過去
泉琥が椅子に泰矢がベットに腰掛けていた。
「それで聞きたいことって何ですか」
「今日、客が言っていたんだが戦争と異能、そしてこの世界で一体何が起きたのかだ」
「そうですよね。そこらへんの記憶もありませんよね。うーん、どこから説明しましょうか」
泉琥は天井から泰矢に目を向けた。
「長くなりますよ」
「あぁ、頼んでる立場だしな。構わないよ」
「じゃあまず結論から言うと、この世界は最初に異能と呼ばれる力を持った14人の異能者が国々を征服して出来ました。そし戦争はその異能者が国同士を取り合うことで起こる災害です」
その後泉琥から今に至るまでの長い過去の物語だ。
今から15年ほど前に突如、スマホなどの全世界の電子機器がハッキングされ、画面にトゲトゲとした白い髪が特徴的な白衣を着たの男が映った。
「皆さん、ご機嫌よう。私は貴品株式会社の代表取締役社長の都工と申します。突然ですが、私はこの世界を征服することにしました」
そう言い放った都工が社長を務める貴品株式会社を世界シェア1、2を争う財閥であった。そして都工はカプセル溶液の中に14人の人間が入っているところを見せた。
「こちらは人間の形をした化け物たちです。こいつらは人を超えた力、異能を有しており国の軍では到底止めることは不可能でしょう。もちろん、こいつ何言ってんだなどとぼやいているんでしょうが、これからわかります」
都工はカプセル溶液の目の前にあるボタンの前で行った。
「それでは皆さん、異能者の解放です!」
都工はそういいボタンを押した。するとカプセルの中にある液が下から流れでて、ガラスの壁も外された。すると異能者たちは目を開け、それに気づいた都工は近寄った。
「おー、や、やったぞ!成功だ!よ、よし、お前たち!お前たちの中には爆弾が仕掛けている!爆破されたくなかったら、私の命令を聞け!」
都工は声を荒げながらも説明した。しかし、異能者の一人が都工の首根っこを掴んで持ち上げた。
「き、貴様、何をする!離せ、爆破されたいか!」
男はそれでも返事をしなかった。そのため都工は爆破ボタンを押した。しかし、それでも男は爆破されなかった。
「なぜ、爆破できん!?」
すると男はようやく口を開けた。
「お前、前に言ってたよな。こいつらの外皮はミサイルでも傷つかないような頑丈なものにしようと」
「な、貴様意識があったのか」
「少しだけな。それで俺は思ったんだよ。俺らは炎も電気も放射線も効かないようにできているんだとしたら、爆弾の電波も遮断出来んじゃねーかとな」
「き、貴様。舐めるなよ」
都工はもう一度爆破ボタンを押した。しかし、それも不発に終わった。すると男は笑みを浮かべた。
「俺らの勝ちだな。都工さん」
男は都工を投げ飛ばした。
「ガハッ」
「あんたの望み通り世界とってやるから見とけよ」
その後、異能者は各地へ散らばり侵攻を開始し、都工が言っていたように奴らには軍事攻撃などでは止められず国を滅ぼし、奴らが支配する15の国が形成され国を一つにするために戦争が勃発していると泉琥は語ってくれた。
「そうか、そんなことが」
「えぇ、けど人はしぶといからね。そこから何とかして生活に必要なものを揃えて、何とか今を生きてる。すごいわよね」
泰矢は今日店に来た客を思い出した。
「だな」
そして泰矢は泉琥の部屋を出ようとドアノブを掴んだ。
「あ、そういえば泉琥。14の国じゃなくて15の国って言ってなかったか?人が増えたのか?」
「え?14の国って言ったわよ。聞き間違えじゃない」
「そうか。おやすみ」
「おやすみなさい」
泰矢は違和感を感じながらも就寝した。
翌朝の8時ごろに泰矢は目を覚ました。少し寝ぼけながらも一階に降りて水を飲みに行った。厨房には京樹が朝ごはんの準備をしていた。
「お、泰矢起きたのか。おはよう」
「おはようございます。京樹さん」
「起きたとこ悪いが泉琥起こしに行ってくれないかい」
「はい」
泉琥を起こしにドアの前まで行った。
「泉琥朝だぞー」
「ーー」
返事がなかったため泰矢は部屋に入った。泉琥は寝相が悪いのか服が捲れていたり、枕や掛け布団が変なところに飛んでいた。泰矢は枕と掛け布団をベットの上に置き、服を直した。
「泉琥朝だぞー」
「あと4時間」
「京樹さんに怒られるぞ」
「う、うーん」
それでも起きない泉琥に泰矢は呆れ、耳元で大声で叫んだ。
「起きろーー!」
「うるさっ!」
泉琥は飛び起きた。泰矢は笑顔だったが目が死んでいた。
「おはよう。泉琥」
「あ、おほよう」
「じゃあ先に下に行ってるな」
「う、うん」
泉琥は自分の体を見た後に泰矢の前に立ち塞がった。
「ちょっと待ったー!」
「どうした?」
「変なとこ見てないよね!」
「・・・。見てないよ」
「ねぇ、今の間は何!見たの、見えちゃったの!」
「大丈夫だって。先行ってるな」
泉琥は着替えて下に行った。泰矢と京樹は席についていた。
「おー、起きたか泉琥。」
「おはよう、お父さん」
「おはよう。ほらご飯出来てるぞ」
「うん。うんじゃない!お父さんなんで泰矢に起こしに行かせたの!」
「何でって、いつまで経ってもお前が起きようとしないからだろ。ちゃんと自立してくれなきゃ父さんは死んでも死にきれんからな」
泉琥は父さんの隣の席につき、黙り込んだ。
「それじゃあ食べようか」
「はい」
泉琥は頷いた。
「「「いただきます」」」
そして、食べ終わると各々は自由に過ごした。




