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義戦之武  作者: 昇龍翁
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【第二十五章】

【第二十五章】

 時代が大きく動いた。上位同盟の連合決裂後、納富の外交姿勢が極めて紳士的であり、戦勝や百家に対しても敬意が払われ、そして提示された条件も、共闘するに相応しいものであった。

 それにひきかえ、箭田鴉の外交官の態度は高圧的で無礼であった。黒無葉津の外交官も同様である。いわば、『お前たちは、どうするのだ。逆らうのか?』という雰囲気である。

「納富の態度、義を尽くすに十分。そして条件は、我ら諸将への褒賞に応えることができる。」

「これならば皆、力を尽くしてくれましょうぞ。」

「そうだな。よし、納富と組もう。」

 そうこうしているうちに、箭田鴉・黒無葉津の方から納富への宣戦布告が行われた。

 ついに、司隷や穎川において、納富と箭田鴉・黒無葉津が激突した。


「いよいよ開戦ですな。」

「うむ。我らも納富に付く事を宣言しよう。」

「我らを侮ったあの態度。後悔させてやりましょう。」

 同盟員への静かな根回しと準備の促し。その上で、ついに納富側への共闘を宣言した。

 そこからは一気呵成。河洛州・河内郡に広がった、鴉の足場を蹂躙し、城に襲いかかる。たまらず逃げ出す敵将も後を立たず。その勢いはまさに燎原の火の如く。難所であった貯水池も一度敵の手によって水門が開かれ一面が水没したが、それでも果敢に侵攻を続けて管理詰所を制圧。そのままどんどんと北西へ攻め上がり、ついには、鴉に奪われていた陽阿の関を奪還。関内州の中小同盟から侵略を疑われ抵抗を受けるが、難なく押し返し誤解も解いた。一方で百家は南下して孟津から司隷北部の制圧へ。

「よし。では河内郡の制圧は元々所領としていた百家に任せて、我らは魏郡から陳留国を周り、司隷東部へと兵を進めよう。」

「すでに納富が足場も用意してくれている模様。」

「よし。では、司隷における鴉狩りといこうか。」


 方向性が決まれば、一気に動き出す。その戦勝祈願の機動力は惚れ惚れするほどである。多くの将兵が津波の如く押し進んでゆく。

「ここにいる許女なる者、従前より卑屈にも行軍狩りを重ねておった。成敗せねば。」

隣接間近で、若武者が手を挙げる。

「ボクの部隊に行かせて欲しい。ジィジに倣って、しっかり育成した部隊が3つ仕上がっているから。」

老将・昇の息子である。まだ幼い。

 かくしてその3隊で城にも籠る部隊を撃破。陥落に向けて攻め立てる中、許女は閉城し籠城してしまった。

「6時間が閉城の限界。時が来たら、また攻めましょう。」

勇敢な若武者を支えんと加勢に参じた翔壱や画伯が労う。

「じゃあ、それまでの間に、周りの土地を奪っちゃおう。引き籠もっている事が悔しくなるように追い込もう。」

性格の根幹的冷徹さは父譲りか。

 感心しながらも集う者たちでの、城前掃討が行われた。一方で孟津下の攻勢もある要所で閉城により留められていた。しかし焦ることはない。こちらは押していて、相手は防戦一方である。じっくりと押し倒していこう。そんな戦略的なゆとりすら生まれてきていた。


【章末】


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