閑話 「メイド就職秘話 前編」
私って、なんでこんなにおっちょこちょいなんだろう。
なんでもかんでも頑張ってやってるのに、空回りしたり、ミスをする。
それで毎回怒られる…。
「はぁ、次の次の仕事どうしよう…」
全部の仕事、1回でもミスしたら辞めさせられる。
元気はある、やる気もある、物覚えもいい自覚はある。
でも、、なんでか毎回ミスをする…。
つまづいたり、話を聞けなかったり、指示されたことと違うことをしちゃったり、、。
まぁ全部私が悪いけど…。
「次は、、ここにしよう」
次はすぐには辞めされられないぞ!
私は貧乏なわけではない、でも私は生きていく上でかかるお金が多いだけ。
「それでは今から面接を始めます、よろしく願いします」
「はい! よろしくお願いします!」
「元気がいいね〜」
「はい、元気とやる気はすごいあります!」
ふむふむ、すごいたくさんの経歴があるな…。
飲食、小売、サービス、ほぼ全ての職についてる、なんだこの人、職業コンプ目指してるのか?
「いつから仕事に就いていましたか?」
「はい! 5年前からです!」
5年でこんなにもたくさんの仕事を…。
まさか、、何かしらの問題を起こして…?
「週で何回入れますか?」
「はい、週で3回か4回入れます!」
ふーむ、十分な回数入れる…5年でこの数の経歴は引っかかるが、やる気もある、経験も豊富。
どうするか…うちはかなり人手不足だ。
うちは花屋…大丈夫か…。
「わかりました、それでは明日またこちらにいらしてください、結果はその時に」
「はい! わかりました!」
さてと、面接は毎回同じ反応! あれは多分落ちない顔だ!
大体3回に1回落ちてるけど、落ちた時の反応は渋い顔をしてた、考えてる時の顔はもう少し眉が下がらない。
よーし、寝よう、明日のことは明日考えるだけ!
—翌日—
「おはようございます!」
「あぁ、昨日の子だね、これ面接の結果だよ」
毎回書類での合否は直接言われるより緊張する。
なんでか自分で結果を知る時は緊張しちゃう…人から知るのは自分で知るのとは全然違う。
「おぉ」
合格、やった。
「明日から働いてもらうよ、奥に来てもらえるかな?」
「はい!」
「これ、うちの制服だよ、明日からこれを着て仕事をしてもらうね」
「はい!」
私はおっちょこちょいだけど、才能があるのかもしれない!
自覚はある、私には、職に就く才能がある!
—翌日—
今回こそは、ミスなく仕事をこなしてみせる!
毎回初日でミスして、1回のミスを見逃してもらえても、また次の日にミスして辞めされられる。
コンキアこそは、ミスをしないぞ!
「フランさん! さっき会計したお客さんの付属品、ちゃんとつけましたか?」
「付属品? あぁ、つけましたと、ちゃんとここに——」
「——つけてないね…」
「——すみません!」
「——まぁ、ミスはあるしね、久々の職種だから忘れてたんだよね?」
「はい、すみません!」
まずい、さっそくミスをしちゃった…。
今回は優しい人だったから1発落としは免れたけど。
その後、フランは初日で合計3回のミスをした、店長も3回目となると流石に頭に手を当てていた。
だが、店長は優しかった。
二日目に突入した、フランは昨日より多く4回のミスをした。
「フランさん、物覚えがいいんじゃなかったんですか?」
「すみません、物覚えはいいんですけど、なぜかミスをしてしまうんです」
「それはきっと、その場でその言葉をその瞬間だけしか理解をしていないんじゃないのかな?」
「それか物覚えがいいけどその場で力を発揮できる力がないのかもしれないね」
この人、怒ってるけど、、私を辞めさせる事はしない…すごい優しい人だな。
フランさん、大変だけど、、綺麗な人だから客足も少しばかり増えた。
ミスに関しては雇った私の責任だ、私がフランさんをしっかりとフォローしなきゃ。
だが、そんな優しさも長くは続かなかった。
2週間、毎回必ずミスをする、ついに店長も怒りが爆発する。
「フランさん、今日きりで辞めてもらうよ」
「あ、、」
来ちゃったか…私もミスばっかりしてて負い目は感じてる…。
でも悪気はない、分かってる、理解はしているつもり。
でも、なぜか私はミスをしちゃう…。
はぁ、2週間か…長く続いた方だなぁ。
次の仕事、何しよう…。
いっそのこと、まだやったことない仕事をしてみようかな、もしかしたら長続きするかもしれないし!
あっ、、あの子、可愛いなぁ…。
赤ちゃんって癒されるよなぁ…でも私、赤ちゃんに好かれたことないんだよね。
「すみません、そこのあなた」
「——はい?」
「何かご用ですか? 私共を食い入るように見ていましたので」
「あ、別に、特には」
「そうですか」
ん? この人…。
「あなた、もしかして職を探してますか?」
「え? あ、はい」
「今求人をしています、あの方に認められれば高待遇の職に就けれますよ」
「本当ですか!? ぜひ、受けたいです!」
「そうですか、では後日、こちらの所定の場所に来てください」
「はい!」
おぉ! まさかまさかこんなにも早く次の仕事に就けるチャンスが来たなんて!
どれどれ〜、どんな仕事かな〜?
「・・・」
うそ…まさか私が…?
「——メ、メイド?」




