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ごちゃごちゃ  作者: 池田 ヒロ
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「これは、ゲームだ」

 宇宙のことはまだ詳しくはありませんが、行く方法はあります。近い将来、我々人類はこの狭い惑星である地球から出て、新たな世界へと一歩踏み出すでしょう!

 ××××年××月××日。空にひびが入り、その隙間から『視覚』の多次元からの概念的存在が現れる。『視覚』の見た目は、ただそこに真っ黒な空洞があるだけ。これが何であるかを学者たちは研究や調査をし、討論した結果、生物と同じ目であることが判明した。ただし、生物の目とは似て異なるため、『視覚』として位置付けた。


 その『視覚』が出現してから、さらに数百年経てば、新たな意見が出始めた。『視覚』は我々が住む世界を奪う者ではないのか、と。この学説に一般世論は否定的であったが、ありえない話ではなかったらしい。『視覚』の出現によって、原因不明の奇病や生物の絶滅、異常気象が決定打となりつつあるようだ。


 こんな世界が混沌とする中、某所では一人の学者があるものを発見するのだった。彼は「これはアーティファクトだ」と断言している。学者の言うアーティファクトはどうやら地球上のエネルギーを利用した何かしらの精密機械であるらしい。それ以外にわかることは、この精密機械は作動しているということぐらいか。


 いつからそこにあり、いつから起動されているのか。全くわからなかった。アーティファクトの発見と同時に、近くには石板文書があった。それには何かしらの文字で書かれてあって、こちらも誰もがわからない状態だった。


 アーティファクトの発見は大きなニュースとなり、一部ではそれが起動したことによって『視覚』が出現したのではないかと言う見解も出た。だが、その説が正しいとするならば、これは何のために作られたのだろうか。多次元にある何かをおびき寄せたかったとしても、それで何をしようとしたのか。『視覚』というものは、世界中の誰にとっても世界滅亡に相応しい存在である。まさか、世界を終わらせる気なのか?


 古代には様々な高度文明があった。だが、それらはいつしか滅び、長い年月をかけてその存在を公に現す。滅んでしまった文明は戦争に負けてしまったからという事実もあれば、奇病の流行りや異常気象による滅亡もあった。


 ここで、アーティファクトを発見した学者は一つの説を掲げた。これは、誰かが世界をリセットさせるために造ったものではないのか、と。ありえない話ではないはず。自分たちが知らない超古代文明時代に制作されたのかもしれないのだから。


 そして、もう一つ。最近になって石板文書の解読が判明してきているらしい。この解読は発見した学者の助手がしたらしい。石板にあるとある一文――。


「これは、ゲームだ」


 何かの冗談だろうとばかり思っていた。しかしながら、その石板文書は誰もが知らない文字で書かれていることは事実であったが、じっくりと解読してみると、誰もが知る言語で書かれていた。そう、現在の、誰もが知る『英語』で。


 石板には横列で文書が記載されており、文字はすべて鏡写しの縦書きの状態であった。助手は偶然にも手鏡を持った状態でそこに石板文書を映し出し、「これは、ゲームだ」の文章を発見したのである。


 これを機に、次々と文書の内容が明らかになっていくのだった。



 この世界の外には人間を恐れているものがいる。世界の外の住人は人間が自分たちのところへと来ることに不安を抱いている。人間はどの世界においても、腫瘍という存在でしかなり得ない。悲しいことに、どの世界へと足を運ばせても、歓迎されることはないのだ。だからこそ、この世界に閉じ込めた。それを口の軽い天人が言っていた。人間はこの世界だけに留まり続けるべきだ、と。

 天人は一つの機械を人間に与えた。これは、この世界が高度文明になったときにリセットさせる代物だと。与えられた時点で、すでに起動はされていた。停止方法を教えてもらえなかった。もちろん、製造方法だって。破壊しようとしても、一つ一つの部品の強度は堅く、どんな力を持っても破壊は不可能であった。

 口の軽い天人は最後に一つだけ言った。これは、ゲームだ、と。天人と人間のゲームだ、と。ルールは簡単。人間が外の世界へ行こうとしなければいいだけ。行こうとすれば、リセットされる。行こうとしなければ、リセットはしない。ただし、リセット機能すらも起こせない状態になってしまい、なおかつ世界の外へと行こうとするならば、そのときは人間を根絶やしにする。

 人間が弱いことはわかっているから、最初は降参するまで監視をする。そのハンデをしてあげる。だが、降参する気がないならば、次元の域を超えてまでも、人間全員を殲滅させる。

 天人は未来を視ることはできないが、予測することならできる。天人曰く、このゲームはこちらが勝ちらしい。



 すべて解読を終えた後、発見されたアーティファクトから光が走った。空の日々から覗かせていた『視覚』は『感覚』へと変わることになる。それに誰もが気付いたときには、もう遅かった。


 この日、とある星は最後の運命を迎えた。

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