第14話 いざ出発
それから結局4人でgwに集まることになりその日の内に女木にも連絡を入れ俺が風呂から上がりバスタオルを頭から被りながら確認すると、(了解)の二文字が記されていた。
それから数日が過ぎあっという間にその日が訪れた。
ピロリロリン ピロリロリン
「んんん…」
俺はスマホを確認するとまだ7時前だった。今日はいつもより遅く起きていいはずだったがアラームの設定をいつもと同じにしてしまい早朝に鳴らしまう。
「ん、もうちょっと寝れるな」
そうすると俺は布団を被り寝返りをうち再び夢の中に入ろうとする。
「いや、寝れんよ?」
俺は布団の中から声が聞こえた気がしたため重い瞼を開くと、目の前に大きな瞳を輝かせた少女がこちらを見つめていた。
「ほげぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
俺はまるで昭和漫画の文字列で使われそうないにしえの言葉を叫びながら布団から吹き飛んだ。
すると俺の布団に正座をしてこっちを見つめるパジャマ姿の少女がそこにはいた。
「休みやからといって遅くまで寝たらいかんよ。今ご飯作るけんね。すぐ降りてき」
そうゆうと少女は笑顔で俺の部屋を後にした。
そして納得のいかぬまま朝食を済ませ身支度をすませた俺と少女は10時集合の目的地まで仲良く手を繋いで家を出たのだった。
「…って、うぉい!!?しれっと手を繋ぐなッッ!!」
俺は家の敷地の外に出た瞬間に我に返り思いっきり振りほどくと横に飛び跳ねる。
「なんや!?いつもは出かける時こうやって手を握っとったやろ?」
少女は振りほどかれた事に驚くともう一度手をそっと差し伸べる。
「しねぇよ!?いつの話ししてんだよ!?てゆうか!したことないわ!!」
彼女はやれやれと言った感じで笑うと1人で歩き始め俺もそれに続く。白い長袖のブラウスと胸元に黒のリボンをつけ、下は青色のロングスカートを身に着け、そこから、白い長い足がチラチラと視界に入る。
俺はファッションには見識はないし、どこか気品を感じさせるような独特な服装だと思ったのだが、いざ目の前を歩いているのを見るとまるで昔の映画のワンシーンのように着こなしていた。
待ち合わせ場所は駅前でそこまでは徒歩で向かった。暫く歩くと駅に近づくにつれ、人通りが少しずつ多くなり先程まで先陣を切っていた少女もいつの間にか俺の横に並んでいた。
「やっぱり、都会は少し歩いただけでようけ人がおるね」
少女は周りの建物や、人通りや店の周りをキョロキョロと首を動かし物珍しそうに見ている。
「…人混み苦手なのか?」
俺がそう尋ねると少女は首を横に振って答える。
「ううん、そういう訳ではないんやけど単純に慣れてないだけやな」
そういえば、ばあちゃんは俺の住んでるところとは違いかなりの田舎の出身だったな。昔遊びに行ってた時もここに比べて確かに静かな場所だった気がする。
そんなことを考えながら俺と少女は大きめの交差点を渡るとその向こうに駅があり、目印の時計塔の下には既に女木と久が到着し、俺達と目線が合う。
「おっきたきた」
久は大きくこちらに手を振り、女木は手を前に組んだままじっとしていた。
「おはようっ!!若人諸君!まだ集合時間前やのに感心感心♪」
すると2人は少女に軽い会釈をすると早速、電車に乗るべくホームに向かう。
そこから各々のスマホをタッチしゲートを通過する。
「あっ、あいつスマホ!?」
振り返ると既に少女は改札を通り後ろについてきていた。
「通れたのか?」
するとバカにされた気がしたのか少しむくれた顔でICカードを折りたたみ財布から見せるとそれを所持していた小さいバッグにしまう。
「交通系カードとか作ってたのか!?」
「…そりゃこんな都会で車の移動もできないんじゃ作るしかないやろ…まぁ昔だったら理解できんかったんかも知れんけどこれも若返ったおかげかもしれんな。新しい情報もすんなりと理解できよる気がする」
少女はこの身体になってからの自分の能力の向上に我ながら驚いていた。
「…なんだよ、その新感覚」
そこから、すぐに電車は到着し4人は乗車すると5つほど先の目的地まで移動する。
車内はパンパンというほどではなかったが、次の駅に着いたときに席はほとんど埋まっていた。
すると少女はすくっと立ち上がり近くで立っていたおじいさんに声をかけていた。
「どうぞ座って下さい」
そう一言ゆうとおじいさんは少女にお礼をいい彼女が座っていた席に腰を降ろした。
それから目的の駅に着くまで少女はつり革に手を伸ばしニコニコしながら、外の景色を楽しんでいたのだった。




