【第四十二章】
【第四十二章】
虎牢関を落とした日の深夜。主力部隊が出払った隙を狙い、堅牢閉城明けの陽阿で門神を務める2将の城が、関内抵抗軍に落とされた。
「鬼の居ぬ間に、か。調子に乗りおって。」
「遊びたいなら遊んであげましょうか。」
「うむ。明日の午前には、救出可能な状態になる。目にものを見せてやろう。」
翌日。並ぶ2つの門神を30分も時間差をつけて捕虜にしたことを、関内抵抗軍は後悔することになる。
一睡し、兵を回復した戦勝祈願の諸将は、陽阿にある各自の幕舎に部隊を派遣した。
「では皆の者。まずは北の城から救出するぞ。」
号令一下、あっという間に一つ目の城を取りもどす。
「30分後、南の城を取りもどす。」
命令に一切の淀みや躊躇がない。間違いなく取れるのだ。それだけの兵力差がある。関内抵抗軍は理解していない。陽阿の関を挟んでの一進一退が、ここに引き付けられているだけだと、まだ理解していない。結局彼らは、資源州にほんの数里しか立ち入ることができず終わるのだ。
見込みのとおり、難なく全ての城を取り戻した。
「うん。洛陽攻略があるからね。今は押し返さないでいいよ。」
ところが洛陽攻略が予定の時間を遅らせることになった。
「仕方のないことではあるが。暇を持てますな。陽阿、行くか!」
「おやつにはちょうどよい時間ですな。」
ちょうど茶菓を楽しむ時間である。
「あの二連の柵が邪魔くさいな。先に誰か掃除してくれまいか。」
「庭の掃除は得意じゃで。」
と、老将が動く。それに御仁柄が合わせる。柵を破壊し、土地を制圧した御仁柄が、臨時で幹部権限を与えられ、軍楽台を築く。
「御仁柄殿と、茶を摘んで来たわい。」
と昇。
「では、兵器部隊を使わずに、陽阿を落とすか。」
ちょっと散歩にでも行くような言い方である。
「では、私が号令を!」
大鴻臚・羅宗が指揮を取る。
「3分前。諸将、備えよ。・・・行くぞ!突撃じゃー」
勢いのある号令の元、諸将が陽阿に踊り込む。兵器がない分、若干の遅さはあるが、確実に耐久を削り、難なく落とす。
「よし、敵方、東の城を落とし、捕虜にせよ。終わったら西だ。」舞鳰がその先の作戦を示す。
力の差を見せつける、そんな巻き返しであった。
「これでここを気にせず、洛陽に挑めるな。諸将、準備の立て直しを。」
洛陽。虎牢関を抜かれた董卓は、あろうことか洛陽に火をつけて破壊し、長安へ引いて行った。破壊されたとはいえ、洛陽は巨大な要塞。さらに残党がまだ多く居座っている。
「虎牢関を支配したのは納富であるが、単独ではむずかしかろう。」
「うむ。そこで今回、手を携えた4同盟で一斉に攻めかかる事になった。」
「最後の支配はどこにするか決まっておるのですか。虎牢関を治めた納富に?」
「いや、その調整をする事もなかろうという事になった。城内侵入一番手の部隊が所属する同盟の支配とすることとなった。」
「おおお。すると競争ですな。」
「おうさ。参加数がものを言う。皆で参加しようぞ。」
「城内一番乗り、手に入れたいのぉ。爺、何か策はございますか。」
隣で茶を啜る昇に、若い武将が尋ねた。
「策と言えるかどうか。儂はこういう時、兵器部隊を30秒ずつずらして投入する。儂と息子、合わせて10部隊。30秒ずつで、ちょうど5分。最後の一撃を取る機会が増えるかもと。まぁ、老人の浅知恵じゃ。」
期待に胸を膨らませながら、諸将は洛陽に向かう。
【章末】




