侵入
信宙についた二人は宿探しに苦戦して結局は一部屋で一緒に寝た
ー翌朝ー
起きた二人は宿でおとといの熊を燻製した肉を朝ごはんとして食べた。
「なぁ、楓架。これからの日程だが、午前中は観光して昼はお前のおすすめのうなぎ屋で飯を食って、その後は襲撃の準備をするっていうながれでいいか?」
「はい、それで構いま…え!?今日襲撃するんですか!?」
「あぁ、金を節約しないといけないからな」
「た、たしかにそれもそうですね。…わかりました。それで行きましょう!」
そんな感じで流れが決まった二人は宿を出る支度などをした後、町の観光に向かった。
ここの街は海に近いこともあってか海鮮物を出している出店が多く、値段もそれなりに安かったため買い食いをしながら見て回った。
そして昼飯時になると表通りから路地裏を進んで行った先にある店の中に入った。そこは喫茶店にある席を使い喫茶店のように配置して雰囲気を醸し出しているが、全然煙が立ち込めていて居酒屋に見えたりもしてしまった。カウンターから少し離れた席に座った楓架がドヤって言う。
「ここが私がおすすめする定食屋、その名もオールバックです!」
それを聞いた泰矢は困惑してしまい聞き返してしまった。
「定食屋?」
「はい、定食屋ですよ?」
「じゃああれは」
泰矢は店長を指さした。店長は黒髪のオールバックで右目が何かに引っ掻かれたような傷で見えなくなったのか目を閉じていて、上髭は中心部にちょびっと生えていて、服の上からでもわかる筋肉質の体の男である。楓架は当たり前のように言った。
「あの人はここのマスターですよ」
「完全に過去に何かやってんだろ」
「まぁたしかに私も初めてきたとき、色々と危ないんじゃないかと思いましたけど」
楓架は少し照れ臭く言った。泰矢はそれを聞いて覚悟を決めた。
「はぁー、けどまぁ、俺が連れてってくれと頼んだし、まぁ食べるか」
「そうですね、なら頼んじゃいますね」
「あぁ、頼む」
楓架は手を挙げて大声で言った。ちなみに客は泰矢と楓架の二人だけである。
「マスター!鰻重二つ!」
「鰻重二つ!承知!」
マスターもそれに大声で答えた。泰矢は心の中で突っ込んだ。
(いや、それ完全に居酒屋の受け答えだろ!)
そして料理が運ばれてくる間に楓架の進めで今日の襲撃について話し合った。
「それじゃあ作戦はそれで頼む」
「了解しました」
そして話し合ってからまた少し待っているとマスターが運んできてくれた。
「へい!お待ち!鰻重二つ!」
それに楓架、泰矢の順にお礼を言った。そして先に泰矢が食べてどうか言って欲しいと楓架に言われたため泰矢は一口食べた。
「いただきます」
口の中に運び、噛むとホワっと溶けるように形が崩れ、鰻についたタレは甘くて少しピリッとしていた。
「うま」
「お口にあったようでよかったです」
そう言い楓架も食べ始めた。そして二人は黙々と食べ始めた。
(いやー、まじうめぇな、正直これが最後の晩餐になってもいいかもな)
しばらくして先に楓架が食べ終わった。そして席を立った。
「すいません、ちょっとお手洗いに行ってきます。」
泰矢は食べていて喋れなかったので頷いて返した。そして泰矢は食べ終わり、楓架を待っていた。
(長いなー)
さらにそれから五分後に楓架が戻ってきた。
「すいません、お待たせしました」
「あぁ、平気平気。それじゃあ行こっか」
「はい」
泰矢は長かった理由を聞こうとしたが流石に、女子にそういうことを聞くのはやばいと思い心の奥にしまった。
その後、会計を済まし二人は佐烈の本拠地である紫禁城に向かった。ただその道中、泰矢は目的地に近づくほど警備が増えると予想していたが、逆に近づくほど減ってきていることに違和感を感じていた。
そして泰矢は正門にいた仮面をつけた二人組の男を異能を使って確実にやろうと触れるとイメージしたような細切れにならず砂になった。その光景に驚きを隠せずにいた泰矢は砂に触れようとすると燃えるように消えてしまった。
「どうなってんだ、これ」
泰矢は砂があった場所を見ていたが、さすがに留まっているのはリスクが大きいと判断し、正門を通り巨大迷路へと足を運んだ。それから泰矢はもう三十分以上迷路を彷徨っていて、時々正門にいた男とそっくりな見回りと思われる男と遭遇し、対処するとあいつらと同じように砂になって消えた。流石に疲れてきた泰矢は迷路のどこかで休息を取った。
(流石にこれはまずいな。敵の異能も場所も、それに数もわかんねぇと下手に動くとやられちまうなぁ)
泰矢はこの焦りの中、今までのことを整理してみると一つの仮説が浮かび上がり、その希望に賭ける覚悟決めた。
ただこれは下水道で別行動している楓架に合図を送ってしまうため、心の中で謝りながら壁を異能で細切れにした。
ちなみにオールバックのマスターは客の注文の仕方などで接客の仕方を変えるよ
いい人だね!




