第四十六話 「時が経って有名に」
ランクCになってから時間が経ち、俺は7歳になった。
正確に言えば2年…あと半年もすれば次は8歳になる。
7歳になった俺は、魔法がより洗練され、エリスとの上手く渡り合えるよう——。
「リヒト様、今日も惨敗ですね」
「エリスが強すぎるんだよ…」
——になるわけもなく、2年経った今でも手も足も出せずにいる。
人間界もだいぶ慣れてきた。
人間界での暮らしは、冒険者として生きていく以外だとそこまで変わらない。
案外似ているものなんだなと、感じたこの頃…俺はいくつかやりたいこと、知りたいことができた。
ダンジョンに行くことだ!
だがダンジョンに行くには最低でもBランクにならないと依頼を受けれないらしい。
でも、Bランクで行けるダンジョンは、ちっぽけなダンジョンなため、なんかイマイチそそられない…。
だから俺はAランクになって、ちゃんとしたダンジョンの依頼を受けて、ダンジョンに行きたい!
なので俺は頑張った!
何日も何日も、依頼をこなし順調にランクを上げていった。
そしてこの調子でいけば、あと2日でランクAに行けるのだ!!
ランクは依頼の積み重ねだ。
経験値を一定の量とるとレベルが上がるように、ランクも同じく依頼を達成しまくれば、いつかランクが上がる。
ちなみに、2年でCランクからAランクまで上がれる人は結構珍しいらしい。
だからか俺は巷では結構有名な存在になっている。
[7歳でBランク!]や[最年少でAランクになった人が更新されそう!]など、かなり期待を持たれている。
有名になるのはいいことだが、有名になったらなったで懸念点がある。
それは俺が魔族だとバレることだ。
有名になれば素性を洗い出そうとする人は必ずでてくる。
隅々まで観察し、いろいろな情報を引き出す人もいる。
そんな人たちに目をつけられ、魔族と言う素性がバレれば一巻の終わりだ。
できるだけバレずに過ごしたいものだが…。
「リヒターくんって、本当に強いよね〜」
「ねー、本当強いよね〜」
「あ、あの! リヒトーさん、今度よければ私達のパーティーと一緒に依頼に出かけてくれませんか?」
「ちょっとちょっと、リヒターさんと依頼に出るのは、私達よ」
有名になりすぎてしまった…。
遅かった。
こうなればいかに素性を出さないようにするかを考えたほうがいいだろうな。
「ま、まぁまぁ、どっちのパーティーにも行くからさぁ…」
「や、約束ですよ、リヒターさん!」
「リヒター君、場の収め方をよく知ってるのね」
「え、えへへ…」
一方、最近は別行動をとるようになったアリルことエリスはというと。
「——っ…」
依頼のため、遠くへ行くとだけ言ってどこかへ行ってしまった。
7歳を一人にしてどこかに行くとか普通なら信じられないと思うが、まぁ、俺だから大丈夫だろうと考えたんだろう…。
これで41のおっさんじゃない、普通の男の子だとしたら大問題だな。
ダンジョンに行くなら一人でもいいが、大型のダンジョンとなると一人はもの寂しいだろう。
なのでパーティーを組もう…!
「ふむ、パーティーを組みたいと?」
「はい、何かいいパーティーとかいませんか?募集していたらそこへ——」
「募集しているパーティーはいくつもあります、ご自分で見て、入りたいパーティーを決めるのがいいでしょう」
「こちらが名簿です、ご覧ください」
「ありがとうございます!」
どれどれー?
できればまぁまぁ強いところで、魔法使いを場周しているところがいいなぁー。
おっ、これとか!
——って、求めるランクがSぅ?
けっ、化け物パーティーじゃねぇか。
これは、、いいかもな。
人数は3人で俺を含めると4人か、、小規模のパーティーだけど、求める条件がバッチリ合ってる! このパーティーに入れるか聞いてみるか。
「あ、もうよろしいのですか?」
「はい、それではまた」
「——うーん、それであたしらのパーティーに入りたいと?」
「はい! 求める条件がバッチリ合っていたので!」
「はぁ、、まさかこんな子どもが来るとはな…」
なっ! バカにされてるな。
まぁ、俺の存在を知らない人も一定数いるし、仕方がないか。
「それで、一応聞いておく」
「君、ランクは?」
「——Aです」
「え、Aぇ?!」
「本当に? 嘘ついてたりしないよね?」
「これが証拠です」
「あぁ、本当にAランクなんだ…」
ぐぬぬ、、ライセンスは嘘つかないし、信じるしかないか…。
「本当にAランクなんだ、すごいね」
「ふふーんでしょでしょー?」
やっぱ子どもはすーぐ調子に乗る、、。
「それで、本当にあたしらのパーティーに入りたいわけ?」
「あ、はい、入りたいです」
「そっか、んじゃいいよ」
「人手が欲しかったんだよね〜、しかもAランクの魔法使いとか求めてた人材だし」
「これからよろしくね、あたしは[ライム・ユークトリア]、それで、今はいないんだけど、このパーティーには後二人いるよ」
「軽剣士のユアンと、僧侶のハクジャがいるよ」
「ちなみにあたしは探索者さ、優秀な魔法扱いは近接も遠距離もできるから欲しかったんだよね〜」
「改めてよろしくね、リヒター君!」
「う、うん、よろしくね、ライム!」
しっかりと握手をする。
これは互いがこの契約に了承したと言う形になる。
つまりは、俺は晴れてパーティーメンバーの一員になったわけだ。
これで念願のダンジョンに行ける、、準備が整った!
待ってろダンジョン! 夢のダンジョンは、もうすぐそこだ!
——翌日——
「えぇ、まじか、リヒター君ってパーティーに入った動機がダンジョンに行きたいから、と」
「はい、、あと君付けはしなくていいですよ」
「あぁ、わかった」
「それで、リヒターはダンジョンに行きたいのか、、ん〜そうだなぁ…」




