広がる闇に煌めく光 23
作戦の次の日。
本所にて会議が開かれた。議題はもちろん昨日の作戦の報告、及びこれからの方針についてだ。
参加者は作戦に参加した部長ら、そして調査部と特攻部のトップランカー。しかし、一人出席していないものがいた。アシュリーだ。作戦後消息不明、話によるとフードを被った者が拐ったとのこと。
議長であるアシュリーが座るはずの誰もいない席を特攻部のトップランカーは横目で見てため息をついた。
「会議を始める」
調査部のトップランカーの部長が手を叩き、そう言う。全員の視線はそこに集中した。
「今回の作戦で西府都市南部エリアのウイルス属性寄生型アイディオクス感染者の殲滅率は推測で約80パーセント。かなりの達成率であると私は思う。しかし、今までのデータ上、ウイルス属性寄生型アイディオクスは感染し、拡散し続ける。よって一回作戦を行い、大きな成果を得たからと言ってそれで終わりというわけではない」
会議に出席し今ここに座っているものはその通りだと頷くばかりだった。
「そこで、定期的に感染者の殲滅活動を行おうと思う。これは既に決定した事項だ」
その言葉にK2は絶句する。K2の他にもトップランカーの者は少なからず動揺していた。
しかし、部長はその動揺に気づいていながらもスルーをする。
「そして、今回の作戦では多くの犠牲もあった。もうみんな知っているだろう。特攻部のトップランカーの議長、芦田優里の行方が分からなくなった。そして、優里だけではなく、援護班、後攻班だったエキスパート、アマチュアの何人かも拐われている」
そう言うと、エキスパート格アマチュア格の部長らが少し顔を暗くさせた。
「これはこちら側にとってかなり大きな被害だ。しかも、これからの方針が立てづらくなる。そこで上から出た命令だ。保留だそうだ。そちらの方針が決まり次第またみなに伝える。それまではさっき言った通り……」
そこでK2は勢い良く立ち上がる。
K2の顔は強張り、体には力が入っていた。K2自身ももしかしたらe波を発しているかもしれないと思うほどに。
「それは! その意見はどうかと思います! 例えばアシュリーがウイルス属性寄生型アイディオクスに感染したとして、恐らく感染したアシュリーは元々のポテンシャルや強さも発揮するでしょう。つまり、僕らにとって今まで以上の脅威になると思います。そして、アシュリーの力は僕らの側にとってもかなりの戦力でした。早く助け出さないと大変な事になります!」
K2は強く主張する。
トップランカーの者たちはほとんどがその意見に頷いていた。しかし、トップランカー格の調査部部長は申し訳なさそうに否定する。
「悪いが、我々は上の指示を待つことしかできない。柿川の言う通り、今はかなり大変な事になっている。それは確かだ。しかし、だからこそ、我々は次の行動をを間違えてはいけない。つまり、我らアイディオクス特攻隊調査部及び特攻部には考える時間が必要なのだ。分かってくれるね?」
それでもK2は納得することができずにいた。
「しかし……」
それでも、もう返す言葉がなく言い淀む。
その時、隣に座るユーキャンがK2の服の端を引っ張ってきた。K2はユーキャンを見ると、ユーキャンは横に首を振る。
K2は納得がいかないまま渋々席に座った。その目には悔しさが滲んでいるのが明らかである。
K2が顔を上げたとき、調査部部長が、ごめんね、と声には発さず口を動かしたのをK2は見た。
会議は次の議題へと進む。
それからは昨日の作戦の報告だった。どんなことがあったか、どのような状態だったかをそれぞれが報告する。
K2は主に窪みのこと、夜の公園のこと、あの不気味で不思議な館のことを報告した。
対して和也は主にアシュリーが拐われるまでのことを報告する。
聞くに、それぞれが言っていたことはかなり重大なことであった。
そして会議は終わっていく。K2は釈然としないまま。
こんにちは。ヨウ化カリウムです。
今回の話は前回までの作戦の報告会議ということで内容が薄くなってしまいました。
それに加え、これから2、3週間ほど大切な予定があり執筆している余裕がなくなってしまいます。
そのため、次の更新は少々遅れてしまいます。
読んでくださってる方には大変申し訳なく思いますが、何卒ご理解よろしくお願いします。
これからもアイディオクスをよろしくお願いします。




