↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪令嬢、現代に転生す 〜恋愛フラグをへし折るJKライフ〜  悪役令嬢は二度と王子に騙されない!  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/113

2-1-2.システム介入

リリアは静かに息を吸い込んだ。

右手の手首――そこに淡く光るUIウィンドウが浮かび上がる。

誰にも見えない、世界の“裏面”。


「……ここで、止める。」


指先で一度だけ、画面をタップ。

刹那、世界が軋む音がした。


《システムコマンド:恋愛進行フラグ=停止》

《強制介入権限:Observer_002》


――パチン。


乾いた音とともに、風が止まった。

舞い上がっていた桜の花びらが、空中でぴたりと静止する。

鳥のさえずりも、遠くのチャイムも消えた。

まるで世界そのものが、一時停止したかのように。


リリアの耳に残るのは、自分の鼓動だけ。


(……いつも通り。ここからが、“私の仕事”。)


中庭の中央で、カイトが不良を睨みつけたまま動かない。

ミナは涙の滲む瞳で、助けを求めるようにその顔を見上げている。

どちらも、完璧なイベントの構図。

だが――止まっている。


世界に動いているのは、リリアひとりだけだった。


「ここで守れば、二人の好感度が上がる……」

小さく呟きながら、彼女はミナへと歩み寄る。

そしてその腕を、強く掴んだ。


「……なら、壊す。」


リリアが力を込めて引き離した瞬間、

空間に亀裂が走った。


ピキ――ン。


光の線が弾け、静止した世界の中に赤い稲妻が走る。

コードの断片が飛び散り、空間がノイズ化する。


《恋愛フラグ:キャンセル》

《補正処理:未完了》


歪んだ電子音が空中に響いた。

凍りついていた花びらが、ひとつ、またひとつと粉々に砕けて消えていく。


リリアはその中で、ただ一人、目を伏せた。


(これで、断罪は起こらない……はず。)


だが、その胸の奥で――

わずかな違和感が疼いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。