第八十一話 「洞窟の奥へ」
手がかりを探す3つの班。
真っ赤かつ広大な山を捜索し、手がかりを見つけることが目標の第六部隊チーム。
レグラス魔法育成学園に入学し、学園のどこかにあるという手がかりを見つけることが目標の、学生チーム。
隠し持っていると噂の貴族の屋敷に潜入し、その手がかりを見つけることが目標の、メイドチーム。
未だなお、決定的な証拠すら、目標につながる手がかりすら見つかっていない。
本当に見つかるのだろうか。
これ、なんだ…? 偶然廊下の端に落ちてけど、何かの鍵…?
かなり古びた鍵っぽいな、それにすっごい埃かぶってる…うわぁ汚ねぇ…。
「リヒト様、急にどうしました?」
「あぁリーブ、なんでもないよ〜」
「——そ、そうですか」
一応持っていて、覚えていたらこの鍵は先生に渡そう。
「リヒト様〜、この学園広いですね〜」
「今いる本校舎の3階の廊下を一周するだけでもかなりの長さらしいですよ、クラスメイトから聞きました」
「そう」
リーブのやつ、すっごい!! もう友達たくさん作ってるぅ!!
俺なんかまだ新入生ムードでクラスの人と話せてるだけだぜ!?
ど、どうして…俺ってそこまで人と話すのが苦手だったか!?
うーんわからない…もう何十年も前のことなんて…。
俺って学生の時どんなやつだったっけ?
* * *
僕はそこから学校に入った。
当時の僕は5歳だ。
まだ勉強し始めだから。
まだスタートラインで。
学校を——。
* * *
あ、そうか!
「リーブ、学校生活2回目?」
「はい、数年前に別の学校に通っていました」
数年前、学生の心得を忘れていないということか。
俺も学校生活は人生で2回目…いや、転生後の人生ってどうなんだ? 含めるのか?
いや、転生して今の世界にいるんだから人生では初なのか。
えぇいややこしい! まぁとにかく学校は2回目ということだ。
「突き当たりに来ましたね」
「そうだね、どっちに行こうか?」
* * *
「ここがジャスミンの言っていた洞窟…」
ふむ、なるほど。
洞窟内に入ると一気に感じるようになった、これがジャスミンの言っていた瘴気か。
確かに体が麻痺するような感じがする、ジャスミンはこの先に開けた広い空間があると言っていたな。
グラナトはどんどん奥へ進んで行った。
そして、ジャスミンが引き帰す原因となった、場所へ。
「これが例の…」
たしかに至るところから出ている、それに色が濃い。
空気中を漂っているうちに濃度が薄くなるのか。
ということはあの穴から出ている、つまりはこの下に秘密が隠されているということ。
近づくとまずい、大量に吸えば即意識がなくなるな。
「なるべく避けながら先へ進もう」
穴の近くを通るが仕方ない…俺の時止めを使っても、環境は変えられないしな。
よし、なんとか峠は越えたか。
さて、奥に行くか。 なんだったんだあの穴は。
広い空間を抜け、再び狭い一本道に戻った。
瘴気の濃さは、先ほどの空間の時よりは薄まったいるが、それでも奥へ進むにつれどんどん濃くなってはいる。
奥へ奥へと進んでいくと、道が二手に分かれていた。
「二手に道が分かれている…」
どっちへ行くか。
「右か左か、右にしておこう」
進路を右へとり、奥へ進んで行った。
さらにジメジメとしてきたな…水たまりもできている。
ジメジメとした道を奥へ奥へと進むと。
行き止まりか、それにこれは。
「水、だよな? だが赤いな」
「ん…」
この水、やばいやつだな。
触れる寸前に直感した、この水は触れたらまずい水だ。
酸の類か? それとも俺の知らない水か?
行き止まりということはあの時左に行けばもっと奥へ行けたのか。
「戻ろう」
来た道を戻り、今度は右ではなく左へ進んで行った。
左へ進むとすぐに雰囲気が変化した。
道には水たまりではなく蔦やら苔が出てきた。
水の次は苔、、距離が遠いわけではないのにここまで環境に変化が起こっている。
「少し進んだら天井から生えていた蔦が消えたな、苔はまだあるが…」
蔦だけあの部分に局所的に生えていたのか、あんな狭い場所だけに蔦が生えていた。
謎だなぁ…。
「ワクワクしてきたな、、って」
うーん…。
「奥に何かがあるな…」
何かを見つけ、グラナとは奥へ小走りで進んでいく。
ほぅ、これはこれは。
奥へ進むと、再び広い空間にでた。
だが、前の空間とは違った。
「モンスター、複数体いるな」
見たことがあるな、たしかマッグタートル…Sランクのモンスター。
普段こいつらは付近にマグマがある場所にしか生息していないはず…。
こんな洞窟に、こいつらはこの瘴気が平気、あっ。
この瘴気の中、正気を保てているのか。
「ふふっ…へへっ」
今のは良かったなぁ、決まったぜ。
——さてと、奥へ行くには全て倒さなきゃな。
「やるかっ!」
「クォォォォォ!」
暑い…早く終わらせよう。
「タイムズ」
「クォォォ——」
触れると暑いから遠距離魔法で、っと。
グラナトは、一体一体ゆっくりと徹底して倒していった。
「これで最後だな、タイムズ解除っと」
「「クォォォォ…!!」」
結構長い間タイムズを使ったから魔力がだいぶ減ったな…。
次にモンスターが出たらすぐに決着をつけるか。
さらに奥へ進んだグラナト。
結構進んだな。
道の横幅が、さっきよりも広くなった。
瘴気もどんどん濃くなって来ている、ちょっとだけ気持ち悪くなってきたな。
「ふむ…」
手が少しだけ痺れてきたな。
呼吸に異常はない、今は大丈夫だがもっと奥へ行くと体に異常をきたす可能性があるな。
「また開けた空間に出て来た…」
今度は瘴気が出る穴とマッグタートルの両方か。
タイムズでさっさと奥へ行こう。
「タイムズ」
よーし、ちゃっちゃと倒しちゃおうか。
「よっと、そりゃ」
「これで最後だな、タイムズ解除」
「「クォォォォ…!!」」
それにしても、こうもずっと同じような構造だと飽きてくるな…。
さてと、この奥には何があるのか。
グラナトはさらに奥へと進んで行った。
着実に地下深くへと進んではいるが、景色も、敵も全く変わらない。
環境の変化はあれど、ほとんど同じような感じなため、グラナトは少し飽きて来てしまった。
洞窟に入ってからもうずいぶん経ったな、ここまでモンスターはずっと同じやつだけ。
次はどうかな?
「グルルルル…」
おっ、モンスターが変わったぞ。




