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配当錬金の設計士 ―利回りで世界を再構築する男―  作者: Tone
第十一章:副作用の形

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第四十七話:例外の置き場

会議は、成功の余韻で始まった。


掲示板の紙はまだ貼られている。

停止ゼロ。基準内処理。


管理局の使いが新案を示す。


例外対応枠(暫定)

制度内に特別余白を設定

参加区間が輪番で担当


整った提案だ。


例外を枠に入れる。

外を減らす。

数字を管理する。


代表はうなずく。


「可能です」


北側も賛成。

東側も前向き。


若者は黙る。


「どう思う」


俺が聞く。


「整います」


短い答え。


例外が減れば、

報告は簡単になる。


輪番なら公平。

減点も避けられる。


管理局の使いが言う。


「これで制度は完成に近づきます」


完成。


整いすぎた言葉だ。


若者がゆっくり口を開く。


「例外は、順番通りに来ますか」


会議室が静まる。


使いが答える。


「原則は」


「原則、ですか」


若者は続ける。


「昨日の三件は、同時でした」


「雨もありました」


「基準内で吸収できたのは、外があったからです」


視線が集まる。


代表は否定しない。


若者は帳簿を広げる。


――南側第三

余白:三割

緊急追加受理:一件

優先通行:なし

停止:なし


「外があるから、基準を守れます」


言葉は静かだ。


「例外を枠に入れると、枠が硬くなります」


管理局の使いが眉を寄せる。


「では、どうする」


少し間を置く。


「例外は、残します」


ざわめき。


「制度参加区間が輪番で受けるのは構いません」


「でも、外を消さない」


代表が問う。


「責任は誰が負う」


若者は答える。


「選んだ区間が負う」


俺は一言だけ足す。


「だが、例外は枠に収まりきらない」


沈黙。


会議は長くならない。


例外対応枠は試行する。

外の存在も認める。


文書に一行が加わる。


制度参加外区間の自主対応を妨げない


小さな一行。


数字には影響しない。


街道は続く。


制度は強いまま。

外も消えない。


若者が倉庫に戻る。


火は弱い。


揺れている。


「外って、何ですか」


若者が聞く。


「決めきらない場所だ」


若者はうなずく。


帳簿を閉じる。


――制度:拡張

――例外:存続

――南側第三:外


成功は数字に残る。


外は記録に残らない。


それでも、

止まらないための置き場は残った。

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