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義戦之武  作者: 昇龍翁
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【第四十三章】

【第四十三章】

 連合軍は、ついに洛陽に迫った。戦勝・百家・納富・鷹揚。4つの同盟合わせて1800万を超える兵力が集まった。

「凄い兵団ですな。」

「これでも、全軍ではあるまい。それぞれの前線、要衝の城は堅牢閉城に入ったとはいえ、前線防備に各将が殲滅部隊を残している。」

「二軍以下でも、これだけの兵がいるのですな。」

「なんとか、城内一番乗りを果たしたいですな。」


 期待を胸に、戦勝の各将は時を待った。やがて、軍楽台の一番太鼓が鳴り響く。それに続いて太鼓の音は続いているが、それはもう聞こえない。大地を揺さぶる轟音と共に、部隊が突入する。駐城部隊を全て排除するのに数分。その後、兵器部隊を含め、1800万の部隊が洛陽に襲いかかる。

 そして、洛陽はあっという間に落ちた。8分22秒。焼かれ破壊されていたとはいえ、これだけの大城が10分もかからずに落ちた。一番乗りは納富であったので、支配を任せることとした。

「いやいや、凄まじい経験をしましたな。」

「これで、大きな一区切り。」

「全土には、まだ矛を収められぬ者たちがおりますな。」

「お相手しましょう。奪い取れる城もありますからな。」

「うむ、今まで洛陽への到達を気にする部分がありましたが、無事に友軍が治めましたし。」

「そうさなぁ。まだまだ、闘おう。」


 休む間もなく、諸将は次の戦場へ向かった。敵対勢力から、それぞれが持つ州府を奪い取る。まずは関内州・平陽城。そこを治める喪威は、そもそも南北大戦の緒戦から、我儘を押し通して反旗を翻し、関内を混乱の渦に落とし込んだ。そして、烏を招き入れ、その下部組織と共に北部連合崩壊の種を蒔いた。彼らを許す事は、義によってありえぬ。

 谷遠、そして陭氏から関内へ侵入し、足場を繋ぎ、全軍で平陽を目指す。これまで中央で幾多の戦場を同時に支えてきた戦勝祈願からすれば、たわいのない事である。今まであえて戦線を膠着させ、敵を惹きつけていたそれが、戦勝と百家の『ゆとり』である事を、彼らはこの時、思い知る。

 あっという間に平陽は包囲され、周囲を幕舎で囲まれたため、援軍の派遣もままならぬ。包囲網完成までに平陽に辿り着いた部隊が百数十あるが、これらは、これから孤立無援で逃げることしか許されぬ、地獄の底に叩き込まれる。

「自らの力量も理解せず、己れの利のみに目がくらみ、北部連合の輪を乱した愚か者たち。」

「我らに刃向かったその愚かさを、己れの血と肉で味わい、後悔の涙に溺れるがよい!」

「愚か者の心の拠り所であっただろう平陽を、奪い取ってやろうぞ。」

 包囲が完成してから、時が流れる。包囲網はどんどんと厚くなる。一方で籠城する喪威は兵力増強が止まったまま。これがどれほどの恐怖であろうか。いくつかの部隊が包囲網に挑むが、数部隊を排除するのが関の山。包囲網は微動だにしない。必死にたどり着いた敵の援軍は、ことごとく包囲網で追い返されていく。それを眺めて彼らは悲嘆に暮れる。

「さて、トドメを刺すか。」


 静かに軍配が振り下ろされる。


【章末】


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