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配当錬金の設計士 ―利回りで世界を再構築する男―  作者: Tone
第十一章:副作用の形

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第四十六話:成功報告

翌朝、掲示板に速報が貼られた。


緊急医療物資搬送

停止ゼロ

基準内処理達成


拍手が起きる。


管理局の使いが読み上げる。


「制度は機能しました」


数字が並ぶ。


平均遅延は許容範囲内。

事故は軽微二件。

補填費用は予算内。


代表がうなずく。


「想定通りです」


北側も東側も、胸をなで下ろす。


帳簿は整っている。


減点なし。

評価維持。

補助金も維持。


南側第三の名前は、掲示板にない。


制度参加外。


若者はその前に立つ。


「成功、ですね」


うなずく。


止まってはいない。


三方向同時の緊急依頼。

すべて期限内。


数字だけを見れば、完璧だ。


午後、代表が倉庫を回る。


「助かった」


若者に向けた短い言葉。


「制度の外があったから、基準を守れた」


声は低い。


「公には言えない」


若者は笑う。


「外ですから」


火を見る。


昨日、一時的に二割まで落とした余白。

今は三割に戻している。


遅れた通常依頼は、夜通しで整えた。


優先通行はなかった。

列の後ろから、順番に。


帳簿を開く。


――南側第三

緊急追加受理:一件

停止:なし

事故:なし

評価:変動なし


数字は動かない。


管理局の会議では、次の改善案が議論されている。


「例外処理の削減を目指す」


「報告書の簡素化」


「標準時間の短縮」


制度はさらに整えられる。


若者が小さく言う。


「例外がなければ、楽ですね」


少し考える。


「例外は消えない」


「枠に入らない荷は、来る」


若者はうなずく。


「そのたびに、外が動くんですか」


火が揺れる。


弱い。


だが、長い。


「外がある限りな」


代表が戻ってくる。


「次回からは、例外枠を制度内に組み込む案を検討する」


会議で提案されたらしい。


例外を、枠に入れる。


若者が言う。


「入れたら、外はなくなりますね」


代表は答えない。


掲示板の紙が風で揺れる。


成功。


その文字は大きい。


街道は止まらない。


制度は強い。


余白は目立たない。


それでも、昨日の一件は枠の外で処理された。


帳簿を閉じる。


――制度:成功

――外部吸収:記録なし

――街道:継続


成功の数字の裏に、

書かれない行がある。

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