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義戦之武  作者: 昇龍翁
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【第二十二章】

【第二十二章】

 その日、戦勝祈願は二つの作戦を同時に行った。


 一つは攻城。強度6の肥郷。なんの問題もなく陥落させ支配下に置いた。トドメは帰趙。同盟内で癒しとして慕われる緋蕗陽も、攻城値で3位に入っていた。

「緋蕗陽さんが、頑張っている!」

「頑張っているなぁ。優しいだけじゃ無いんだなぁ。」

 他の将の手柄を讃える時とは、少し周りの様子が違っていた。一時期は盟主も務めていた緋蕗陽だが、そのたおやかな仕草は変わらずであった。


 そしてもう一つの作戦は、放浪軍集落の壊滅である。

 その集落は、襄垣東部の埠頭向こうに形成されていた。砦・幕舎を合わせると20近くひしめいていた。本来であればその数に絶望するかと思われる状況であるが、統率のとれた戦勝祈願にとっては、目処を持って対応する一事案に過ぎなかった。

「襄垣城を中継点として、兵を集めよ。」

「いや、皆すばらしい。号令をかける前から心あるものたちがすでに向かってきている。」

「活動の少ない者や自分の事ばかり考えている者も少数は居るものの、この結束力こそが、戦勝祈願の強さですな。」

「まぁ、これまで関内で頑張ってくれた武将を迎え入れる席を空ける為にも、問題のある方には一度、戦勝祈願を離れてもらわねばなるまい。」

「苦渋の決断ではありましょうが、致し方ありますまい。」



 埠頭のこちら側へ伸びてきていた放浪軍の足場の土地を、まずは片付けねば。そう思っていた矢先、老将の一部隊が埠頭際まで押し返した。それを合図に複数の武将が兵を出して、放浪軍の足場を消していった。そして、埠頭を挟んで睨み合う、そういう状況が整った。

 作戦開始は肥郷攻略と同時刻。一番槍は、今後の新連合に向けて、納富から戦勝に移籍した2将。圧倒的な強さで切り込んでゆく。

「凄まじいな。これでは、南部連合に負けたのも、得心が行く。」

 強烈な一番槍に続いて、集まった武将が一気に埠頭向こうの放浪集落へ攻めかかる。向こうにも強者は居る。強者は居るものの、戦勝祈願の圧倒的な兵力の前に次々に駆逐されていく。日付が変わる頃には、埠頭向こうは綺麗に片付いていた。

 事も無げに成し遂げた作戦ではあったが、その戦闘規模は小さくはなく、後に「第二回襄垣の戦」として地図に刻まれた。

「次は、やつらが根城とする沾県城の奪還だな。周囲を荒らしまわっておる。討伐せねば。」


 次の日、沾県城の南側では、北進する戦勝祈願軍と沾県城に集結する放浪軍との衝突が始まった。この、前哨戦とも言える衝突も大きなもので、「沾県の戦い」として地図に刻まれる。

 戦斧・刀剣の血も乾かぬ今夜、戦勝祈願は再び、二つの作戦を決行する。長東城の攻略と沾県城の奪還である。


【章末】


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