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配当錬金の設計士 ―利回りで世界を再構築する男―  作者: Tone
第十一章:副作用の形

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第四十五話:枠の内と外

会議は長引かなかった。


代表が結論を出す。


「制度参加区間は、基準内で処理する」


静かな決定だ。


「基準超過は減点対象となる」


管理局の使いがうなずく。


誰も間違っていない。


通常依頼は守る。

例外は基準内で吸収する。


三方向同時の緊急搬送。

各区間に割り振られる。


新商会は一件。

北側は一件。

東側は一件。


数量を圧縮し、基準に収める。


「足りるか」


誰かが聞く。


「足ります」


代表は答える。


数字は足りている。


帳簿上は。


午後、動き出す。


新商会の倉庫は忙しい。

人員を増やし、予備を回す。


北側は余白二割を転用。

東側は混合の強火を一時的に強める。


南側第三には、何も割り当てられない。


制度参加外。


優先通行もない。


若者は帳簿を見つめる。


――余白:三割

――急ぎ受理:少

――緊急依頼:なし


外にいる。


それが今の立場だ。


夕刻。


北側で遅延が発生する。


基準内で圧縮した分、

通常依頼が詰まる。


新商会は補填で押し切る。

だが人員が偏る。


東側は混合の強火を戻せない。


三件は動いている。


止まってはいない。


ただ、

余裕がない。


若者が立ち上がる。


「受けます」


会議室に入る。


「南側第三で、残りを引き取ります」


代表が見る。


「制度外だ」


「承知しています」


管理局の使いが言う。


「優先通行はありません」


「構いません」


若者は帳簿を開く。


三割。


動かせる。


火を少し強める。


南側第三に、追加の緊急物資が回る。


列の後ろから出発する。


遅い。


だが、動く。


夜。


――制度参加区間:基準内維持

――南側第三:緊急追加受理

――停止:なし


数字は保たれている。


会議で代表が言う。


「助かった」


短い言葉。


若者はうなずく。


評価は動かない。


補助金もない。


優先通行もない。


帳簿を閉じる。


――余白:一時二割へ

――事故:なし

――停止:なし


若者が言う。


「枠の中は、守れましたね」


「そうだ」


「枠の外が、吸収しました」


火は弱い。


揺れている。


街道は止まっていない。


制度は守られた。


例外は処理された。


誰も減点されない。


ただ、

枠の外でしか動けない荷があった。

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