜…?」


「ん〜?」


「「かっこいいーーー!!!!」」


「なにこれ!!動きやすい!歩きやすい!」


「私も耳がここから出るようになってるー!」


「良かったわね。あ、そうだ!

カナタちゃん、ちょっと翼にしてみたら?」


「え……あ!どうなるのかな!?」


ダストに言われ、

カナタは新調した羽のコートを翼に変えた。

変えること自体は今まで通り問題ない。


「わぁ……カナタ…なんか翼変わった?」


「ちょっとだけ大きい?よね?ちょっとだけ

よーし!せーーのっ…!」


変わったのは、前の翼より少しだけ大きくなった。

体の『成長』に比例しているようだった。


それだけじゃない。

羽ばたいた時に発生する風の量と速さ。

そして、上昇幅も違っていた。


一度の羽ばたきでそこそこ高いところまで行き

そのまま飛んで回ってみるカナタ。


「あはは!シオーン!速くなってるよー!」


「そうだねー!前より速いかもー!」


「飛びたくなるでしょー!」


「ん゛ん゛!!!もう降りてきて!」


「深化もあって、少しだけ

力が強くなったのよきっと

あとは体自体が成長したからじゃないかしら」


「じゃあ、私も違うのかな…?」


ダストの言葉にシオンは自分も

試してみたくなり、走ってみた。


自分を客観的に見れないが

感覚で前より速いのが分かった。


「私もちょっと速くなったかも…!」


ゼラは皆に声をかける。


「んじゃ〜…綺麗になったし、行こ〜」


カナタも上からようやく降りてくる。


綺麗になり、身支度を整えられた。

無事にゼラ達は任務を達成した。


そして…姉妹に会いに行く。


※※※


ゼラ達は湖の前にいた。

目の前には桟橋が1つ。そして……


「あそこがゾアちゃん達がいるところ〜」


ゼラが指す方を見れば、桟橋の先、ちょうど

湖の真ん中にある『ログハウス』が見える。


少しだけ大きいが特別立派じゃない。


組織などのトップといえば

家や車、全てにおいて豪華なイメージが

当たり前にあるが、これは実に普通の家。




─ぼクの家も普通だヨ。当たり前じゃん。

……あァ、今度来ル?




カナタとシオンはまだ会ってもないのに

緊張と手汗が止まらない。ガチガチだ。


「緊張しすぎぃ〜そんなに

怖い人じゃないよ〜」


「無理もないわね」


「よし行こー!」


ログハウスは不思議と

違和感をまったく感じさせなかった。

むしろ合っているまである。


外の壊れてしまった世界から

離れているからこその建物なのだと。


「見たことない建物…」


「なんか変な建物だねぇ!」


「ちょっとカナタ…!」


「ねぇ〜…変だよねぇ〜…でも、アレは

レマちゃんの個人的理由でアレなの〜」


「そうなの!?ゼラ姉さん?!」


「えぇ?うん、前に聞いたぁ

もっと頑丈ででっかいのに

すればいいのにって言ったら

『私は木のお家に住みたかった』だってぇ」


「へぇー!それは初耳だね!ダスト姉!」


「えぇ、初耳だわ。…そうだったのね

(木のお家って…かわいすぎるでしょッ……)」


「とりあえず行こうよぉ〜」


桟橋を歩き、建物の前にやってきた。


やってきた所で、後ろから声がした。

シオンが先に気づく。


「あれ?なにか声が─」


「君たちが新入りちゃん達ぃー!!!?」


初めて聞く声。

ここにいるのは5人。いや…?

初めから6人と錯覚するほど、一瞬で現れた。


突如として現れた女の子は

カナタとシオンに興味津々で

ひたすらに話しかける。


ゼラ達など視界にすら入っていない。


「ねぇねぇ!新入りちゃんでしょー?!

うっはー!すごいね!かっこいいねー!

君は?これは〜…カラスだね!

こっちは〜…うさぎだぁー!

カラスちゃんは翼ないけどさ!

どうやって飛ぶの?!

うさぎちゃんは?!やっぱり速いの!?

今度追いかけっこしようよ!

どっちが速いか勝負しようよぉ!

え、それよりさ!カラスちゃんの背中の

でっかい武器!何それ!意味わかんない!

自分よりデカイじゃん!面白ーい!なんで?!

それ振り回せるの!?力すごいんだね!?

わぁーー!うさぎちゃん尻尾すごーい!

まるー!ねぇ!触っていい!?ありがとー!」


「え……あ、その…あの……んんっ!」


「……な、なに!?だれ!?うわぁ、ちょっ…」


フルスロットルな女の子。

あたふたする2人などお構いなし。

とにかくマシンガントーク。


話す隙すら与えてもらえない。

隙を探す方が難しい。


ゼラとは違う、圧倒的な圧。エネルギーの塊。


「あぁ〜……始まった〜」


「わたし達も似た感じだったわね……」


「あたしとカナタの元気より元気……」


「「「……はぁ〜」」」



─いルいる、こういう人。

見たコトない?わタしきらーい。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


本当にごめんなさい!!

投稿順を間違えてしまうなんて……

以後気をつけます!ごめんなさい!

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