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第八十四話 「天災級」


 その後、少しずつマグマが固まり、グラナトとジャスミンの二人が山の調査をしに来ていた。


「ジャスミン、この状況についてどう思う」

「思ったより被害が大きいですね、私の予想では、これはただの噴火ではないと思います」

「おそらくは…」


「天災級のモンスターが、インフェルノドラゴンか、インフェルノタイフーンか…」


 言うべきだな、例のことを。


「なぁ、ジャスミン」

「はい」

「——あの洞窟の奥に、インフェルノドラゴンがいた…」

「——なっ! インフェルノドラゴンが!?」

「あぁ、いたんだ」


「戦闘は…」

「した…とても強かった、我が敵う相手じゃなかった」


 やはり、グラナト隊長でも敵わないのか。

 となると、他の隊長…か、フール隊長やシュトラス隊長なら勝てるのか…?


「あそこですね、ギリギリ入れるくらいの隙間しかないですね」

「あぁ、屈まないと入れないな、腰が心配になるな」

「グラナト隊長、腰の心配するほど柔ではないでしょうに」

「いやぁ、我ももう62歳だ、もう心配する歳だぞ」


 いやいや、62になっても隊長を現役でずっと続けている人が何を言うかっ。


「さてと、中に入るか——」


「グオォォォォォ!!」


「「な、な、な…」」


 い、インフェルノドラゴンが…。


 そ、外に出て来て…。


「グオォォォォォ!!」


 

 インフェルノドラゴンが現れたことで、ジャスミンはすぐに第六部隊本部へ緊急要請を送ってた。

 そして、その要請の内容を聞いた隊員達は、総じて大混乱に陥っていた。


「ど、どうしましょうか!」

「慌てるな、まずは現在の状況を確認しよう、付近の村や町に被害は被るのか?!」


「大きな噴火で、付近の村や町に住んでる人は現在遠くへ避難させてはいます、なので余程のことがなければ…」

「なるほど、分かった」


 インフェルノドラゴンが現れただって!? 非常にまずいじゃないか!

 隊長でも苦戦するレベルの相手、私たち一般の隊員の力じゃ絶対倒せない…各隊長に応援を要請しなければ。



 その頃、インフェルノドラゴンに一番近くにいるグラナトとジャスミンの二人はというと。


「ジャスミン! 部隊にこのことを伝えたか?」

「はい! このまま私たちも急いで本部に戻りましょう!」

「——いいや、我は後に向かう」


「は、はい!?」


「我がインフェルノドラゴンを足止めする! 各隊長に応援要請がかかるはずだ、ジャスミンはここへ隊長達を連れてこい!」

「し、しかし!」

「大丈夫だ、やばくなったら全力で逃げるさ」


 分かりました…グラナト隊長…死なないでください。


「——急ぎます!」

「おう!」


 急げ、私の持てる力を使って、全力で、本部へ戻れ!



 第六部隊からの応援要請が各部隊に渡った頃、魔防軍の第五部隊では。


「なぁ、聞いたか?」

「はい、少し前に大噴火が起きた山からインフェルノドラゴンが現れたと」

「あの時の大噴火も、そのインフェルノドラゴンが起こしたと思っていいだろうな」

「さーて、天才級のモンスターが現れちゃ人々や建物、環境にまで被害が出る」


「この後の予定は全部投げておけ、俺はインフェルノドラゴン討伐に加担する」

「かしこまりました、お気をつけて」

「あぁ、フィオーネ、帰ったらうまい飯屋にでも行こうぜ」

「——はい…」



 第五部隊とは別に、第四部隊では。


「バルザ隊長! 大変です! 大噴火を起こした山から、あのインフェルノドラゴンが現れたようです!」

「新たに送られて来た情報によると、現在グラナト隊長が一人でインフェルノドラゴンと戦闘しているようです!」

「グラナト隊長が、一人で!?」


 それにインフェルノドラゴンが!?

 天災級のモンスターが現れたのか…本当に…?


「分かった、グラナト隊長には恩がある、ドラゴンとはあまり戦いたくないが行くしかないか」

「私も協力します」

「ダメだ、副隊長には荷が重い、後方支援に徹していても、俺たちの攻撃を防げるほどの力は持っていない」

「悪いが討伐には行かせられない」

「は、はい…」



 また別に、第二部隊では。


 インフェルノドラゴンが現れた。


「やばいね、事態が」

「はい、相当やばいです」

「よーし、行っちゃいますか〜」

「あそれ、いけいけどんどん〜隊長、頑張ってくださーい」



 各隊長が一部を除いて一斉にインフェルノドラゴン討伐へ動き出した。


 そして、隊長達が動き始める少し前のこと、第六部隊では。


「「ジャスミン副隊長!」」

「ジャスミン副隊長が帰って来たぞ」


「はぁはぁはぁ、き、緊急事態だ」


「い、いま…グラナト隊長が一人でインフェルノドラゴンと戦っている…」

「な、グラナト隊長が、お一人で!?」


「頼む…各隊長へ、応援要請を…」


「ジャスミン副隊長、すでに応援要請はしております」

「き、君は…たしか…」


「第六部隊、司令塔補佐のアカツキです、ジャスミン副隊長はゆっくりお休みください」

「あぁ、ありがとう、もう走りつかれた…」


 バタッ




 * * *




「くそっ!」


 やっぱり勝てない、あの鱗が硬すぎる!

 応援はまだか、もう少し時間を稼がないと。


「グオォォォォォ!!」


 まずい! 辺り一体を消しとばす気か!


「グオォォォォォ」


 空中にいれば喰らうことはないが。


「グオッ!!」


 こいつドラゴンだから飛べるし、なんなら飛ばなくても追尾式の火球飛ばせるし…。


 あぁつらい、こんなつらいのが短期間で二度も続くなんてさすがに体が堪えてくるな。


「歳には勝てんな」


「グオッ!」

「おっと危ない」


 最初に血が出始めてからもう30分、貧血の症状が出始めている…もう時期タイムオーバーか。



「待たせたな、グラナトさんや」

「その声は…」


「第四部隊隊長、シロバネです! 加勢しに来ました!」

「お、シロバネ君! 助かった」


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