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物語(仮)  作者: りくど
第2部
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11/30

7話:避難の用意は当たり前

※こちらは2部になります。

よかったら、1部も読んでみてください


今回はなにか発見があるみたいですね。

カナタはコンビニの前に来た。


「よーし!ここだね!

うわぁ…ここもいっぱいあるなぁ!」


外から中を覗き、ニヤニヤする。

そして「行くぞっ!」歩き出し─


ドン!


カナタは自動ドアにぶつかった。


「……ッた!!えぇ?なんで壁?!

まぁ、壊せばいっか!」


カナタは脚をあげ、蹴破ろうとする。


そこへ、あとから来たシオンが

ギリギリ間に合う。


「ちょ、ちょっと!カナタ!壊さないで!

近くにはドロップいないけどダメだよ。

あっちで私が開けたように開けなきゃ」


「え、シオンってどうやって開けたの?」


「(え……少し前…に……どゆこと?)

えぇ?さ、さっきの見てなかったのー?

ここを掴んで、こっちにゆっくりズラすの。

カナタ、やってみてよ」


「わかった!任せてよ!

ここを掴んでぇ…このまま……ズラす!」


……ガンッ!!バリーンッ!


カナタの力では自動ドアは軽すぎた。


結局、ガラスを粉砕するのであった……。


「…はぁ、カナタ。それじゃ結局

壊しちゃったのと一緒だよ……」


「あはは……ご、ごめん…だって軽いから!

あれ?それより、シオンなんで

ボロボロのままなの?さっきの食べてないの?」


「え、あぁ、食べたよ?

ありえないくらい超不味かった……。

でも回復しないみたいだね…?」


「えぇ…そうなんだ……。

じゃあ治るまでは痛いの我慢だね

ごめんね、シオンも治ると思ったから…」


「そんな悲しい顔しないで

それに、謝らないでよ

私も治ると思ったからさ、でもご飯食べれば

回復も早くするよ!きっと!」


シオンは嘘をついた。


そして、無理やり作った笑顔を見せ中に入る。

今度は扉を閉めたかったが、片側は

粉砕されてるため結局、閉めても閉まらない。


シオンはため息を吐き、諦め

早く探して早く出ようと思った。


──


こちらも中には各商品棚に沢山並んでいたが

最初に入ったコンビニよりはやや少ない。

しかし、一列ずつ確認していく。


「どれもダメだね、やっぱり」


「そんなぁ〜……」


基本的にはどれもダメ。当然だ。

そして最後の商品棚の列の確認に入る。

その列は保存が効く系のコーナー。


「あ!これ!大丈夫だよ!カナタ!」


「え!?どれ!?」


シオンが手にしたのは鯖缶。

缶詰といえば鯖缶と言っても過言ではない。


そして、鯖缶は大量にあった。

鯖缶の人気のなさをその量が物語っていた。



──あまり選んで食べなくない?鯖缶

俺は好きだけど、君は?



「カナタ、この硬くて丸いコレ

いっぱい持っていこう!食べれる!」


「OK!あ、でも手だと

ちょっとしか持ってけないよ?

さすがの私でも運べないよ?」


シオンはカナタの顔を見てニヤリとし

渾身のドヤ顔を見せた。


「ふっふっふ…

あの建物に落ちてましたぁー!この袋!

食べ物があったら入れられるように

持ってきていたのですッ!」


「おぉ〜!さすがシオン!すごい!

これならいっぱい入るね!

