第四十四話 「初心者狩りとドラゴン討伐」
「銀貨6枚、これってどのくらいの金額なの?」
「ん〜そうですね…たしか銀貨6枚だと…」
「今借りているこのお部屋のお値段が一日銀貨1枚です」
「え、この部屋が銀貨1枚?」
てことはあの報酬だけで単純に6日、え…? そう考えると結構報酬豪華じゃね?
いやいや、この部屋が安いっていうだけかもしれない!
早とちりは良くない良くな——。
「あの報酬、他のより豪華でしたから…他の人に取られる前に受注できてよかったです…!」
他のより豪華だったぁぁ!?
——翌日——
さぁ今日も依頼頑張ろうか。
「あむあむあむ…ごしごしごし…」
「ふぅ、よし」
エリスは先に冒険者ハウスへ向かっているらしいから、俺も早く支度を済ませて向かおう。
* * *
「おうおう嬢ちゃん、可愛いねぇ」
「今のランクを教えてくれるかい?」
「う、Dランク、です…」
「まだまだ甘々な初心者ちゃんかぁ、そりゃ俺らが嬢ちゃんをエスコートしなきゃな」
「そりゃ名案だ! さぁお嬢ちゃん? 一緒に依頼に出かけようぜ!」
「大丈夫だ、俺らは巷じゃ強いって結構有名なんだ、安心だぜ?」
「や、やめ…」
「ほらほら〜怖がんなくていいからさ〜」
て、手が、私に…!
「や、やめてください…!」
「う、なに?!」
「全方位のバリア?」
「く、しかもこのバリア、クソ硬ぇぞ!」
「こんな高度な技術を持ってやがるなんて…騙したな!」
「い、いえ…騙してはいません、ただ…」
「あなた達は、心底嫌なので、私から離れてください」
「く、くそぉ…」
「これは警告です、無視をすればどうなるか、わかりますよね?」
「——スイエンコ!」
「はっはーどうだ!」
「火属性と水属性の合わせ技だ!」
「さすがっす兄貴!」
「これで嬢ちゃんの硬いバリアも割——」
「警告、無視しましたね?」
「な、わ、割れてねぇ…?!」
「ベニマイ」
な、なんだこれ、花びらが、赤くなって、まるで、まるで…。
標的の血飛沫のような…。
残酷さ、凶悪さの感じられる技だ…!
こ、これは…避けられ——。
「う、うわぁぁぁあ!!」
* * *
いやぁ、随分手間取ってしまった。
エリス、怒ってないといいなぁ…。
お、いたいた。
「おーいアリルー!」
ん…? 誰だ…?
「ア、アリル、そこで縛られている人たちは?」
「あぁ、気にしないでください」
「え、でも——」
「気にしないでください」
「は、はい…」
「そ、それじゃあ今日も、依頼を受けに行きましょうか…!」
「うん!」
* * *
「う、うぅ…」
七賢法の方がいるとはいえ、心配ですぅ…。
私も行きたい、行きたかった!!
私はリヒト様の専属メイドなのに、最近リヒト様はやたらとエリス様と外出することが多くなっている…。
このままだとまずい…。
「こうなったら…!」
帰ってきた時、一番に[おかえりなさいませ!]と元気な声で言ってリヒト様を元気付け、その後に! [疲れていますね、私がマッサージをしましょう!]って言って長い間触れられなかったリヒト様の感触をしっかりとじっくりと堪能するんだぁ〜。
えへ、えへへ、ぐふふ。
「あの、フランさん?」
「は! はいぃ!?」
「どうしたんですかそんなびっくりして」
「リ、リーブさん、びっくりしたぁ…」
「リヒト様が心配なんですか?」
「もちろんです!」
「僕も心配ですよ、早く帰ってきて欲しいですねぇ」
「ほんとそうです! 早く帰ってきて欲しいです」
早くリヒト様を堪能したい…。
リヒト様のいない生活、、はぁ〜つら…。
* * *
「どんな依頼がいいのかな?」
「また昨日と同じ、モンスターの依頼でいいでしょう…」
「なら、、これとかどうかな?」
「ふむふむ、いい、です…!」
「これを、」
「はい、Cランクモンスター、コドモドラゴンの討伐依頼ですね」
「受注しました、期限は6日です、1体きちんと倒してきてくださいね」
「はい!」
「それでは、行ってらっしゃいませ…」
「それで、コドモドラゴンってどこにいるの、アリル?」
「う〜ん、、このあたりだとあそこの、大きな山の上にいますかね…?」
え、あの山登るの…?
「も、もしかしてあの山を…」
「は、はい、登ります…ね」
う〜わきっつ?!!
あんな見るからに険しそうな山を登るのか?!
俺まだ7歳だぞ?!
「ね、ねぇアリル、あの山以外でこの辺にコドモドラガンが居そうなところって…」
「ないですね」
「本当に…? 探せばあるんじゃ——」
「ないですね」
「そんなぁー、、うぅ…」
結局、見るからに険しそうで、危なそうな山に登ることになった。
結果は思ったとおり、急斜面が多くて危なっかしい道が多かった。
だが、ある程度登ったら平坦に地になっていた。
少し歩くと遠くにコドモドラゴンがいた。
「いたね」
「はい、いました」
すかさず魔法で攻撃し、重傷を負わせると、、。
「え、なになに、なんか咆哮が聞こえたんだけどぉ…」
「はい、私も聞こえました、これは、、」
「「親ドラゴンだぁぁぁ!!?」」
親ドラゴンと運悪く遭遇してしまった。
だが、やはりと言うべきなのか。
「下がっていてください、リヒト様」
「え、エリス…?」
「このままだと、巻き添えを喰らいます…から…!!」
「ベニマイ…!」
急いで両者から離れた、全力で。
身の危険がした、本能的な。
「(咆哮)」
あ、ブレスが…?!
「危ない! エリス!!」
すぅ〜、、ふぅ…。
「七賢法は、そんなやわじゃない、です…!」




