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物語(仮)  作者: りくど
第3部
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14/30

3話:人それぞれは当たり前

※こちらは3部になります。

よかったら1部と2部も読んでみてください。

2人はキラキラした場所の入口の前にいた。


シオンは息を整えながら

カナタは不思議な顔で

見える範囲を見渡していた。


「やっぱり…ここ変だね……カナタ」


「うん、やっぱりこのキラキラは変!」


「とにかくここを抜けて行こう。

でも、ドロップの音もするから気をつけようね」


「うん、OK!出てきたら私が倒すからね!」


カナタの頼もしい一言で森へ足を踏み入れる。


歩き始めてすぐに声が聞こえてきた。

その声は森全体から語りかけられてるようだった。


「……おや?お客さんかい?

こんなとこに…いつぶりだい?」


その声にすぐに反応する。


「誰!?どこにいるの!」


「隠れてるのはズルいぞ!」


「戦う気なんかないね。

そっちのうさぎの娘、アタシの声が

『強く』聞こえる方向がわかるね?来な。」


「え、なんで…(どこから見てるんだ)」


「どっち?あっち?こっち?ねぇ、シオン

私にはどれも同じにしか聞こえないよ…」


「カナタには無理かもねっ!」


「あー!バカにしたー!」


「お返しー!さ、いこ!」


お返しに満足したシオンはカナタと一緒に

声が強く聞こえる方に進む。


到着したのは森の中心だが、

まっすぐ来ていない。その声が何かを

避けるように2人を案内した。


そして、声の主と対面する。


「やっと来たかい、遅いよ」


対面したのは人間…ではない。

しかし、声が聞こえるのはそこだ。


顔の右半分は老婆を保っている。

しかし、顔の左半分と

首から下はほぼ《樹木》だ。


太い根になってしまった下半身は

地面に突き刺さり、根を張り一歩も動けない。


その姿に驚き、言葉が出なかったが

それでも冷静にシオンは確認する。


「あなたが…私たちを呼んだ人ね?」


「そうさね……人かどうかは謎だがね、ひひ。

んー?おやおやおや、カラスの娘

あんたは《深化》が目立つねぇ」


片方の目で、カナタをじろじろ見て

謎めいたことを発言し、続ける。


「手首が青黒いのもそうだが…特に両脚。

手首より普段から痛いんじゃないのかい?

そんな対策もしないで、

適当な因子の力の使い方してたら

あっという間にアンタはカラスになるよ。」


「確かに『進んで』こうなったけど

少し痛いだけだよ、全然平気!

それに、『深化』って何?分からない!」


「待って、カナタ。私も気になるけど

まず、あなたはなんて言うの??」


「ん?なんて?あぁ、名前…?の事かい?

すまないね…アタシは静因子だけど

自分の名前なんかとっくに忘れちまったさ。」


「え!名前ないの!?

なんで忘れちゃったの?私はカナタだよ!」


「そう……。私はシオン…。

(イツキさんも言ってたけど、

私も静因子?だけど名前は覚えてる

けど、この人は忘れている。なんで…?)」


2人は勝手に自己紹介をしたが

老婆は無視して続けた。


「でも、そうだねぇ…名前を呼びたいなら

アタシはここまでに『苦労したババア』さ。

だから『クローバ』と呼びな、ひひひ」


「な、なんか…笑えないよ…クローバさん……

それで?その深化とか使い方って?」


「そうそう!教えてよ!」


クローバは本当に何も知らないのかと驚いた。

そして、その片目は笑って企んだ。


「(最後にアタシの遊び相手になっておくれ)」


「知りたいかい?教えてあげてもいい。

だけど、タダで教えるなんて

そんな甘いことは無しだ。

今からアタシが言うことが出来たら教えよう。

どうだい?ただし、2人で1つじゃないよ。

それぞれでやってもらう。よく考えな」


一瞬だけお互いの顔を見合った。

そこには、相談という言葉はなく

互いの直感でやり取りが終わった。


「「やるよ!」」


「無駄な心配だったね、ひひひ。

いいだろう。アンタらに

それぞれやってもらうのは──」


クローバのやってもらいたいことはこうだ。


※※※


─シオン:水を持ち帰る

森の西にクローバの力で

守っている小さな池がある。

そこへ行き、クローバから渡された瓶に

水を詰め持ってくる。


ただし、迅速に持ってくること。

その池の水は、池以外の場所で

水として保てる時間はたった1時間。

この世界に適応できないため腐る。


また西側には、クローバにより作られた

樹木トラップがある。


─カナタ:ドロップを持ち帰る

森の東に、雪の影響でドロップ化し

デカくなったカゲロウが10体いる。

そのカゲロウの姿を崩さず倒して

1体持ち帰ること。


カナタにとってこの試練は大問題。

なぜなら、力任せにいけば

姿すら残らず、文字通り木っ端微塵。

力を制御し倒す必要がある。


※※※


クローバの条件を聞いた2人は

当然、クリアできるか心配する。


「弱すぎるってこと?

ドロップを倒すのに思い切りやらない?

どういうこと……?」


カナタは必死に考えていた。


戦う時は背中のハンマーを使い、全力で

ドロップをぶっ壊すのがカナタ流。


それが、今言われているのは

ドロップを『倒す』のに『全力はダメ』という。


この矛盾がカナタの理解を拒んでいるのと

もう一つは『力の制御』だ。

一度もそんなことを考えて戦ってない。


カナタの頭から煙がモクモクと出ていた。


シオンは焦りと不安を感じていた。

自然にグッと拳に力が入る。


何より『独り』が一番怖かった。


だが、知りたいこともある。

そのためには条件達成は必須。


覚悟を決めた。


「……やるしかないよ、カナタ」


「さぁ…あとは自分で考えるんだね。

いつまで止まってんだい、行きな!」


その言葉で動き出す。

シオンは西へ、カナタは東へ向かう。


「カナタ!絶対成功させよう!」


「シオンより先に帰ってくる!」


最後まで読んでいただきありがとうございます!

この作品は勢いに任せて、テンポも

意識して書かせていただいてます。


東西に別れたみたいですね。

頑張って欲しいです。


ブックマーク等はお任せします。

ゆるい気持ちで

楽しんでもらえたらそれだけで嬉しいです!


目玉焼きは塩胡椒派です。

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