21時
「ということで、私たちはこれで」
「一体どうなるんだ?」
「さあ?ただ、少なくとも今よりマシな未来になると思いますよ?」
「ううむ……」
「わかった、任せる」
「話が早くて助かります」
ウィルにハンター協会との通信を開いてもらい、ことの顛末の報告と、これからやろうとしている大バクチについて報告。不安げだったけど、やる価値はあるか……と判断された。
『モニカの方は?』
『できたぞ。これを持って行ってくれ』
『うん……』
モニカの書き上げた分厚い封筒を受け取る。これから行うことで、世界がどのように変わるかは神様も、
「正直なところ、おかしなことにはならない、としかわからんな」
「ええ……神様なら、もう少し」
「さすがに、前例がないのでな。あと、管轄外の部分も多い」
「その管轄外に踏み込んじゃっていいのですか?」
「結果に対して管轄外というだけだからな」
ものは言いよう、とかわされてしまった。
『実里』
『ん?』
『今さらになって、気づいたのだが』
『うん』
『こっちの世界も、夜空の星々は綺麗だな』
『ん。そうだね』
二人して夜空を見上げると、ウィルもそっと寄り添ってきた。
『うまくいくといいな』
『うん』
『私もこれから起こることは予想ができません』
『頼りないわねえ』
『まったくだ。叡智が聞いてあきれる』
『手厳しいお言葉に返すようですが、これでもサルヴァート王国随一の『『はいはい』』
クスリと笑って、モニカの正面に立つ。
『モニカ、ここでお別れ……だね』
『うむ……そう、だな』
モニカにぎゅっと抱きしめられ、私も抱き返す。
『元気でな』
『モニカも』
『実里ならきっとできる。がんばって』
「……モニカ……その一言だけで……一晩で法隆……」
『ん?何と言ったんだ?』
『なんでもない。がんばるわ』
このモニカとはこれでお別れだ。
「よし、準備ができたぞ。いいか?」
「ええ、お願いします」
「では……行くがいい」
私の足下に魔法陣が現れて光を放ち、私はその光に飲み込まれていった。




