第5話 季節の巻き戻り シーン5:鏡の間 ― “声の残響”
(BGM:オルゴールの逆回転。音の粒がゆっくり溶けていく)
視界がノイズに覆われ、世界の輪郭が崩れる。
黒と白が反転し、空間の奥から“鏡のきらめき”が滲み出す。
リリアの足元が透け、次の瞬間――彼女は再び、**“鏡の間”**に立っていた。
無限に続く鏡の壁。
反射する自分の姿が、無数の角度で彼女を見つめ返している。
そしてその中の一面――
ゆらりと、ひとりの女性の影が浮かび上がった。
淡い金髪。静かな微笑。
声は、残響のように時間を超えて響く。
アマリエ(残響):「恋を壊すほど、あなたは恋を知る。
――リリアーナ。」
その名が響いた瞬間、リリアの胸が脈打つ。
心臓の鼓動が、機械的なリズムではなく“感情の震え”として響く。
リリア(息を呑み):「アマリエ……。あなたは、誰を――」
言葉が終わる前に、視界が歪み始めた。
鏡面の彼女たちが一斉に崩れ、データの粒となって散る。
画面上に赤いコードが走る。
《#Emotion_Overflow=True》
《#System_Rebuild: 進行中……》
リリアの身体を光が包み、世界が白く弾けた。
彼女の輪郭さえ、データの光に溶けていく。
――まるで“再構築”のための純白の幕が降りるように。
エンディング演出
BGM:逆回転するオルゴールに、低音の鼓動音が重なる。
そのリズムは次第に――ひとつの心臓の音に変わっていく。
映像:
桜の花びらが空中で止まり、逆再生のように枝へと戻っていく。
最後の一枚が枝に戻る瞬間、画面の下に赤い文字が浮かぶ。
《Fragment_Detected : AMARIE_CORE_06》
《Loop Reset : Phase_1 Complete》
静寂。
白い光の中で、誰かの声がかすかに重なる。
「――次の春で、君は真実に触れる。」




