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2-2

 私にとって礼拝堂が処刑場となるならば牧師館は追放されるべき楽園(エデン)と呼ぶのがふさわしいだろう。愛しいアッフェル(真っ赤な果実。我が半身)と私の共同部屋はその二階にある。彼女と過ごした遠く甘い日々はそれこそ神を喪失してしまう罪を負うことになる直接的な要因となっているのだ。私は女なので喉仏は持っていないが腐りきって悪趣味な臭気を放つ我が咽喉には見えないエーファが未だに、というより永遠に引っ掛かっているのである。

 エーファ(私が食すことになった十歳当時の)を読者方のために描写しておく必要があるだろう。私たちは読者の経験における想像に寄生してその生き血をすすることによってのみ存在する醜悪に脈打つ蛭のようなものなのだから。彼女は血のつながった妹ではあるものの姉である私とはあまり似ていなかった。似ていたのはせいぜい髪の色が溶けたような亜麻色だということだけ。彼女の髪の長さは私のそれより短く、横も後ろも肩にかかる程度。私の髪はくせのない真っ直ぐな髪(私の性格は曲がりくねりすぎてパンタグリュエルの指先の毛細血管の様相を呈している)だがエーファの髪は後ろの毛先が少しだけ跳ねているのだった。もう、このおませさん! 前髪が少し長くて、―これは彼女の癖なのだが照れると前髪を引っ張ってその翡翠色の目を隠そうとするのだ。彼女の恥ずかしがり屋な気質が生み出した可愛い妙技といったところか。彼女の幼い部分が恥知らずに振りまく、微かで淫靡な麝香の香りは、私の腰のあたりで激しく燃える炎を焦がし、骨ばった白い肩(おお、私の女神たちは日焼けを知らないのか?)は押し黙ったまま澄まし顔をしている私の官能的食欲をそそる。彼女の身長は私よりもはるかに小さく、不健康な感じはしないもののかなりの痩せ型だ(エーファはいつも私がすすめる食後のアイスクリームを食べなかった。ニキビの心配にはちょっと早いんじゃない?)。

 エーファは寝るときに何も服を着ない人間だった(額面通りに受け取らないで欲しい)。私の天使たちは真夜中に、―昼間は小さな身体に仕舞いこんで窮屈な思いをさせていたその無垢な羽を広げてはばたくのだ。誰もが寝静まる静寂に満ち満ちた真夜中に。だから、私はその夢のような空間でベッドの上に横たわる彼女の青白い裸体をつぶさに観察してノートにスケッチし、特徴を書き留めることができるのである。私たちの共同部屋の南の壁に設けられている窓からは神秘的で、私の狂気を誘う月の光がベッドで寝ているエーファの、絹の手触りの肌を優しく濡らし、窓に取り付けられた複雑な模様の格子は、彼女の、柔肌に、黒後家蜘蛛の影を、落とした(思考が唾を飲んでいるのだ。その罪深い喉仏を蠢かせて)。

 読者よ、パンタグリュエルの手のひらの上で夢見るように縮こまって体を丸めて寝ている全裸のエーファを思い浮かべてくれ。巨人の手のひらで、幸せな夢を見てその寝顔をほころばせる我が愛しいアッフェルを(倒置法は二回目?)。彼女の幼く芳しい炎をたたえた肉体において青い鎧をまとった我が官能を最も刺激するのは、おそらく肉付きが薄くて幼い印象を与えるものの女性的な丸みを帯びた真っ白い尻たぶだろう。彼女の臀部が描いている永遠を思わせるような曲線に対する接線は、森羅万象がひしめくこの広大な宇宙において多次元解釈的一本の直線だけである。それはつまり、愛のフェルマーたるこの私だけなのだ。

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