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十二話~

気づいたら私は病院の手術室にいた。目の前では自分が手術されていた」

幽体離脱なんて本当にあるんだとか思いながら自分の手術をぼーっと見てると少ししてあなたが壁を抜けて入ってきた。

あなたを見た瞬間抱きつきに行った。

 どうやらこの状態同士なら触れ合えるらしかった。

 久しぶりのあなたは暖かかった、安心して少しだけ泣いた。

この何ヶ月、触れられなかった分を補うように抱きあった。

しばらくして手術が終わっても私は宙に浮いたままだった。

触れられるなら声も聞こえるのかな?聞こえるなら今の内に聞きたい事を聞いておこうと思った。

「どんな風に事故にあったの?」

しかしあなた自身もなにもわからなそうだった。

私の幽霊状態は翌朝唐突に終わりを告げた。

朝になると私の母と娘がお見舞いに来てくれた。

あなたと娘を見るのはこれが初めてだった。

あなたは娘を柔らかく撫ででいた。

母がお見舞いに来て疲れて眠くなった娘を私のベッドに一緒に寝かせようとした次の瞬間、私は自分に布団が掛かっている感覚や隣で眠そうにぐずる娘の感覚を肌で感じていた。

それと同時にさっきまで私の隣で浮いていたあなたは見えなくなってしまった。

間違いなく私が身体に戻ったのは娘が近くに来たから、または私の身体に触れたからだった。

いきなり目を覚まして驚く母を病室に置き去りに私はあなたの病室に娘を抱いて向かった」

病室に入り貴方の身体に娘を抱かせると次の瞬間あなたは目を覚ました。

娘は本当に鎖だったのかもしれない。私とあなたを繋ぐ鎖だったのかも……。

この日から娘は私の宝物になった。いや……もうとっくになっていたのかも。


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