は、早く!早く入れよう!食べよう!(ジュル)」


カナタは沢山持ってけることと

食べれることがわかった途端に

口というダムから少しずつ水が漏れていた。


体は正直なのだ。


そして、缶詰を袋に全て詰め込むと

一気に重くなった。


この重さは幸せを表していた──。



───ビル前


カナタがエコバッグを持って少し飛んで

シオンはその横を歩き、さっきの

5階建てのビルに戻ってきた。


「…はぁ、体力が…はぁ

あぁ〜…………登らなきゃ…」


「シオンちょっとここにいて!」


「え?う、うん、わかった」


カナタは狭い階段を飛んで

1、2分して戻ってくる。


「よし、行くよ〜っ」


やり方を覚えていた訳じゃない。

ただ、手を使って運ぶにはこうだと

自然とそうなったのだ。


カナタは負傷しているシオンを

お姫様抱っこし、5階まで運んだ。


「うぇ、え、え、ちょ、カ、カナタぁ〜?!」


「いいからいいからっ」


シオンは顔を赤くし、恥ずかしさと同時に

カナタが問題なく自分を運ぶその力の

凄さを体で感じた。


そして……思い出し、困惑した。


「どう?あっという間だったでしょ?」


「う、うん、私も飛べたらなぁ〜、なーんてっ」


「今度教えてあげるよ!シオンも飛べるかも!」


「ねぇ?意地悪してるの?」


「あはは、ごめんごめん、ねぇ早く食べようよ」


「そうだね、ご飯にしよう!」


エコバッグをひっくり返し

ドサーッと缶詰の山を築き上げた。

まぁ、ほとんど鯖缶だが……。



─喜びにくい山だね〜。仕方ないけど。

毎日違う料理にしても飽きるよこれ。

貴方もそう思わない?



「あ、カナタ、どうしよう…

食べ物に夢中になりすぎて

飲み物忘れちゃってる」


「うわ…そうじゃん!どうしよう…」


カチン、カチン


カナタは耳ではシオンの声を聞いていたが

手は鯖缶と戦っていた。


プルタブをカチンカチンしてるだけで

開けられていなかった。


「なんで!(カチン)これ…!(カチン)

持ち上げたら!(カチン)戻るの?!

これも危険な食べ物なの?!」


「(力はあってもこういうのは分からないんだ)

カナタ、貸してごらん」


シオンはこうだよと開けて見せた。

中から匂いの軍勢が二人の鼻を総攻撃した。


「わぁ…開いたぁ、わぁ!……うわぁ……

シオン……こ、これ食べれるの?」


匂いは美味しそうに感じる。

しかし、鯖缶はぶっちゃけ色はない。


色で判断することが多いカナタには

匂いと見た目が相反しすぎて困惑している。


「そんな顔しなくても、ふふ。

大丈夫、問題ないよ、ほら…(もぐもぐ)」


困惑しまくってるカナタを横目に

美味しそうに食べて見せるシオン。


こうなると話は早い。


シオンが瞬きをしたら消えていた。

唖然としない方が無理だ。


「え、食べた?今?食べたんだよ…ね?」


「……(もぐもぐ)……(もぐもぐ)……」


人の瞬きは0.1〜0.4秒が平均。

今のカナタの食事スピードはそれかそれ以上。


爆速で食べたカナタは

缶詰に入っている汁のことを聞く。


「ねぇねぇ、この揺れてるのは何?」


「ん?ああ、それは口に入れても

一応問題ない液体だよ」


「じゃあこれ飲めばいいんじゃない?!」


「それはダメ!それは違う!

逆にもぉーっと喉がカラッカラになって

もぉーっと飲み物ほしくなるよ?!」


「……うげ、それはイヤ!

ちょっと休んだら

また探しに行くしかなくない?」


「んー、いや、カナタ。

私たちここにしかいないけど

この建物自体は探索してないよね?

もしかしたら何かあるかもしれない。

今私たちがいるところから下に向かって

探索してみようよ」


「あ、そうだね!なにも探してなかった!

