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はれのみこ 〜山神に愛された娘の末裔〜  作者: 墨華


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6/10

お前は、晴れの神子。山神を怒らせた業罪の娘


全滅した小動物達は、血塗れの死骸と、

綺麗なままの死骸で分かれていた。



清雅『どういうことだ!』



清雅は取り乱した。

すぐに部屋を飛び出して、陽華を寝かせている部屋へと向かう。



扉を思いっきり開けると、

そこには気持ちよさそうに眠る陽華の姿があった。



はあ、はあ、と荒い呼吸を整えて、

扉を閉める。



清雅はお社へ向かった。

榊の葉が何枚も床に落ちている。


しかしそれ以外、目立った変化はない。

塩が変色しているわけでもなかった。



すぐに清雅は、買っておいた上質な酒瓶を開けて

お社に供えて手を合わせた。



清雅は考えた。


【これは誰の仕業なのか】



いや、間違いなく陽華だ。

しかし、【陽華自身】なのか、

【陽華に憑く何か】なのか

清雅にはわからなかった。



少しだけ陽華の村を調べた。

陽華を閉じ込めておくことで快晴を操るのだ。


しかし、陽華が生まれた日、水害が起きた。


それは、

【陽華が、村の天気のための生贄】なのか、

【陽華の存在が雨を呼び寄せる】のか

あるいは全く別の理由なのか。

たとえば【陽華が何者かの依代なのか】



これらを知らなければならなかった。



清雅『ダメだ。小動物を

一瞬で全滅させられるほどの力‥‥‥』



清雅はつぶやいた後にハッと息を呑んだ。



清雅『暗美!白亜!』



2匹の犬達の安否が不明だったのだ。



清雅が呼ぶと、すぐに2匹は一直線に清雅の元へ走ってくる。



清雅は少しだけ肩の力を抜くと、

2匹の頭を優しく撫でた。



清雅は携帯を取り出して、誰かに電話をかけた。



清雅『もしもし。桜花(おうか)。

元気だった?

ちょっと頼みがあるんだけどー‥‥‥』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


陽華はパチリと目を覚ます。


体を起こすと、ベッドに寝かせられていることに気づいた。


着ていたはずの衣類は、ベッドの下に畳まれて置かれていて、

体が冷えないように、厚めの掛け布団をかけられていた。



陽華『ここは‥‥‥』



そうだ、さっきまで

小動物の部屋で清雅にー‥‥‥



ベッドから降りて、服を着た。

扉を開けようとすると、

清雅が誰かと話す声が聞こえてきた。


それは女の声だった。

確かにこの家の中にいるようだ。



ドクン、と陽華の心臓が鼓動した。


それが【嫉妬】という感情だとすぐに気づいてしまった。



清雅は、誰といるのだろう。


清雅と誰かの声が近づいてくる。


陽華はすぐにベッドに横たわり、寝たふりをしてそば耳を立てた。



桜花『で、何。アタシを呼んで。

キヨの方からアタシを呼ぶなんて、びっくりしたんだけど』



清雅『ちょっと、助けてほしくてね』



桜花『またなんか、連れ帰ってきたの?』



清雅『今回ばかりは、かなりやばそうなんだ』



桜花『ふうん。キヨの守護者でも、勝てなそうなの?』



清雅『うん。小動物が全滅したんだ』



桜花『えっ‥‥‥!?』



陽華は声を抑えて息を呑んだ。



【小動物が、全滅‥‥‥?】



さっきまで、元気に餌を啄んでいた

小動物達が‥‥‥。



自分の存在の悍ましさに、陽華は震えた。



【わたしは、何者なの。】



【本当に、山神に愛された娘の末裔なの】



陽華は心の中でつぶやいた。

するとすぐに脳内で、誰かの声が響いた。



【お前は、晴れの神子。

山神を怒らせた業罪の娘。】


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