血の森2
信じられねーかもしれねぇがバイトの休みが無くなったんだ。
これで今月、合計で休みが3日しかないんだが・・・
おいおい、気が狂っちまうんだぜ?
「どっせえぇえいっつ!!」
俺が右に飛んだ瞬間、俺がさっきまでいた場所に巨大な熊の爪が突きささる。
冷や汗しか出ない。さっきからこんなんばっかりだ。
全力で走れば振り切れるかと思ったが、そんなことはなかった。
木が多い所を通って少しでも蜂蜜熊の動きを邪魔してやろうと思っても、木なんか無かったとでも言わんばかりに薙ぎ倒して向ってくる。(勿論スピードはそのまま)
これは反則だ。だって障害物になるはずの木が障害になっていないのだもの。
幸いな事に俺と蜂蜜熊の足の早さは同じ位の様で捕まる事はないが、正直俺の方が先に体力が尽きる。
だってあの蜂蜜熊、疲れてる様子ないもの。
俺なんか全力疾走のせいで汗が凄い事になってんのに。
「ガァアアアァァアッツ!!」
痺れを切らしたのか蜂蜜熊が大きな叫び声を上げて、突進してきた。
いきなりの突進。スピードはさっきまでとは段違いに速く、万全の状態でも避けられる気がしない。
勿論の事だが、今の俺にそんな突進が避けられる訳も無く
「っつ!?」
俺は蜂蜜熊の突進を受けてトラックに撥ねられたように飛ばされる。
ボキリ・・と鈍い音がする。
どうやら咄嗟に防御していたようで、その防御に使った俺の右腕の骨が折れた音のようだ。
認めたくはないんだが、右腕が変な方向に向いているので多分折れてるんだろうな。
立ち上がろうにも足に力が入らない。
まぁ、死んでも手持ちのお金と装備が一部無くなるだけだ。
今まで死ななかったのが幸運だったと思って諦めよう。
俺は死を覚悟し、ゆっくりと向ってくる蜂蜜熊を眺めていた。
ヒュン――
瞬間、俺の方に向かってくる蜂蜜熊の目に矢が刺さる。
突然の攻撃に蜂蜜熊は怒りの咆哮を上げる。
その咆哮が終わると蜂蜜熊に向かって大量の矢が向って来ていた。
俺はその光景を見ながら意識をゆっくりと手放した。




