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第五十二話 「いざ! 王都へ!」


「あ、そろそろ時間ですね、では出かける準備をしましょうか」

「はぁ、、やっと終わった…」


 たかだか3つの服なのに2時間も付き合わされるなんて…。


 2時間の末、選ばれた服は2番目の、凛々しさと陽気さが感じられる服、に決まった。

 白を基調とした、オレンジ色の線と、ところどころに黒の模様が入った服だった。


 生まれた時からこんな高い服を俺は着ていたのかと、今改めて思った。

 俺ってそういや、貴族である、大魔族の末っ子なんだな…。

 紛れもない事実だが、改めて思うと前までとは違ったものがくる。

 貴族生活から離れてみて感じた、裕福なのはいいことだが、それ故に裕福だからこそ体験できないものもある。

 離れたからこそ感じれた、いい経験だ。


「リヒト様〜? いきますよ〜」

「あ、うん!」


 屋敷に帰ったら、みんなに思い出話をたくさん聞かせてあげよう。



「——っお! リヒター! お〜い!」

「——って、あれ、隣の人は?」

「えぇと、アリルって言うんだ」


「え、それってまさか、、あのアリルさん?!」

「え、まじ!?」

「あ、あの、最近話題のえーAランク冒険者のアリル・ユークリッドさん?!」

「「本物?!」」


 え、エリス、いつのまにかそんな有名に?!


「あ、あはは…ここは人が多いので、あちらにそれて話しませんか…?」

「「は、はい!」」


 一行は広場のある大通りから外れ、脇道へ入っていった。


「それでそれで、本物なんですか?」

「は、はい…」

「おぉ〜本物だぁ〜!! 握手してもいいですか!」

「は、はい、、どうぞ…」


「やったぁ〜!!」

「あ、ずるい! あたしも!」

「あ、あははは…」


 ちょっとちょっと、いつのまにそんな有名になってたの?!

 じ、実はリヒト様と別れた後…。


 * * *


 私はヒナタの土地から遠く離れた所に魔法都市があるという情報を掴みました。

 なので私はすぐにそこへ行き、人間界の魔法の発展や魔法式などの情報を掴みました。

 ですがある日、、。


 いつも通り街中を歩いたりして情報収集を行なっていると…。


「そこのお嬢さん」

「は、はい…?」

「お嬢さん、他の人とは違ってかなりお強いですね、どうでしょう、一つ手合わせを?」

「え、えぇ…」


 いきなり若い男の人から話しかけられて、勝負も挑まれました。

 その勝負は私の圧勝だったんですが、、どうやら戦った人、魔法都市の中でも五本指に入るほど強い人だったらしくて、、。


「お嬢さん、私を倒すとは、、すごい実力をお持ちのようで」

「どうでしょう? 魔法使いのランクを上げる気はありませんか?」


 男の人は私に魔法使いのランクを上げる提案をしてきた、私は魔界の方では一級魔法使いよりも上の立場にいる、そのせいか今では魔法使いのランクを上げる事を望まなくなっていた。


「魔法使いのランクを上げる気がないのでしたら、冒険者ランクの方はどうでしょうか?」


 冒険者ランクの方はあげた方がいいのですぐに了承した。

 正直、なんであの時魔法使いのランクを上げなかったのか疑問に思う。


 結果、私はCランクからAランクに上がり、同時に魔法都市で有数の実力者を圧倒して勝ったという強力なレッテルを貼られることに。

 そのせいで一気に有名になり、ここ最近ではランクの高いモンスターを討伐するたびに掲示板などで私の活躍を啓示するようになってしまった。


 私は目立ちたくないのに…。


 * * *


 そんな感じで、今に至る、、。


 なるほど、僕の知らないところでそんなことが起きてたんだね。


「リヒター! アリルさんー!」

「馬車、出ますよー!」


「あぁ、急がないと!」


 いつのまに馬車が、、いや、エリスの話に夢中になってたからか。


「うんしょ…!」

「さぁ、しゅっぱーつ!!」

「「おー!!」」


「今から向かうは王都! 一般人のあたしらが一生に一度くらいしか行けない理想郷! いざ、参らん!」



 

 * * *




 ピキ、、ピキ、、。


 リヒトのベッドの上、枕元にあるのはダンジョンで巨大スライムとの戦いで手に入れた卵である。

 そんな卵にいま、異変が生じていた。


 ピキ、、ピキ、ピキ、、。


 どんどんヒビが入っていき、、。


 ピキピキ、、パカっ…。


「——ピィ…?」




 * * *




「ここから王都までは2日かかるみたいだよ」

「結構かかるね〜」

「まぁ何回か山越えするし、仕方ないんじゃない?」


「それまで暇だよね〜」

「せっかくだし、何か話そうよ!」

「あたし達、アリルさんの話とか聞きたい!」

「え、えぇ…」


「ア、アリルは人と話すのが苦手なんだよ」

「え、そうなの?」

「は、はい…」


「そっかぁー、じゃあさ、このままじゃ退屈だし、こっちが何か話そうよ!」

「いいけど、何か話せることあるの?」

「んー、、せっかく王都に行くなら王都にまつわる話がいいよね…」


「「ん〜、、、」」


「——あっ、勇者様の話とかどう?」


「「——っ!!」」


「んー別にいいけど、二人はど——」

「「聞きたい! …です」」


「熱量すご、、コホンっ」


「まずは、勇者パーティーについて話そっか!」

「勇者パーティーは、勇者様、魔法使い、僧侶、聖者の4人パーティーで、もちろんみんなSランク冒険者!」

「たしかちょうど2日後に、勇者パーティーが近況報告のために王都に帰るらしいね」

「あー、そうなの?」

「そうだよ! ちゃんと知っておかなきゃ!」


 2日後に、、。

 ゆ、勇者パーティーが王都に、、。

 “”帰ってくるっ?!””


「それで、その勇者パーティーは、最初から全員揃ってたわけじゃなく、魔法使いと聖者は後から勇者パーティーに入ったらしいよ」

「みんながみんな化け物みたいな強さしてて、その職業の界隈の人みんなが憧れを抱いているよ」


「かくいうあたし達も、憧れてる、、けど…」


「まぁいいか、じゃあ次に勇者パーティーのメンバーを紹介していくよ!」


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