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第20話 不在


 あれから、特に予定がなかった俺は残りの時間を次のテスト勉強や積みゲーに明け暮れているといつの間にか休みが終わり、今日からまた学校だった。

 結局あの日以降、久や女木とも連絡を取っていなかったが家に滞在している元気な少女のおかげでそんなことも気にならなかった。

 そして俺は休み後の重い身体を引きずりながら何とか家からの脱出に成功する。


「いってきます」


「いってらっしゃい」


 いつものように優しくこちらに手を振る少女を尻目に俺は学校へと向かった。

 そして学校に到着し、靴を履き替え教室に入ると数日間顔を合わせてなかった影響なのかいつもより中が騒がしく思えた。俺は適当に挨拶を交わすと窓際の席に腰を下ろしカバンを下ろすと、前の席から俺に片手で挨拶する久が見えたので俺もそれに習い挨拶する。

 そしてそのついでに女木の席の方に視線を向けるがまだ来ていなかった。いつもは俺より先に来ることが多いあいつがまだ来ていないとは珍しい。

 ま、どうせ他の連れと華を咲かせてるんだろ、そう思いながら俺はあまり気にすることなく、机に塞ぎ込む。


「えー今日は女木は体調不良で休みだ」


 そう担任の教師から皆に伝えられた。長期休みで体調崩すなんてあいつらしくない、俺だって何とか登校したってのに…明日来たら文句の1つでもいってやろう。殴られそうだけど…そしてその日は彼女の席は空席のまま1日が過ぎた。



「で?どうやった?」


「何が?」


 俺は口の中に入れた晩飯を頬張りながら答える。


「そりゃあ、小土君と、雪音ちゃんのことよ」


「あーそういえば女木は今日休みだったな。ま、遊び疲れじゃね?」


「そっかぁ…それは残念やったね」


「何がだよ」


 少女は残念そうにしかしどこか悪戯な表情で俺を見つめてきたので思わず突っ込む。



 そしてその翌日、女木は休みだった。そう昨日と同じように担任に告げられると流石に周りの生徒も動揺する。俺は肘をつきながら誰もいない彼女の席を凝視していた。


 昼休み、今日は久が俺の所にやってきた。


「女木のやつどうしたんだろうな…」


「俺が知るかよ」


「なぁ、あいつにあれから連絡したか?」


「いや?」


 そう返すと久はおもむろに自分のスマホを取り出し俺に画面を見せる。


「これ、昨日連絡してみたんだが1日経っても既読がつかねぇんだよ」


 俺は無言でその未読の文字を見つめると続けて久が俺に質問する。


「なぁこれってちょっとやばいんじゃないか?」


「何が」


「ほら、あいつんとこ最近母親が新しい父親できて、しかも結構悪目立ちしてるって噂だぜ。しかもあの日俺達と別れる前、あいつ誰かと連絡してたよな?あれってもしかしてその新しい父親なんじゃねぇか?」


 その噂なら俺も知っていた。というより学校じゃかなり有名だったが、特に女木本人は変わらずだったので誰もそれを信じなかったが、今回の休みのせいで少なからずそのことがよぎる生徒も少なくない。


「なぁ、涼介…今日行ってみないか?あいつの家」


「はぁ?迷惑だろ、普通に…大体あいつの家どこか…」


 そうして言葉が詰まる俺に久がにやつくと俺の肩を叩いた。


「知ってんだな。涼介」


 俺は舌打ち混じりの溜息をつくと半ば強引に放課後先月訪れた女木の自宅に向かうことになった。

 

俺と久は学校が終わるとすぐに教室を後にし女木のマンションへ向かう。一応あれから俺も連絡を入れたが相変わらず既読はつかないままだった。



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