集合
佐烈は玉座に座りながら残念そうに言った。
「はぁー、俺らにはまだ及ばないか」
泰矢は壁にめり込み、床に座り込んでいた。
「ま、まだだ」
「おいおい、まだ意識あんのか。その体は本物だな」
佐烈は嬉しくなったのか身を少し乗り出して言ったが、泰矢を憐みの目で見て言った。
「だがな泰矢、そんなんじゃこのさき全て失うことになるぞ」
その時、廊下の方から声と走っているのか速い足音が聞こえてきた。
「た、泰矢さん大丈夫ですか!?」
「楓架か」
楓架が近寄って心配そうに声をかけてきた。楓架は何か箱を持っていた。それに気づいた佐烈は立ち上がり楓架に大声で言った。
「お前!何持ってんだ!」
楓架は佐烈の声を無視して箱の中身を泰矢に握らせた。すると泰矢は異能を認知した時と同じように頭の中に異能の使い方とある記憶が流れてきた。それと同時に泰矢は体力が回復してきた。
「楓架、このハンマーはなんだ?」
「泰矢さん…」
楓架は安堵したのか涙を流しながら言い、続けた。
「それは異能惧というものです。もう使い方は分かりますよね」
「あぁ、ありがとな。あとは任せてくれ」
「はい」
楓架はその場から離れた。それを見届けて泰矢は少し震えながらも立ち上がって言った。
「それじゃあ佐烈、第二ラウンドと行こうか」
「くそ野郎が」
楓架は走ってきた道を戻って宝物庫に戻った。中には楓架を助けた人物もいた。
「無事に届けられましたか」
「はい」
「ならよかったです」
時は少し遡り、そいつが楓架を助けた後のこと、二人は宝物庫に向かっていた。
「このくらいならば護衛は必要なかったのでは?」
そいつは佐烈の分身を倒した後に楓架に言った。
「いえ、仲間は多い方がいいですから」
そしてまた宝物庫に向かったが、その道中また佐烈の分身たちと出くわした。
「またですか」
そいつはそう言いながら攻撃しようとしたが、それが当たる前に佐烈の分身は砂になった。それを見たそいつは状況を理解し、楓架に言った。
「楓架様!急ぎますよ!」
「え?あ、はい!」
そして、宝物庫に入ったそいつは楓架に言った。
「早く、異能惧を探して泰矢様に届けてください!」
「は、はい!」
楓架は言われるがままに異能惧を探した。しばらく二人で急いで探していると楓架が異能惧と書いてある箱を見つけた。
「あった、泰矢さん待っててください!」
楓架は見つけると同時に走り出し、泰矢に届けに行った。
そして現在に戻り、二人は金目のものを集めていた。そのことにそいつは言った。
「あの、なんでコソ泥みたいなことをしているのですか?」
「旅にお金は必要ですからね」
「それはそうですが…」
そいつはもう諦めたのか話を変えた。
「そういえば、泰矢様は大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ。異能惧にも適応したので」
泰矢と佐烈がいる玉座の間では佐烈が叫んでいた。
「ったく、それじゃあ意味がねぇだろ!」
「どうした、もう終わりか?びびってんのか?」
泰矢が煽ると佐烈は笑みを浮かべた。
「これも運命ってやつか。いいぜ、俺様も物足りないと思っていたところだ!」




