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義戦之武  作者: 昇龍翁
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【第十二章】

【第十二章】

 その後も、信都、館陶と続けざまに攻城し、版図を拡大する蜀国・戦勝祈願であった。


 並行して、関内郡の陽阿関付近で百家涼藍への支援を行っていた戦勝祈願。そこへ、北軍東部を担当

する虞蓮から、「陳留国と穎川州・陳郡を繋ぐ己吾関を攻めたいので援軍を。」との要請を受け、足場となる幕舎を築いていた。


 ところが、南軍東部戦力の納富絡琰が、先手を打って己吾に攻めかかった。他の戦線を維持するため工兵隊しか派遣していない戦勝祈願にはなすすべがない。しかも依頼してきた虞蓮は危機感もなくほぼ無人でその地を放置していた。


「依頼だけして防備をしておらぬとは。虞蓮、身勝手ではないか。」

「納富も我らの動きを察知して、準備が整う前にと、先手を打ったのでしょう。」

「納富は、虞蓮に対して遺恨があるからな。ここから蹂躙されることは予想がつく。」

「しかし、虞蓮の対応よ。己吾の陥落に抗ったのが、1隊のみとは。我らに援軍を頼んでおきながら、丸投げするつもりであったか。」

「淮海・淮揚の前線で、争っていることは理解するが、なんとも身勝手な動きよ。」

「しょせん、それだけの軍勢ということでしょう。淮海東部に首都を構えて建国したようだが、いつまで持つか。」

「さて。どうしたものか。」

「まぁ、この地は虞蓮に任せよう。常日頃、自らの強さを誇示し上からものを言ってくる男だ。自分でなんとかするだろう。」

「ですな。我々は我々のするべきことを。」

「我らは自らのことと、同じ州で結成された百家涼藍の支援。」

「まさに。百家、あの同盟は礼節を持って接してくれる大事な盟友。守りましょう。」


 案の定、河洛州陳留国では、納富にグイグイと押し込まれていた。虞蓮は渡し場後ろに城を固め、渡し場前にて背水の陣で防いでいた。


 戦勝祈願は、河内郡での百家涼藍への支援をしつつ、今宵は、泰山の郡都・奉高城を攻める。これにより河朔州中央は、広く蜀国の支配下として、盤石なものとなる。

「諸将、備えはよろしいか。」

「見渡すに、すでにおびただしい数の部隊があり、行軍中の部隊も多数。」

「予定の刻限には、準備完了であろう。」

 参加諸将は、頼もしさを感じながらも、細心の注意と、驕らぬ心で、営舎から奉高城を見上げた。


【章末】


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