淫魔──サキュバス──
珍しくもないがオカ研の部長から電話があった。
今合コンやってるから来てくれ、と。
まともに女性と話すこともできない部長が? とも思ったが話を聞くと、オカルト・ホラー方面が好きな女性たちが相手らしい。
部長は知り合いに本物の能力者がいる、と。
その能力者というの僕のことで、女性陣が会いたいと言ってるらしい。
行くのは面倒だ、と思っていたが、部長の「可愛くて巨乳の女の子がいる」という言葉にのせられて、居酒屋に行く事にした。
僕は何となく雪女からもらった氷のお守りを手に取った。
居酒屋では男たちと4人と女性人4人が盛り上がっていた。
部長に呼ばれて席に座る。
女性人陣は皆オカルト板で知り合い、何回かOFF会も開いているらしい。
その板に部長も参加して、意気投合してOFF会を開いたとのこと。
まぁ彼女たちはライトな方で、心霊スポットに行ったり、創作小説で盛り上がるくらいだった。
そんな彼女たちは部長の知識に驚き、さらには本物がいるということで興奮してた。
色々と聞かれながらも核心はごまかしながら話を盛り上げる。
楽しい時間ではあったが僕は怪異を呼び寄る体質で……。
祖父曰く。
俺は日本の怪異しか知らねぇが、海外の化けもんや悪魔も本質はあまり変わらん。
注意深く気を配れば人間なのかそうでないのか、簡単にわかる。
僕の隣には部長が言っていた「可愛くて巨乳な子」が座っていた。
確かにその通り。しかしその子が隣に座った途端、すぐに気がついた。
─これは獣の臭い─だ
悪魔はどれだけ人間にうまく化けたとしても獣臭さ残り、感のいい人にはバレるという。
僕は氷のお守りを握りしめた。
これは言わばマーキングだ。あの雪女がこの男(僕)は自分の物だ。手を出すなと主張するためのもの。
女性も気がついたらしい。
僕の耳元で。
「命拾いしたわね」
ささやくと、別のメンバーのところに移動してしまった。
その後、合コンをした男メンバーの一人が亡くなった。
不可解な事にミイラ化していたらしい。
警察もマスコミも大々的に取り上げたが、結局犯人も原因もわからない。
ただ、僕だけはその真相を知っている。
アレは男の精を糧に生きるサキュバスだ。
もしお守りを持っていなかったら、ミイラになっていたのは僕だったかも知れない。




