第七十三話 「魔防軍と伝説の魔法」
第六部隊本庁の中をグラナトの紹介と共にずっと歩いていたが、グラナトは突然何かを思い出したかのように慌て出した。
「あぁやばい! 大事な会議があったんだった!?」
「——やっと気づきましたか」
「ちょっ、どうして言ってくれなかったの!?」
「面白そう…コホン、、さっき気づいたので」
「今面白そうって言わなかった? 絶対面白そうだったから放置してたでしょ!?」
「ごめんリヒト! 放って置けない会議だから行ってくる! あとはそこにいる副隊長のジャスミンに任せる!」
「仕方ない…承りますよ」
リヒトは、ジャスミンと共にまた歩き出した。
ジャスミンはすぐに道中あるものや、魔防軍のことについて色々と紹介をしてくれた。
「魔防軍は、いつ起こるか分からない人間との大規模戦争用の組織、そして魔界の平和の為に動く組織だ」
「1つ目は言葉の通りに受け取ってくれ、2つ目の理由だが、治安維持と言っても色々としている」
「復興、悪人の取り締まり、悪人のアジトがあったらそこの制圧、治安維持、国の事柄などだな」
「——まぁ、色々とやっているんだ」
「今回君にきてもらった理由は待っている時にも話したがグラナト様に合わせる為だ」
「グラナト様は言いたいことを話して有頂天のまま仕事に戻った」
「私は副隊長だが、隊長はたまに変なことを言うから苦労していてね…」
「あはは…」
なんか、大変そうだな…。
「今からは隊長に頼まれた、魔防軍について色々と話すから、くれぐれも途中で寝ることのない様に」
「は、はい!」
「魔防軍は全7部隊で構成されていて、各部隊ごとにそれぞれ違った役職があるんだ」
「第一部隊は政治を担当している」
「第二部隊は統制を担当、第三部隊は復興を担当」
「第四部隊は治安、第五部隊は情報を担当している」
「私が副隊長を務める第六部隊は環境、第七部隊は制圧を担当している」
「ここまでで何か質問はあるかい?」
「えぇと…どうしてそこまで部隊を分けているんですか? それと、いつくかの部隊はそれ以外の部隊と比べてやることが多いんじゃないかと思いました」
このリヒトとか言う青年は、、すごいな!
まだ8歳と言うのにここまで考えられるのか。
「細かく分けているのは管理がしやすいからだな」
「大勢を管理するよりも、分けて数が少ない方が管理はしやすい」
「それと、君の言う通り第一部隊とと第二部隊は他の部隊よりも忙しいのは事実だ」
「だがそれはその二部隊がとても重要なものを担っている部隊だからだ」
「重要なものほど細分化されていく、特に第二部隊の統制はやることが多いぞ」
「統制、と言っても様々だからな」
「かといって、他の部隊も忙しくないわけじゃない」
すると、ジャスミンは突然足を止め、リヒトの方を向いて膝を床につけた。
「——話を変える、、私は、私個人で君に用がある」
「——はい?」
「聞いた話によると、君は魔法の高みを目指しているらしいな」
「——伝説の魔法に興味はないかい?」
なに…? 伝説の…。
「伝説の、魔法?」
「興味があるかい?」
「伝説の魔法、実際には存在しないとされている魔法のことなんだけど」
「存在しないとされている魔法…」
「人を蘇らせる魔法、時を戻す魔法、不治の病を治す魔法、完全な無敵になる魔法など、あと6種類あって合わせて10種類の伝説魔法があるんだ」
「最近、その中の一つが存在しているかもしれないと言う情報が入ったんだ」
「だが、どうもその証拠を取るのが難しいんだ…」
「どうやら、印判があって、形的にあと3つの断片があるはずなんだ、1つはもう魔防軍が回収している」
「その3つはそれぞれ、とある貴族の屋敷、とある学園、とある火山のどこかにある」
「——曖昧だが、その場所のどこかにあることは分かっているんだ」
「だが、、いくら探しても見つからず、家主や代表者に聞いても詳しいことはわからないと言って進展がない」
「伝説魔法が欲しいのなら、協力して欲しい、君の実力はグラナト様から聞いている」
「子どもにこんなことを言うのは大人としてどうしたものなんだが、、君はまだ学園に入れる年齢だ、学園の生徒なら怪しまれずに内状を知れるかもしれない」
「報酬はいくらでも出す、貴族の屋敷の方は…後にしよう、私たちは火山の調査をするつもりだ」
「どうかな? 協力してはくれないか?」
「伝説級の魔法…」
正直、実力があるだけでどうしてこんなにも俺は頼られているんだ…。
伝説魔法にはものすごく興味がある、、すごく興味があるけど…!
ものすごく興味があるから行きたいけど、二人を巻き込むわけには…。
「リヒト様…ちょんちょん」
「——ん? どうしたのフラン」
「私たちはリヒト様について行きます、どこへでも」
「——っと言うことだが、協力してくれると言うことでいいかな?」
「——できる限り協力します!」
もう一つ目標ができたな、旅の目標。
伝説の魔法をこの目で見ること!
* * *
「はぁ…私、途中で迷子になっちゃった…」
通路狭いし、長いし、暗いし…早く帰りたいな。
でもなぁ、、書類を回収しないと怒られちゃう…。
「んしょっと…」
ここから先は通気口通っていけなそう…降りなきゃいけないな。
人たくさんいそぉ…。
「まっ、全員殺せばいいか! よっと!」
「——ん?」
「「あ、し、侵入者だ! 全員構えろ!」」
「何者だ! 名を名乗れ!」
数は2、30人くらいかな? 少し力を出してっと。
「〈蜂の毒針〉解放」
はい、終わり。
「針千本♡」
蜂の技が放たれると、瞬きもしないほどの一瞬。
その一瞬で蜂の周りを囲っていた役員全員の首に鋭い針が刺さった。
全員すぐに倒れた、荒々しくない、スマートな戦い方。
これが毒虫No.3、たった一つの毒針だけでNo.3の座についた実はサイコな毒虫である。
「さて、増援が来る前に怪しい所に行こう」
少しずつ…少しずつ…毒虫に深い所まで侵食されてしまっていることに、まだ誰も気づけていない…。




