12時(3)
とりあえず門が数日間閉鎖されることが決まり、一旦ハンター協会へ戻ることに。そして車の中はお説教タイムだった。
「ああするより他なかった、という言い分はわからんでもないが」
「もう少し場所を選んで欲しかったのだが……」
「君たちなら遠くへ吹っ飛ばしてから、ということもできたのでは?」
少しずつ物騒になっていく物言いに、とりあえず「はい」「すみません」だけを答えていく実里。対照的なのがモニカで、言葉がわからないから……となっている。ウィルが通訳すればいいはず、というのがスルーされていることに色々テンパっていて気付くのはもう少し後で、私は小言が頭の上を通過していくのを大人しく耐えていた。まあ、小言の大半が「もうすこし場所を考えてくれ」というもので、やったことに対しては何もいわれていないので特に思うところはない。実際、門を出てすぐのところにじゃまなものを作ってしまった自覚はあるし。
そんな最中、村上さんに通信が入った。
「何?!」
いきなり大声を出されてビクッとする私たちをよそに、また村上さんが黙り込む。
電話と違い、BCポートを使った通信だと、どんなやりとりをしているのか察するのも難しいので困る。
「通信を傍受しましょうか?」
「やめて」
ウィルの提案は却下。あとから色々突っ込まれそうな要因は排除しておくに限る。
『実里、通信を傍受とは?』
『ああ、ええと……「秘密だよ」ってやりとりしてる手紙を盗み見る、みたいな』
『ふむ……確かにあまり褒められたものではないな。だが、面倒なことが起きそうな予感がするから、あとで謝ること前提に『あとでじっくり聞かされるだろうし、盗み見たりしたら「これは貸し一つだな」とか言われるからダメよ!』
そんなやりとりをしている内に通信を終わったらしく、村上さんが運転手に告げた。
「セクター1へ向かえ。許可コードを取った」
「わかりました」
ごく普通に壁の内側へ向かえと言ったような気が……ん?
「あの」
「何だ?」
「私たちは?」
「っと、スマン、話に置いてけぼりになってたか」
「え、ええ……」
「ハア……BCポート、どうにかならんか?」
「ドラゴンの鱗をスパスパ切れるメスを用意すればなんとか」
「未来永劫無理だな、多分」
村上さんがもう一度ため息をついて、モニカが抱えているモノに視線を向けた。
「そう言えばそれ、人工精霊だったか?BCポートついてたよな?」
「え?ええ」
「ならそっちにしよう。データを送る……ええと、さっきみたいに空中投影、できるか?」
「問題ありません。私の能力はこの世界における科学技「データを送るぞ」
村上さんがウィルの言葉を遮って何かをしたらしく、ウィルの表面が薄ら光り、色々と投影されはじめ、運転手がびっくりしてチラチラ見てくる。
「うわ、すごいですね。何ですか、それ?」
「他言無用だ。運転に集中しろ」
「えっ!」
「国家機密以上の秘密に触れたいなら止めないが?」
「も、目的地まであと五分ほどです」
くれぐれも安全運転をお願いしたいところね。




