第五十九話 「魔法使いの最高峰」
バーベキューが終わり、夜も遅いからとそそくさと屋敷に帰った。
俺も夜遅いからと、すぐに寝た。
* * *
へへ、えへへ。
「リヒト様の水着、、これは超貴重な写真になりますね…」
「せっかくなら家宝にでも…」
へへ、ぐへへ…。
* * *
翌朝、俺は早朝にエリスから、庭園に来て欲しいと言われ、今向かっているところだ。
庭園の中心部、パーゴラの下にエリスの姿が見えた。
なんかいつもとは雰囲気が違う…。
「おはよう、エリス」
「あ、おはようございます…」
「今日のエリス、いつもと雰囲気が違うね、いつものローブじゃないんだ」
「は、はい、今日は特に用事もない珍しい日なので、たまにはこうして私服を着ないと…リラックスできませんし…」
なるほど。
「そ、それで、今日こうしてリヒト様を呼んだわけなんですが…」
「リ、リヒト様は、、一級魔法使いには、興味はないですか?」
「い、一級魔法使い?! あるある!」
「おぉ…それなら話は早いです」
「近々、一級魔法使い試験が魔王城にて行われます、そこに受けてみませんか…?」
「リヒト様は今、二級魔法使いですので、参加資格はあります」
「一級魔法使いはその名の通り一級、魔法使いの最高峰です」
「なので試験内容は過酷そのものです」
「ですが、魔法使いの最高峰につきたい者は非常に多く、毎回かなりの受験者が参加しては、無惨に不合格になっています、中には試験中に死んでしまう者もいます…」
「受けるなら私は止めません、、リヒト様、一級魔法使い試験に、受けますか?」
「——受けたい…」
「——わかりました、では試験日当日まで、私と対策をしましょう」
「毎回試験内容は変わります、なので対策のしようはないですが、過去の試験内容から対策を取る事はできます」
「たとえば、ダンジョンに潜った最新部まで到達する、という試験内容なら、ダンジョンに関する知識を」
「対人系の試験内容なら、戦闘の型を、型に合わせた攻略方法などを教えていきます…!」
「おぉ…!」
「エリス、、すごい喋ったね」
「——あっ…! す、すみません、熱中するとつ、つい喋りすぎてしまうんです…」
「あぁ、別に謝る事はないよ…」
「で、では、明日から対策を始めます、今日はこれで…」
「あ、うん、またね〜」
「はい、また明日…転移魔法」
ヒュン…。
一瞬で消えた…。
すごいな〜あの魔法…俺も使いたい…。
一級魔法使い試験かぁ〜、一体どんな内容なんだろう…。
* * *
それから俺は、エリスに試験当日まで1ヶ月間、みっちりと教えられた。
ある時は対人戦闘の教えだったり。
「対人戦闘は、モンスターの時と違って、受けを意識しましょう」
「受け?」
「はい、殺しはNGなので、モンスターと違って、一撃で死ぬような攻撃は来ないでしょう」
「なので、受けてからカウンターなり、きた魔法を掌握したりなど、まずは受けてから戦略を練りましょう」
「初手の一撃じゃ相手の底は見えませんが、大まかな強さはわかります」
「そこで相手の自分の強さの差が小さければ、勝てる可能性が高いです」
「ほへーー」
またある時は、ダンジョンに対する講座が開かれたり。
「ダンジョンは危険がいっぱいです」
「中には普通に死ぬトラップなんかもあります…!」
「そして各階層には次の階層へ行くのを阻むボスがいます…!」
「そのボスを倒せば次の階層へ行けるのですが、ボスは強いです、大体その階層のモンスターの2.5倍以上はあります…!」
「そ、それと、ダンジョンには宝箱もありますが、偶に宝箱に紛れたモンスターもいます…! 注意してくださいね…!」
そしてある時には、、。
「いきます…!」
「「レヴォルテ!」」
「——うわぁぁ?!」
魔法の撃ち合いでボロ負けしたり。
ある時には単純にトレーニングをしたり。
「1、2、3、、4……!」
「頑張ってくださいリヒト様…!」
「5、、6……!」
7歳に腹筋は少々厳しいものだが…。
「はぁ、はぁ、はぁ、、」
「””頑張ってください…! あと、4週です…!””」
「はぁ、はぁ、はぁ、、」
体力トレーニングのため、屋敷の広場を10周させられたり。
ちなみに屋敷の広場は横長で、一周で500m以上もある。
それを10周、7歳にだぞ?
正直言って途中で熱中症になってしまった、熱中症になると、魔法すらロクに使えなくなってしまった。
すぐに病院へ行き、マヒト兄様に直してもらった。
「はい、これでいいよ〜」
「ありがとうございます、マヒト兄様」
「うんうん、夏は暑いから気をつけてね〜」
さらにある時には。
「いきますよー! それ…!」
「おぉ! わーい!」
こっそり二人でビーチへ行き、ハメを外して楽しんだりもした。
そういや、エリスの水着、めっちゃ似合ってたな…。
* * *
そんなこんなでいよいよ明日、試験当日まできたわけだ。
「明日はいよいよ本番ですね…」
「そうだね〜」
「対策はしたので、た、多分大丈夫です…!」
「明日は朝早くに、私が転移魔法で会場まで移動します」
「私の他に、同行者として、リーブさんを…」
「よ、よろしくお願いします!」
「おぉ! リーブも一緒に来るの?」
「はい! 必ずやリヒト様のお役に立ちます!」
「フランさんも志願していたんですけど…」
* * *
「私も行きたいです!」
「二人もいらないですし…」
「私も行きたいです!」
「リ、リーブさんにお任せという形でも…」
「わ、た、し、も、行きたいです」
「う、うぅ……」
* * *
「すごく怖かったです…なんとか断れましたけど…」
「あぁ、、ごめんね、なんか…」
—翌朝—
「そ、それでは、行きますよ…?」
「うん!」
「はい!」
「転移魔法」
ヒュン…。




