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第十三話 「1年半も経てば人も環境も変わる」


 あれから1年半の月日が経った。

 俺は4歳と11ヶ月であと1ヶ月したら5歳の誕生日を迎える。


 この1年でいろいろと変わったものもあるし、逆に変わらないものもある。


 今日は1日暇な時間だし、どうせならこの一年を振り返ってみようかな…?

 全部は覚えてないけど…。


 * * *


 まずはなんと言っても、リーブの声を初めて聞けたことだよな。

 あの時は本当に驚いたし、泣くほど嬉しかった。


 そしてあのあと語学の勉強を習い始めた。


 その日の午後、フランと市場へ行ったな。

 あの時フランからもらった指輪は、今でも大切にしている。


 そのあと、俺はエリスから魔法の更なる高みは目指すため、授業のレベルを上げてもらった。

 お陰でレベル3までの魔法ならほぼ全て扱えるようになった。

 今は無詠唱とやらに挑戦中だ。


 どうやら魔法の詠唱をなくすことができるようだが、詠唱をなくすにはとてつもなく難しいという話だ。

 実際、俺もできる兆しすら見えていない。


 俺が魔法の勉強のレベルを上げてから数日後、ラナカッテ姉様とクラン兄様が帰ってきた。

 どうやらラナカッテ姉様は、遠い場所で救護活動をしていたらしい。

 クラン兄様は、自らが率いる騎士団の遠征に行っていたらしい。


 二人のお土産で両方とも新しい魔導書をもらった。

 どちらとも役に立ちそうな魔法があったし、変な魔法もいくつかあった。


 そこから数週間後、メイドが数人新しく雇われた。

 そのうちの一人は、見た目が少し幼いが成人はしているらしい。

 ちなみにこの世界での成人、大人として扱われるのは12歳からだ。

 彼女は15歳だが、見た目が少し幼いせいで10歳か、それより若く見えて間違われるらしい。


 名前はチアというらしく、引っ込み思案な性格だ。

 その当時は結構苦労した。

 なぜならチアはとにかく弱々としているため、先輩のメイドから注意されれば頭を抱えて丸くなってしまい、怯えてしまうため、対応に苦労した。


 俺はそんなチアのメンタル強化をするべく、日常的に怯えないよう善処した。

 何か失敗しても、責めずに前向きな言葉を言って元気付けた。


 そんな努力が実った結果、今ではそれが少ーし改善されて、むやみやたらに怯えることは無くなった。

 だが、俺が甘やかしすぎた結果。

 チアは俺への依存が強くなって最近ではフランとよく喧嘩するらしい。

 普段は責められると少し怯えてしまうのだが、なぜかフランと喧嘩する時は気が強くなって言い合いの取っ組み合いにまで発展することもある。


 そんなチアが来てから半年後、俺はエリスの授業のおかげでレベル4の魔法をほぼ全て完璧に扱えるようになった。


 その日は家族全員でお祝いのパーティーをしてくれたっけ。

 あの時にケーキを食べたリーブの反応は、今でもよく覚えてるよ。


 その後、マヒト兄様が仕事で遠くへ出張にいった。

 1週間ほどで帰ってきた。

 お土産はなかった、兄様は仕事が忙しくて買えなかったと半泣きで俺に説明してきた。


 その後、父様が魔王城へ呼ばれた。

 そして父様は人間界へ視察へ行くことになってしまった。

 かなり長い間視察へ行くらしく、今もまだ帰ってきていない。

 でも2日に一回、ビデオ通話のようなものができる魔道具を使って、父様と家族みんなで話をしている。


 そして今。


 * * *


 この一年半でかなり環境、人、そしと俺自身も変わった。

 俺は魔法レベル4の魔法をほぼ全て扱えるのにプラスして、レベル3の魔法までなら全て無詠唱で扱えることができるようになった。


 そしてリーブも。


「おはようございます。 リヒト様」


 リーブはまだ勉強中だが、日常会話なら話せるようになった。

 そしてリーブは、立派な俺の専属の従者になった。

 専属の従者になることを、フランはすっごく反対していたけど…。


「うん、おはよう〜」

「お着替えはこちらにあります。 着替えますので両手をあげてください」

「は〜い」


 この通り、リーブは立派に従者をやっています!

 歳は結構上で10歳だったらしく、最初聞いた時はびっくりした。


「リ〜ヒト様〜!」

「おっようございま〜す!」

「おはようフラン、今日はやけにテンション高いね」


 何かいいことでもあったのだろうか。


「実はですね〜、リヒト様の写真がついに6桁を超えたんですよ〜」


 ん? 今のは聞かなかったことにしようか。


「フラン様、私はまだ3桁ですが、そのうちフラン様にも追いつきますからね」

「ふーん、追いつけるもんなら追いついてみなさい!」


 リーブよ、そんなことで張り合わなくていいだろい…。


「み、みなさーん…!」

「はぁ、、はぁ、、おはようございます…!」

「おはようチアちゃん!」

「おはようござい…ます…!」


 彼女はチア、半年以上前に雇われた新人のメイドだ。

 だが雇われた当初から俺の専属のメイドの候補として雇われていたらしい。

 今ではきちんと専属のメイドをやっている。


「すみません、髪のセットに時間をかけてしまいました…」

「チアちゃん髪長いからね〜」


 フランはチアと2年しか年が違わないからか、敬語をなくして接している。

 チアも馴れ馴れしく話してくれた方が気が楽なんだそう。


「——て、こんなところで話し込んでる暇はありません!」

「急ぎましょう、今日はいつもより少し早めの朝食だそうなので」


 今日は朝から少し走った。

 そのあとはいつものようにエリスの魔法授業、午後は気分転換にフラン、リーブ、チアと一緒に市場へでて、色々とお店を回った。

 1年半経って変わったこともあるけど、変わらないものもたくさんある。


 もう少しで適性魔法が分かるようになる。

 適性がわかればより魔法を極められる。


「——楽しみだなぁ…」


 早くその日が来ないかな〜。


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