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第四十一話 「人と魔族の歴史」


「誠に申し訳ないですが、無理です!」


「えぇそんなぁ!」


「みんな仕事やら任務やらで外出していまして、あと多分みんな行きたがらないですし…」


「メイドや執事、従者の人の中でエリス様に付き添えるような優秀な方はいませんし…」


「う、うぅ、どうしよう…」



「失礼します、グラナト様、いい人材を持ってきました」

「ほう、誰なんだ?」


「この方です」


「と、父様…」


 リヒトだとぉ?!!


「ダメだそんなの絶対ダメ!」


「グラナト様! リヒト様はすっごいお強いし、何より会話能力も高いです!」

「それに可愛いし愛嬌があるし、きっとエリス様のお役に立てますよ〜えへへリヒト様〜」


「ちょ、フラン…やめ…」


 うーん、リヒト様か…。

 確かに実力は申し分ないし、会話能力も5歳とはかけ離れたレベルの高さ…。


 でもぉ…5歳が人間界に行くのは…。

 ダメでしょ〜。


「エリス、いや、エリス様」

「ふぇ…?」


「僕、行きたいです…!」


「「——っ?!!」」


「とても興味があります、人間界、どういうところなのか、人間がどう言った存在なのか、とても興味があります」


「自己防衛はちゃんとします! 危なくなれば、すぐ帰ります!」

「邪魔になるようでしたらすぐ帰ります!」

「ですので、行かせてください!!」


 な、なんて真っ直ぐな目…!!


 そ、そこまで言われたら、行かせたくなっちゃう…。


「だ、ダメだ! やっぱり危険すぎる!」


「うぅ、リ、リヒト?」

「父様、ダメ…?」


 子どもの麗しい目、そして上目遣いからの泣きそうな感じを演出する声!!


 これで断る親はいない!


「ぐっ…くぅ、、」


「わかった…許そう…」

「やったー!」

「ただし! 人の我ら魔族との関係や歴史を知ってからだ、いくらエリス様がいるとはいえ、知識もなしに人間界へ行くのは無謀だ」


「と、言うことで、メイドよ」


「はい〜!」

「リヒトに、出来る限り人と魔族の関係性と歴史について、教えなさい」


「わかりました! ささっ、ではリヒト様行きますよ〜」

「お、お手柔らかに〜!」



「グラナトさん、助かりました」

「はぁ…本当は行かせたくなかったのにぃ…」


「あの歳にしては明らかに、年齢と不相応な人格をもつリヒト様なら、き、きっと大丈夫だと、思いますよ」

「そうであってほしい…あぁ心配だぁ…」



「さてと、リヒト様? まず人間はどのくらいご存じですか?」

「えぇと…角が生えてない魔力は我ら魔族の下位互換な種族…?」

「合ってるっちゃあってますね」


「今から長ーいお話をします、耳の中噛み砕いてよーく聞いてくださいね〜?」


 耳の中噛み砕いたら、血だらけになっちゃうよ…。



「まずは、人間と魔族、その2種族がどんな関係なのかをお教えします」

「はい、先生!」


 うはぁ〜! リヒト様が私を先生…!

 そんな風に呼ばれる日が来るとは…感無量です…!!


「おっほん、で、では人間と魔族は、はるか昔」

「人間がいなかった頃、世界は魔族とモンスターとその他の種族しかいませんでした」


「ですが、そんな中、魔王を筆頭とする身分の高い魔族のことを極端に毛嫌いし、滅ぼそうとする魔族がいました」

「その魔族はやがて、数人の仲間を引き連れてはるか遠くの地へ行き、身分の高い魔族を滅ぼそうと、作戦を練り、子孫やそこ先の代へ繋げていった」


「と、言うのが私たち魔族側にある、人間と魔族との関係の始まり、起源となります」


 へぇ、そうなのか。

 はるか昔には人間はいなかったのか。


 でも、だとしたらどうやって昔の人は、今の人間の姿に変わることができたんだろう。

 昔は、今よりも魔法が発達していたわけじゃないだろうし…。


「次に紹介するのは、人間側の始まりの話です」

「人間側、の?」

「はい、先人の人が何度も人間界へ視察に行ったことにより発覚した、人間側の魔族との関係の起源となる話があります」


「人間側はこうです」

「はるか昔、人の心に悪き魂が宿ったものが現れてしまい、その悪人がいくつもの集落を落とし、人を連れてはるか遠くへ行った」

「その後、人を見かけたら襲い掛かるような実に凶暴かつ狡猾な、まったく別の種族として成ってしまった」


「と、言うのが人間側の話です」

「——はぁ、反吐が出ます…」


 なるはど、人間側だと身内に悪人がいて、それが魔族の起源だと…。

 だが、魔族になったとしたら、その過程はなんだ?

 どうやって角やら体の構造も違うらしいからな、そこをどうやって変えれたんだ?


 どちらの歴史も…興味が尽きないなぁ!

 知りたい、もっと色んなことを…!


「それではお次に、人間界へ行くにあたっての、一般常識を教えます」

「大事なことですので、2回しか言いませんよぉ?」

「はい、先生!」


 うほぉー! 先生きちゃー!!


「おっほん! ではまず、人間界で職業が無数にあります」

「生きていく上で必要なお金を稼ぐために、死に物狂いで任務をこなす冒険者、こちらが一番多い職業です」

「エリス様もそうですが、視察の際は皆さん冒険者になって、色々と見るそうです」


 なるほど、冒険者…。

 前世でも、たまに広告とか、アニメPVとかでよく耳にするな。


 冒険者といえばあれだよな。

 ランク分けされた依頼を受け、薬草を採取したり〜、住民の悩みを解決したり!

 ダンジョンとかに入ったり〜、ボスを倒したり!


 そういった事をして、お金を稼ぐんだったよな〜。

 うん、やってみたい!


「他にも、冒険者の中でも色々と職種が分かれています」

「剣士、魔法使い、僧侶、聖者、基本的にはこの4種があります」

「もっと詳しくいえば、今言った4種類全てが、さらに枝分かれして複数の職種に増えますが…」


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