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はれのみこ 〜山神に愛された娘の末裔〜  作者: 墨華


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8/10

山神に愛された 『娘の末裔』と『末裔の娘』


桜花『キヨ、まさか連れ帰ったのは、この女?』



桜花は不機嫌そうに清雅に問い詰める。



清雅『そうさ。』



桜花は、はぁ、とため息をついた。



桜花『あんまり、嫉妬させない方がいいよ』



清雅『君を?』



桜花『アタシなわけないでしょ』



清雅は不思議そうな顔をして桜花を見つめる。



桜花『言ってなかったけど、アンタの守護者は

女の方ね。

神様に近い存在。けど、神様というよりも、

【神様の地位まで上り詰めた者】って感じ。』



清雅『何だって?』



清雅は急に真顔になった。



桜花『だからあんまり、嫉妬させないほうがいいよ。

アタシじゃない、その守り神をね』



清雅『‥‥‥君の守護者は?』



桜花『山神様よ』



桜花の言葉に、目を閉じていた陽華までパチリと目を開ける。



清雅『山神様だって?』



清雅はチラリと陽華の顔を見る。

陽華こそ【山神に愛された娘の末裔】と言っていたからだ。



桜花『そうよ』



清雅『なぜわかるんだ』



桜花『アタシの家族が言ってたからよ』



清雅『そう、なのか‥‥‥』



桜花『アタシは、山神に愛された【末裔の娘】だもの』



陽華『何ですって?!』



陽華は声を上げる。

桜花はその声の方を見た。



桜花『あら。倒れたんじゃなかったの?

随分と元気そうだけど』



桜花の言葉を聞いた清雅は、優しく陽華をおろした。

チッ、と心の中で陽華は舌打ちをする



陽華『私は、晴れの神子。

山神に愛された娘の末裔よ』



桜花『私は、山神に愛された末裔の娘。』



清雅『何が違う‥‥‥!?

そして、2人は一体‥‥‥』



桜花『山神様に愛された娘がいる。

その娘の子孫が、この女。


アタシは、山神様に愛された一族の娘なの。


つまり、この女の【山神様】が愛した人間はただ1人。


アタシ達が祀る【山神様】は、一族全員を愛したの。

山神様が愛した人が複数いるってことよ。』



清雅『ややこしいな‥‥‥!


でも、2人は名前も、

山神様と関係があることも似ているな。


もしかして、血縁関係にあるんじゃないの?』



桜花は吹き出した。



桜花『ありえないわ。こんな女知らないもの。』



桜花は、陽華の背後をじっと見つめた。

冷たい眼差しで見ていたかと思うと、急に顔を歪めた。



桜花『キヨ。この女に深く関わらないほうがいい』



清雅『どうしたの急に。』



桜花『アタシの山神様は女の神様。

アンタの守護者も女性。


この女につく守護者は、男の方。』



陽華は目を見開いた。



桜花『山神様には見えない。

怖い。すごく怖いわ。

正体はわからない。けど、

アンタ自身も危ない。キヨ。』



桜花は意味深な言葉を言い放つと、

すぐに玄関へと向かった。



清雅『え、もう帰るの?』



桜花『そうよ。

一分一秒たりともこの女と一緒にいたくない。』



桜花が靴を履く。

すると暗美と白亜が桜花に近づいてきて

尻尾を振っている。


陽華に唸った姿とは大違いだ。



桜花『白亜。暗美。』



桜花は優しい眼差しで2匹を撫でた後、

すぐに清雅を睨みつけた。



桜花『次は、この2匹よ。

きっと狙われるわ』



清雅『どうしろって言うんだ』



桜花『さあ。じゃあね』



桜花はそのまま、清雅の家から出て行ってしまった。



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