探すためにもまず食べないとー!よーし!」


カナタは二つ目の缶詰と戦う。


「へへへ……開けて…?シオン……へへ…」


「もう〜……食べ過ぎはダメだよ〜?」


「じゃあ、これともう1個だけ!」


甘えてくる子供をあやすようだった。


鯖缶を食べた二人は休憩の後、探索した。

歩く分には今のシオンでも問題はない。


5階と4階は何も無く

「やっぱないかなぁ」と望み薄だった。


ため息を混じらせながらも下へ降りてきた。


5階と4階にあった扉。

そしてここ、3階にある扉。


かつてここにいた人達の中に

漢字が読めないもしくはそもそも

母国の人ではない人がいたのだろう。


その人達向けに分かりやすく

漢字に読み仮名が書いてあった。


実際、扉に書いてある漢字は

シオンでも読み方を覚えていない。

ただの黒い線の塊でしかない。


その扉には

《休憩室》と《備品用倉庫》と書かれていた。


休憩室にはポットやレンジなどあるが

当然、電気がないので使えない。


カナタもシオンそもそも

電化製品自体分からず「なにこれ?」と

持ち上げたり叩いたりしてみた。


しかし、これが何に使うもので、

いつ使うのか検討すら立たなかった。


休憩室は何も無く、出る。

向かい側の扉を開け倉庫へ入る。


倉庫には、この建物で必要な物や

在庫が沢山置いてあった。


大きな棚が数列あり、見応えがあった。

置いてあるものを探すシオン。


カナタは棚ではなく、

そこら辺をただ見ていたが

ある物を発見しシオンを呼ぶ。


「シオンー!これみてー!

ちょっとキラキラしてる!」


「えー?なにー?」


それは、全体が銀っぽい物で

覆われたリュック。


災害時に必要となる《防災セット》だった。

だが、覚えていない。



─ウチの家にもあった。親が買ってた。

銀っぽくなくて白だったなぁ。

貴女はいつでも出せるようにしてる?



「なんだろうね?こ………れぇ〜っ!?」


シオンは確かめるために掴んだ。

かなり重たかった。当然だ。

水や乾パンなどびっしり入っているからだ。


「重たい!何が入ってるの!?」


「開けてみようよ!でもどう開けるの?

あ、待って!爪で!」


「ダメダメダメ!」


シオンはリュックの隅々まで触り確認する。

チャックの部分につまめるぐらいの

小さなものが付いていた。


「んー?これ?かな?」


ジーーー。開いた。


「開いた…。シオン!何したの!?」


「な、何もしてないよ。

ただこれを引っ張ってみただけ……

でもすごい、見てよ……」


二人とも驚愕した。

今すごく欲しい水もあるし、乾パンも。


よく分からない銀のペラペラした物等

とにかく沢山入ってた、この小さな入れ物に。


「カナタ、、水、パンもある

あとのはちょっとよく分からないけど

こんなに沢山あるよ…」


「この入れ物はそういうものなのかな…

で、でも食べれるの?」


「さっきの缶詰も食べれたし、多分平気…

でも今食べるのはもったいないから

とにかくコレはこのまま持っていこう。」


「シオンでもよく分からないのはどうする?

重たいんでしょ?」


「全然何に使うか分からない、確かに重い。

取り出して、缶詰とか入れて

私たちのご飯だけ入れよう」


「そうだね、私がまた運ぶよッ」


「カナタ多分これ……こことここを

こうして…よいしょっ!」


リュックを背負ったシオン

背負い方は当然覚えてない。

けれど、何となくそう思ったのだ。


缶詰とかを入れたからまた違う重さだが

両手は空いてるし、何より便利だった。


「ほら!この入れ物なら私でも平気!

それに見てよ、両手も自由!」


「せ、背中にくっついてる…

私の武器みたい!

でも重かったら言ってね!交代するからっ」


「うん、その時は言うね!」


ご飯も沢山手に入れ、水も確保した。

大きな収穫だが、何よりそれを

もっと入れられるリュックも手に入れたことが

二人の機動力も上げていた。


そして─

ここから、旅が変わっていく。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

第2部はこれにて終了になります!

カナタとシオンのここまでの旅はどうでしたか?


第3部は土曜日投稿予定です。

第3部も浮かんだ文字を勢いに任せ

テンポも大事に書かせていただきます。


カナタとシオンの旅がどう変わっていくのか──


ブックマーク等はお任せします。

ゆるく楽しんで頂けたらそれだけでうれしいです!

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