第15話 休日の過ごし方
駅から出て数分徒歩で歩くと高層ビルや建物の間に立派にそびえ立つショッピングモールを発見する。
この日に至るまで4人は休み中行きたい場所を模索したが特に候補がなかったため、そうゆう奴らのための休みの候補に挙がりやすい1つの大型施設で手を打つことになった。
「ほおおお〜!やっぱり田舎とは佇まいが違うとゆうか、現代的とゆうか、上手くゆえんけど!がいに(とても)立派やね!!」
少女は周りの人目を気にすることなく、走り出し目をキラキラさせ辺りを見回している。それを見ていた久が口を開く。
「…なんか、八重さんってお茶目な人だよな。一応俺等より歳上なんだろ?」
「あ、ああ多分…」
久には一応少し歳上ってことにしているが、俺と女木からすれば人生の大先輩ということになっているはずなんだが…
「…かわいい」
「え!?」
俺は横を見ると女木が噴水で飛び跳ねる少女にまるで小動物を見るような表情を向けていた。
本当に俺のばあちゃんだったとして…この扱いでいいのか?八重さんよ…
少女は一通りはしゃいだ後、みんなのところに戻るとそのまま建物に入る。
ここは、ショッピングや食事処はもちろんのことアミューズメントや映画館、ペットショップまで設置されており時間を持て余した俺達には最適の場所でありまず最初は久の要望で映画を観ることになった。
俺達はエスカレーターで目的の映画館まで昇るが流石に休日だけあって周りのどこをみても人がひしめきあっており正直俺は既に少し帰りたかった。
「いやぁ、わりぃな俺の趣味に付き合わせる形になっちまって」
「別に他にやりたいこともなかったし映画なら安牌だろう」
先頭の久が振り向きながら俺にそう語りかけてきたので俺は適当に答える。
後ろでは少女が女木の今どき風のコーデに感心を持ったのか、あちこち触って確かめており、女木は少し赤くなりながらされるがままという感じだ。
映画館に入り、作品案内板を観た瞬間に俺は不覚にも後悔してしまった。
基本どんなものでも抵抗はない俺だが、これは…
掲示板のイラストには恐らく本作の主人公であろうピンク髪の中学生くらいの少女が、自分のイメージカラーの派手なフリルの服を身に纏い、使い魔みたいなのを肩に乗せている。周りには他にも青や、黄、紫色の少女も揃い、こちらをキラキラした目で見つめてくる。要するに魔法少女もののアニメだった。
「久、これみんのか本当に…」
そう俺が苦言すると久はやはりなみたいな顔をして笑い答える。
「そうゆうと思ったよ、けどな騙されたと思って見てみろって!」
「面白い面白くないとかっていう問題じゃない。俺は世間体を気にしてんだよ。休みの日に高校生4人が選ぶチョイスじゃないだろ…」
「まぁ、きちまったもんはしょうがねぇ。行こうぜ」
そうゆうと久はあらかじめ予約していたチケットを発行し、それを皆に渡す。
俺は複雑な表情を浮かべて覚悟を決めていたが、女木は真顔でチケットを見つめているだけであり、その横の少女は映画の内容よりもみんなでこれた方が勝っている感じでニコニコしていた。
そして俺達はゲートをくぐり入場特典をスタッフに渡されるとスクリーン会場へ足を運ぶ。
少女「いやぁ、映画館なんて久しぶりやけん、楽しみやわあ」
女木「……………」
涼介「なぁ、やっぱり店員にゆって他のにしないか?」
久「あきらめろ」
そして上映開始ー
俺は最初退屈そうにスクリーンをぼんやりと見つめているだけだったが不覚にも途中からすっかり作品に魅入ってしまった。そのおかげで途中何度も横に置いてある飲み物の向きを間違え、他の奴の飲み物を取ろうとしてしまい、手があたってしまっていた。向こうは暗闇で表情は分からなかったが俺と手が触れる度に驚いたように引っ込んだ。隣の奴はだれだったか?映画が終わったら謝っておこうと俺は思った。
上映終了ー
エンドクレジットまでしっかりと見終わった後他の客に続いて席を立ち館内を出る。
「いやぁ、最近のアニメはホントに絵が綺麗になっとんやなぁ!私がちんまい頃なんかまだ白黒やったからなぁ」
「ははっ!!八重さん一体いくつなんすかw俺等がちっさい頃はせいぜいアナログ放送が終わったくらいっすよ!!」
少女は大きな伸びをして、久と何故かテレビの歴史について語っている。
俺はというと最後の結末が衝撃過ぎたため既に続編を心の中で心待ちにしている。
内容は控えるがとにかく魔法少女という概念をぶち壊したような、ダークな世界観でその中で少女達が必死に苦しみながら生き抜くという壮絶なストーリーだった。周りの客を見ても子供の姿はほとんどなく、俺達以上の年齢層がほとんどだった。中にはそのアニメのキャラのTシャツを着た30代は超えてそうな人達も見受けられ同じ友人と思しき人達と熱く語り合っていた。
後で久にそのことを聞いてみたら何やら難しい答えが返ってきた。
「あれが世にいう大きなお友達ってやつなのか?」
「ううーん、どっちかっていうと制作側がそっちに寄り添った作品つうか…」
わけがわからないよ。




