第十四話 「属性適性試験」
ん、朝か。
あれから時が経って俺は5歳になった。
そして今日、人生を左右する大事な行事がある。
「今日が、属性適正試験の日か」
「緊張するな〜」
「ん…おはようございます、リヒト様…」
「あ、ごめん。 起こしちゃった?」
「いえ、1時間ほど前から起きていましたので」
そんな前から?!
「今日は大事な日ですので、いつもより気合を入れて準備をしましょうか」
「う、うん」
ふっふ〜ん♪
今日は〜♪ リヒト様の〜♪
属性適性が分かる日〜♪
どんな〜♪ 適性が〜♪
あっるの〜かな〜♪ っと。
「おっようございーます!」
「——あらま。」
着替え中に、しかもノックもなしに入ってくるなし!
「フラン様、失礼ですが今はリヒト様のお着替え中です」
「出ていってください」
なんですとぉ!?
「ちょいちょいリーブさんやい、私は君がお世話がかりになるまで、ずっと世話をしてきたんですよ?」
「その私が! ここで成長したリヒト様のお着替えを!」
「見学してもいいではないですか!」
鼻血出すな鼻血。
邪な考えをしてるの丸わかりじゃねぇか。
「それでもです。 今のリヒト様の身の回りの世話は僕の担当です」
「ぐぬぬ…!」
ふふふ、羨ましいでしょう?
頭の骨が割れるくらい何回も土下座をして、命を削ってまでリヒト様の身の回りのお世話役の役を勝ち取ったんですから。
この役割は、絶対に渡しませんからね。
この…!
急に適任が見つかったとか言われてリヒト様の身の回りのお世話役を下されてしまった…。
あぁ…!
せっかく私のリヒト様写真集が潤っていたのに…!
ここに来てその更新がストップするとは…トホホ…。
でも!
絶対に諦めませんからね。
是が非でも、最悪の場合手荒な手段を使ってでもリーブをあの役から引き摺り下ろさないとね。
「終わりましたよ」
「ありがとうリーブ」
「——っ…では行きましょうか、リヒト様」
「リヒトよ、今日は記念すべき日だな」
「はい、父様」
「リヒトはこの日まで、幾重もの魔法を学び、そして扱うことができるようになるほど、魔法の才能が高い」
「はい!」
「それでいて、属性魔法もレベル4ならほとんど扱えるようにもなり、さらにはあの無詠唱までもレベル3までなら全て扱えると言うではないか!」
「これは歴史を見ても、群を抜いて才覚を持った者だと見て間違いない」
「そんな者が今日の属性適性で適性の高い属性魔法を極めたらどうだ?」
「最強の属性魔法使いが新たに誕生するではないか!」
そ、そんな期待を持たなくても…。
「はっきり言って私は期待をしている、期待に応えれるよう、全力を尽くしてこい」
「は、はい」
ずいぶん移動したけど、まだかな?
おっ。
「つきました、ここが会場である闘技場です」
と、闘技場?
「ここでリヒト様は、全ての属性の中で、どれが一番適性があるかな試験をしてもらいます」
「試験は属性ごとに順番に、最初は火、最後に氷でございます」
「試験内容は、遠く離れた的に当てる投擲試験」
「それが終わりましたら、少し強いモンスターとの戦闘試験の二つに分かれます」
「その工程を全ての属性で行います」
なるほど、つまりは合計で5回同じことをするわけだ。
「私たちメイド、従者、その他諸々の観客は上の観客席から観戦していますので」
「わかったー」
万が一、リヒト様に何かあっていけないので、すぐ助けれるよう、あらかじめ一番手前の先に荷物を置いておきました。
これでリヒト様のみに何が起こってもすぐ助けにいけますね。
リヒト様は、私が守ります!
すごく不安です…。
まぁでも何があってもすぐ助けれるよう一番手前の席に荷物置いて場所取ったし、大丈夫ですかね!
リヒト様は、私が守る!
心配だ…。
もしもの時にすぐにリヒト様の元へ行けるよう最前列?だっけな。
とにかく一番前の列の席に荷物を置いたからこれでリヒト様が危ない時は私がすぐ駆けつけれる!
リヒト様は、僕が守るんだ!
「じゃあ行ってくるね」
「「お気をつけて!」」
さてと、敵ってどんな敵なんだろうか?
まぁとりあえず、エリスから習った魔法、まだ実戦で使ってこなかったからな〜。
今が絶好の使い時!
すぐに倒しちゃぁ待ったないよね!
「では行きましょう、アークストン・リヒトによる、属性魔法適性試験」
「まずは火属性の試験、始めっ!」
お、的が出てきたな!
数は3つ、全部撃ち抜いてやる!
意外とあっさりいけた。
次は少し強いモンスターとの対戦らしいが。
向こうの檻が空いたな、何がくる?
まっ、何が来ようと、俺の火魔法は少し強い程度じゃ勝てないけどね。
ほらよ。
「カンカンカン! 勝負アリです!」
「シュラハドよ、わざわざ叩かずに自分で音を言って恥ずかしくないのか?」
「いえいえグラナト様、こう言うのはその場のノリというものです!」
そういうもの、なのだろうか?
にしてもリヒト、初歩の魔法だけであのモンスターを倒すとは…。
一撃で、しかも初歩の魔法で倒すとは相当熟練した技術がないといけない。
努力したんだな、リヒト。
父さんは嬉しいぞ。
そこから俺は、水、雷、風、氷と全ての試験を終えた。
どれも問題なく全て速攻で片付けた。
その結果。
「むむむ…」
「どれも技の熟練度も精度も、等しく均等という結果が出てしまいました」
「これではどの属性が一番適性か判定できません」
ご覧の通り、試験の意味がなくなってしまったのだ。
「まぁいいではないか!」
「全ての属性があれだけ扱えているだ!」
「それに、皆忘れてはいないか?」
「リヒトはまだ、5歳なんだぞ?」
た、たしかに!
日頃の並外れた会話能力。
身体能力や技の練度!
全てリヒト様だからと片付けていたが…。
リヒト様はまだ5歳なんだ!!




