↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイディオクス~i-Deox~  作者: ヨウ化カリウム
広がる闇に煌めく光
48/50

広がる闇に煌めく光 25

 あれから翌日、K2は救援要請及び計画書を昨晩に書き終えたため、休む理由もなく学校に来ていた。

 今晩、K2が招集した特別対策部の緊急会議があるため、どのように会議を進めようかと教室の端で考えていた。

 教室の窓から日が差し、暖房も効いて暖かい部屋の隅で十時を示す時計の針を眺めながらK2は厳しい顔をしている。

 教室の中は数十人もの生徒がそれぞれ会話したりぼぅーっとしたりしていた。ねえ、またあのケーキ屋に行こうよ! あー、あそこ、この前、閉店しちゃったよ。えぇー!?

 K2は聞こえてくる声に口元を綻ばせる。


 Piーーーーーーーーーーーー!!!!!! 緊急アイディオクス警報!! 緊急アイディオクス警報!! 只今、この学校にアイディオクスが侵入しました。直ちに近くの保護シェルターに避難しなさい。繰り返します。只今、この学校にアイディオクスが侵入しました。直ちに近くの保護シェルターに避難しなさい。これは訓練ではありません。


 教室内は慌てふためく。しかし、流石というべきだろうか。こんな緊急事態だと言うのにも関わらず、何をするべきかしっかり分かっていた。今までの避難訓練の賜物だろうか。

 教室にいた生徒は全員保護シェルターになっている近くのトイレに逃げ込んだ。

 K2もまたそのトイレに逃げ込む。ポケットに入っていた携帯端末を確認しながらゆっくり歩いて。

 そこにはアイディオクス特攻隊からの新着メールが来ている。内容はK2のいるこの学校にアイディオクスが侵入したため、駆除するようにとのことだった。また、少し時間はかかってしまうが特攻部のエキスパート格もじきに来るとのことだった。

 K2は保護シェルターのトイレに入り、全員避難したことを確認すると、それはそれは分厚くて頑丈な鉄鋼のシャッターを下ろした。

「はぁー」

 K2が一度ため息をつくと、そこに声をかけてくるものがいた。

「お、K2! ここにいたのか!」

 和也だった。K2は持ってきていたカバンからタブレットPCとコードを取り出した。そして、それぞれ、タブレットPCとトイレの端にあったUSBとをコードで接続する。

「和也、届いたメールは見たか?」

 和也は首を傾げる。

「さっきアイディオクス特攻隊から来たやつか?」

 タブレットPCと学校の監視カメラとの接続に成功する。

「そう、それ。ちょっとさ、テキトーすぎねぇ、そのメール」

「テキトーって、しょうがないんじゃない? これ以上何を書けって?」

 和也がそう言って笑う。

「侵入したアイディオクスの情報だよ。全く、緊急だからこそ、そこをしっかりして欲しいよな」

 和也が自分の携帯端末を眺めながら答えた。

「確かに……それはそうだな」

「おいおい、基本だよ。はは……。なあ、これを見てみろよ」

 K2は苦笑したあとに、今まで操作していたPC画面を和也に見せる。

「学校の監視カメラにアクセスしたのか?」

「ああ、監視カメラは国が設置を義務付けているけど、その理由はアイディオクス侵入時に作戦を練ったりできるからだからな。特攻隊管理パスさえあれば、容易に接続できる」

「物知りだな」

 和也は立ちながら、まるで見下すかのようにK2を見て笑った。

 その様子を見たK2は目を鋭くして和也を睨む。

「何を言ってるの? 和也だって当然知ってたくせにさ」

「いやー、知らないよ。流石オノラリーナイト!」

 和也は冗談口調にそう言うと、K2はあきらめ口調に返答する。

「馬鹿にしやがって……」

 和也は少しだけ笑ったが、その声はすぐに消える。

「五、いや、六体か……。すでに三体やられてるな」

「侵入したアイディオクスの数か? ということは、感染者か?」

 そう言って和也は画面を覗いてきた。

「ああ、そうだ。三体は一階でサンタマたちがやってくれてる。ここは三階だから、もう既にこのトイレより東に一体、西階段から一体上がってくるところだ。二階には三体、四階に一体いる」

「なるほどな。……おお、二階にいるこの二体、バリケードをバンバン叩いてるな」

「多分、中にいる人たち、めちゃくちゃ怖がってるな」

 そう言ってK2は監視カメラとの接続を解き、タブレットPCをしまった。

「よし、俺は西から二階に。和也は東から四階に。これでどうだ?」

 和也が頷く。よし、と言ってK2はバリケードを開ける。

 薄暗い蛍光灯が二人を照らしていた。

「誰か、俺ら二人がここを出たらこのバリケードをすぐに閉めるんだ」

 トイレの中の生徒は誰となく頷いた。

 鋼鉄のシャッターが開く。そして、二人は歩き出した。

 二人が完全にトイレの外に出て、バリケードが閉じたのを確認すると、二人はそれぞれ、東西に伸びる廊下で、K2は西を、和也は東を向いた。

 その時はちょうど、西階段からウイルス属性寄生型アイディオクスがこの二階に上ってくるところだった。

 二階にいる感染者は二人に気づくと、そちらへ歩き出してくる。

 背中越しの和也にK2は言う。

「よし、行くぞ!」

 そう言うと、二人はそれぞれへ走り出す。K2は歯を強く強く噛み締めていた。


 結局、この事件は数分で解決したが、生徒はすぐに帰宅となり、学校ではアイディオクス特攻隊の調査が入ると共に、セキュリティ強化の工事が近いうちに入ることに決定する。

 ウイルス属性寄生型アイディオクス感染者によって公立学校が襲撃される事件はこれが初めてとなった。

こんにちは。ヨウ化カリウムです。今年2014年の最後が迎えられること、去年は微塵も思いませんでした。アイディオクスが襲って来ることを少し期待してたり。e波なんてものは私には使えませんからね。

来年もまたアイディオクスを書き進めていこうと思っていますのでこれからもよろしくお願いします。

次回のその次はおそらく広がる闇に煌めく光のラストになり、次章へと移っていくでしょう。お楽しみに。

最後になりますが、来年もいい年になりますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。