19時(5)
『扉が開いているうちは、こっちへも干渉できたけど、扉が消えたから』
『魔力供給が行えなくなった、と推測されます』
多分正解だろう。扉をもう一度開く方法がないのでこれ以上の検証はできないし、考察もいらないと思う。
『もう一つ、モニカは?』
『二つ。一つはモニカ様の体内に実里様が埋め込んだ……』
『ああ、なるほど』
モニカの体内には私の臓器の一部が埋め込まれている。瀕死の重傷を負った彼女を救うためには、それ以外の手がなかったからだ。
『それらが機能しており、わずかですが魔力供給をしているのと、魔力がなくとも活動ができるように補助しているようです』
『ああ……うん、はいはい、そういうことね』
『実里?どういうことだ?』
『うん、私の体の一部を、って話はしたよね?』
『ああ。やむを得ない処置だったと言っていたな』
『うん。そのとき埋め込んだ臓器、魔物素材で強化した部分も含まれてるから……魔腺とか』
『魔腺?何だそれは?』
『ええと……大型の魔物の体内にある、魔力を自分で生成する器官、ね』
大型の魔物が自分自身の体内で魔力を生成しているということは割と知られていたけれど、具体的な器官名まではあまり知られていないからねぇ。
『なるほど……実里に命を救われてから、妙に魔力操作がしやすくなった気がしていたが、そういうことだったのか』
『あはは……』
そうか、そんな副作用もあるのか。と、一つ気になった。
『ちょっと待って、扉が開いていた間は?』
『モニカ様には魔力が供給されていなかったようです』
『なるほど』
あの女神、「モニカに魔力供給しなければ、魔力枯渇で苦しむはず。そうなれば異世界にもどるのでは?」とか考えてたのかしらね。
『そして、もう一つ。先ほどの話にもありました、モニカ様に埋め込まれた一部の臓器が実里様から魔力供給を受けているようです』
『あら』
私の体内には魔腺が大量に組み込まれているので、普通に生活している分には毎日ドラゴン数体が一日に消費するのと同じくらいの魔力が蓄積されていくから、モニカの生命活動のために渡したところで、どうということはない。
『つまり、私たちにとっては大した問題ではないけど、王子たちにとっては死活問題となったわけね』
『また面倒な状況だな』
『とりあえずハンター協会に報告。王子たちをどうするかの判断はあちらに委ねるわ』




