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義戦之武  作者: 昇龍翁
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【第二十八章】

【第二十八章】

「近頃、ご老人の姿を見ないな。」

「部隊は動いているのだが、どうやらご子息の仁殿が指示を出しているらしい。」

「先の、再建前の陽阿防衛戦で大怪我をされたと聞いたが。」

「所在がわからぬ。先日、仁殿に尋ねたが、はぐらかされてしまった。」

「陽阿防衛軍の副隊長を務められているが、前線に姿を見せぬとは。如何されたのか。」

「無事に回復されておられれば良いのだが。」

 陽阿の前線でそんな会話が交わされるようになって久しい。再建後に昇からの防衛指示が出たと言うものもあるが、どうやらそれは仁が代理で出したらしい。


 司隷東北部、司隷中央部、そして陽阿と、前線は一進一退。

 陽阿については、攻め手が資源州に領地を持たぬので、無理せず追い払い、資源切れを目指す方針であるが、司隷は激戦となっている。捕虜にしては救出され、再び捕虜にして。陽阿防衛軍に配置された諸将も、司隷の様子を聞き及ぶ中で、歯痒さを感じる者もいる。かといって、陽阿を手薄にする訳にもいかず。


 友軍となった納富も、敵方に加担する放浪軍の出現で押し切る事も叶わず、攻めあぐねている。


 何処も、気を抜けば崩壊する。そんなジリジリするような戦闘が続いていた。しかし、そんな中でも着実に力をつけた諸将が、時折、大戦果を上げる。その吉報に触れることで、他の武将も鼓舞される。

「おおお。凄いな。」

「あの方も強くなられた。頼もしいな。」

「我らもしっかりと頑張らねば。」

「そうだな。慌てる事なく着実に。な。」

「無理はしても、無茶をしてならぬ。かつてそう言われたことがある。」

「おお、私も挑戦はして良いが、無謀な博打はするなと言われた。誰だったかな。」

「ともかく、こちらの兵損を抑え、相手に大きく損なわせるよう、工夫をせねばな。」


 その頃、陽阿防衛司令部に謎の人物が、姿を見せるようになる。防衛隊長・餅倻の後の椅子に深く座り、杖を手にしている。全身、頭の先から顔も含めて、黒い包帯で包まれている。ところどころ赤黒い。包帯から覗くのは右目だけ。ほとんど閉じられているが、開いた時の眼力は、常人のものとは思えぬほどの威圧を放つ。司令部に出入りする者はその異様さに、存在に気づきはしても、誰も近づこうとはしなかった。

 時折、仁がその右側から近づき、その人物の口のあたりに耳を寄せ、何事かを聞き取り、短い会話を交わす。その後、仁は、餅倻隊長や他のものと会話を交わす。


 各前線の状況に、龍鬼を中心とした幹部会が、臨機応変に作戦を立て、指示を飛ばす。諸将も懸命に指示に従い、全線を維持する。


 忍耐と根気が求められる状態であった。


【章末】


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