第7話 証拠を見せてほしい
我がのクラスの教室、2年3組のドアが力強く開けられ、外から赤髪ツンツン頭の男がすごい形相で現れる。
その光景にクラスの視線は久に集まる。
「おいッ!!よく聞け!!昨日と今日、お前らが通い妻とか言ってる奴はな!あいつの親戚で訳あって一緒に暮らしてるだけなんだよ!!分かったか!」
すると久は以上と言い残すと隣のクラスの方へ走っていく。
クラスの連中は目を丸くして思う。
((そんな訳ないじゃん))
ガララララ
「ハァハァ…おい!今、ハァ…久ぃ、ここに来なかったか?」
俺は遅れて教室にたどり着くともう手遅れだった…
「ねぇ…根来寺くん、ちょっといいかな」
クラスのカースト上位の女子が俺の裾を掴み教室に引き込む。周りには他の連中もニコニコで待機していた。
「ねぇ!!その子今日も学校に一緒に来たの?」
俺は唖然としながらも答える。
「いや、届け物を…」
それを聞いたクラスの連中の一人が俺のカバンを探り、弁当が入った花柄の風呂敷を取り出し天に掲げる。
「ミサキっち!!こんなものがありました!!」
ミサキと呼ばれたその女、そしてクラスの連中がまるでゾンビのように歩み寄って来る。
「さぁ、本当のことを教えてもらっていいかな?」
そいつの整った顔が不気味に笑い、くせっ毛の茶髪から甘い香りが漂いまるで催眠にでもかかったような気分になる。
「はは…」
俺はそいつから何とか目線を逸らし、この場を切り抜ける秘策を思考するが、そんな都合よく見つかりそうにもない。それならー
もういっそ彼女ってことにしたほうが全体的に楽なのかも知れない。周りはそれで納得するだろうし今までの話にも合点がいくだろう。
でも本当にいいのか?あの子は俺にそんな気は全くないし全部俺のことを思ってやってくれただけなのに、勝手にそんな場に合わせるだけで…彼女の気持ちを考えずに…
そして何故か今朝家を出る時に少女が見せた悲しげな笑い顔が頭をよぎる。
そして俺は拳に力を込め言い放つ。
「あいつはッッ!!ーー」
ガララララ
タイミングよく開かれたドアに俺を含め全員が振り向いた。そこにいたのは、気絶した久を片手で引きずりながら入ってきた、女木だった。
そして、彼女は鋭い目つきで俺とその女子の方を凝視する。
「雪音、ちゃん?」
俺を今質問攻めにしているのは女木と普段仲のいい友達であり基本女子には優しい女木から鋭い視線を向けられ彼女は萎縮してしまっていた。
「ミサキ?涼介になんか用でもあるの?」
すると俺は即座に解放されまるで小動物のように彼女は自分の席に戻る。
「さ、みんなももう子供じゃないんだから、いちいちこんなくだらないことで騒ぎを大きくしないでもらえるかな?」
その一言で彼女はその場を制し、気絶した久を席に立てかけると俺の方にすごい気迫を醸し出し歩み寄って来る。
え?なに俺ここで死ぬの?
すると目の前にやってきた女木を見て無意識に目を瞑る。
「後で話しがあるから」
耳元で周りに聞こえないように囁くと何事もなかったかのように自分の席に戻る。
昼休み、予定通り女木に呼び出されると人気のない体育館裏に集まる。
女木は腕を組みながら鋭い視線で俺を見つめていた。
「……………」
「あ、あのな今日はその…久の暴走止めてくれてありがとな。マジで助かった」
「……別に、あのままじゃあんたが困ると思ったから」
「…てゆうか、聞いてたんだな」
墓穴を掘ったのか、女木は慌てふためく。
「…たまたま…通っただけ…」
「……そうか」
まあ、とりあえずこいつが会話を聞いて察してくれたおかげで先手を打ってくれたのには間違いない。幼馴染も悪いことばかりじゃないな。
「で、話しってなんだ?」
すると女木はキリッとした表情をして話し出す。
「最近涼介の周りにいるっていう子は本当は一体何者なの?久や私にも云えないこと?」
そうか、あの話しを聞いていたら普通そうなるよな。久にまで嘘をついたんだから尚更気になるだろう。
しかし女木よ。本当に何者かなんて一番俺が知りたいんだよ。こいつに嘘は通用しないし、かといって本当のことをいったら確実にボコられそうだし。
「…そうだなぁ」
俺はどうしていいか、わからず春の優しい日差しの空を見上げフリーズする。打開策が見つかるまで。
「は?ふざけてんの…」
そんな涼介の態度に痺れを切らした彼女は続けてこういった。
「わかった。涼介がそこまで言いたくないんだったらこっちにも考えがある」
「え、あるのか?」
俺は空から女木に視線を戻すと思わず聞いてしまう。
そして彼女は涼介に人差し指を向けるとこう言い放った
「私が直接その子に遭って聞くから」
そうゆうと女木は勝手に話しを切り上げいってしまった。
俺は再び空を見上げ天を仰ぎ息を吐き出す。
「まじか」




