川辺くんの話 後編
前回のあらすじ。
とある休日。川辺くんが私に告白してこようとしたが、気まずくなりたくないので笑顔でかわした。
しかし、川辺くんは大切だから誠実に接したい。考え直した私は意を決して「さっき何言おうとしていたの?」と尋ねる。しかし、川辺くんの反応は「やっぱりなかったことにして!!」。
予想外の言葉に混乱した私は告られてもいないのに振る事態に……!
さあどうなる。
「――ええと、川辺くんのことは友達としては本当に好きなんだけど、私、田宮くんが好きなの」
あっれー。なんだろう。何しているのだろう。どこで間違えたのかな。
最初に川辺くんの告白をちゃんと聞いてあげればよかったんだよ!
まず言わなくちゃいけないこと。
川辺くんのことを友達としては大好きで、これからも友達でいたいこと。
礼儀として言わなくちゃいけないこと。
田宮くんが好きなこと(振る理由)。
あー、でも自分の好きな人が自分の親友に惚れていたらきっついかもなあ……。
「え……田宮くん? おめでとうございます……」
今の川辺くんの顔の暗さは異常だ。
「あの、でもね、川辺くんのことは友達としては本当に大切だし、傷つけたくない人だから、これからも友達でいてくれる?」
私の言葉はザ・矛盾だ。きっと今、めちゃくちゃ川辺くんのことを傷つけている。
「うん。いいよ」
川辺くんは仏頂面で頷いた。
私の言いたいことは言った。川辺くんからは何も言われていないけど……。
それで友達でいるかどうかはもう、川辺くんが決めることだ。
数日後。
あれから何度か川辺くんに挨拶をしたりはした。その時は川辺くんからも会釈が返ってくる。
しかし、どうも向こうからの態度が硬い。
川辺くんとの関係はこれで終わりなのだろう。それまでのことだ。
割り切ろうとはしているけど内心かなり悲しい。でもしょうがないのだ。
ひさきちゃん、松美ちゃん、川辺くん。
私は今年になって仲が良かった六人のうち、三人も距離ができることとなった。
でも、逆に失っていない人もいる。新しく仲良くなった人もいる。
これでいいんだ。
しかし……。
「よう、望月! 川辺のこと振ったんだって?」
佐間(メアドを教えなかっただけで態度が豹変した男。最近丸くなった)にまで話すとは、どんだけ口軽いんだよ!!
人の噂も七十五日とは言いますが……。




