第七十話 「魔法都市 ハブリン」
* * *
ドラゴン族は、より実力の高い方につく、戦って勝てば長になり、負ければ勝ったやつの配下につく。
わずか20年前、我は巣で眠っていた。
するとグラナト様が我の鱗が欲しいと言って我の眠りを妨げて交渉を仕掛けてきたのだ。
もちろん我は眠りを妨げられたので怒り、追い払おうと勝負を仕掛けた。
だが、全ての攻撃が効かず、何もできないまま負けた。
我は鱗を渡し、グラナト様の配下となったのだ。
その後、グラナト様の配下になった後、グラナト様の管轄する領土の山を守る役割を得た。
そこから10年程度で他の山へ、他の山へ転々としていっていまの山についた。
* * *
「これが理由だ」
このドラゴン、もしや説明下手か? わかる、わかるけどなんか…なんかなぁ…。
「それで、次になぜ我がこの山を一年中雪山にしている理由だが」
「それはお主が関係している」
「え? 僕?」
「あぁ、8年前、この山を守る任務を課された時と同時に、グラナト様が」
* * *
「ラシャリア、一つ頼みがあるんだが…」
「はっ、なんなりと」
「次に守る山を一年中雪山にして欲しいんだ…」
「はぁ…一年中ですか、それは何か理由が?」
「この前生まれた末っ子の、名前はリヒトと言うんだが、子どもは雪が好きなんだ」
「だから一年中雪山にしておけば一年中雪遊びができるだろ?」
「転移石を使えばすぐ行けるから、頼めないか?」
「わかりました、主の命令とあれば従います」
「これは命令じゃなくてお願いなんだけどなぁ〜」
* * *
「——っと、言うことです」
た、たしかに小さい頃はよく近所の山に雪遊びに言ってた…。
「で、でも言ってたのは秋から春にかけてだ、夏は行ってない!」
「そうだな…なぜか夏は来なかった、夏こそ雪はもってこいだと思うが、来なかった」
「お主が雪をなくせと言うのなら従おう」
「ラシャリアは、この山を全部見ているの?」
「そうだ、すべて見ている」
「——なら、僕らがこの山にいる間だけ雪を無くして欲しい…」
「それはなぜだ? 雪が困っているからここへきたのであろう」
「——雪は好き、、それだけだよ」
気持ちは年相応なのか、、。
「いいだろう、、そういえば、お主らはどこへ行くつもりなんだ」
「お主ら…?」
あぁ、いつも間にか後ろで見ていたのか。
「ハブリンまで行きます」
「我がそこまで運んでやろうか?」
「え、いいんですか!?」
「あぁ、主への忠誠を誓うものとして、株を上げることは大切だ」
「我なら数時間でいける、どうだ?」
「ぜひお願いします!」
「では背中に乗れ、言っておくが、落ちても自己責任で頼む」
「は、はい…」
そうして、フロストドラゴンことラシャリアに乗って魔法都市ハブリンへ向かった。
ドラゴンはとても速かった、かなりの距離あるのに数時間で行けると言うのは本当のようだ。
ドラゴンのことは案内をしてくれた人に報告を頼んだから大丈夫なはず。
それにしても速いなぁ…ラシャリアが落ちないように俺らの筋力を強化してくれてる。
それに抵抗力も…。
「リヒト様! 遠くに大きな街がありますよ!」
「リヒト様、おそらくあれが魔法都市、ハブリンです」
「そうか、あれが目的の場所か」
そうして、歳の少し手前で下ろしてくれたラシャリア。
「我を見たらすぐに襲ってくる、ドラゴンは最上位のドラゴン以外は基本、畏怖の対象だ」
「我は戻る、主の命を果たさなければいけない」
「それではな四男」
「はい、また会いましょう!」
「そうだ、四男」
「リヒトです」
「——リヒト、お主はまだ強くなれる、我が保証しよう」
「——ありがとうございます」
その後、魔法都市ハブリンの城門まで歩き、リヒト達は城門の門番の人へ話しかけた。
「すみません、中へ入りたいのですが…」
「等級が3級以上なら無償で入れるぞ」
すると、リーブが二人の元へ近づき、門番に何かを見せた。
「し、失礼…無償でどうぞ」
「ありがとうございます」
「ねぇリーブ、何を見せたの?」
「アークストン家の家紋です、大貴族様なので無償で入れると思い」
「なんでそんなものを持って来れたの…」
「執事長から頼み込んでもらいました」
あの短時間の間で!?
「ここが魔法都市ハブリンですか、、圧倒されますね…」
「たくさん人が飛んでる…」
アークストンのウワバ市場とはまったく違う特色を持った街構成。
大通りにあるのはアークストンは露店、お店が半々ぐらいだったが、ハブリンでは全てがお店、建物が連なっている。
一つ一つの建物も3階建以上でまるで大きな壁に隔たれている感じになる。
「飛行できる人はわざわざ徒歩で移動するのは効率が悪いですからね…」
魔法都市だけあって、ハブリンに住む人の9割以上が魔法使いであり、魔法使いの都市であるため、魔法使い専用の法を作っている。
特定の場所に降り立っちゃいけないや、他の都市よりも使ってはいけない魔法の種類が少なかったりなど色々と異なっている。
「さてと、さっそく古書館に——」
「待ってくださいリヒト様!」
「まずは泊まる場所を探しましょう」
「あ、うん」
近くにある宿屋を探して入ったが、さすがは大きめな都市+経済の中心部である大通り沿いにある宿屋。
つまり、とてもお高くなっているということ。
「リヒト様、どうしますか? しばらくの間滞在するとしたらかなりお金が消えてしまいます」
「他の場所ってここと比べてどのくらい安いですか?」
それ、ここの人に言うか…。
一応他の宿屋はライバル関係にあるのに。
「ここが一番安いですよ」
他に取られるわけにはいかない! 絶対に客は持って行かせない!
「じゃあこうしましょう」
前世での経験、生かすべし!




