シーン1-4 「生きているということ」 ― 第5章『No Route, True Love』
屋上の風は、やさしくも冷たかった。
空はどこまでも澄み渡り、
そこにはもう、かつてのようなデータの線も、
崩壊のノイズも存在しなかった。
ただ、現実の青があった。
それは不完全で、揺らぎながらも――確かに“生きている色”だった。
リリアは柵越しに空を見上げ、
まぶしさに目を細める。
リリア:「選ばれなくても、愛せるなら……それでいい。」
その瞬間、風が強く吹き抜けた。
髪が舞い、スカートが揺れる。
どこからともなく、桜の花びらの残滓が宙を漂い、
陽の光を受けて淡く煌めいた。
まるで、もう存在しないはずの物語が
“さよなら”の挨拶をしているように――。
BGMが静かに流れ始める。
「Rebirth Algorithm」の前奏。
ピアノの単音と、電子パッドの残響が重なり、
無音だった世界に“命の音”が戻っていく。
《#New_World_Status: Standby》
リリアは柵から手を離し、
校舎の扉へ向かってゆっくりと歩き出した。
もう誰も待っていない場所へ。
けれど、それは確かに――“現実”への一歩。
風の中で、彼女の背中が小さく揺れる。
その歩みが、静かに、確かに、
物語から現実へと続いていく。
(演出)
・BGM:「Rebirth Algorithm」前奏(ピアノ+パッド)
・風の音がリリアの台詞と重なり、花びらの粒子が画面を横切る
・最後の一歩の瞬間、画面がわずかに白くフェード




