もし、ゾンビと戦えば?
私はジャスティス…
戦争で疲弊しているであります…
「否、俺たちは生き残る、そうだろう?」
「お、お前は、なんで…」
そこにいるはずのない、人物が答えた
私は知らないが、恐らく、彼がイッチ殿の言っていた…
「…皇帝は気まぐれなものだ」
「カイザー君!よく帰ってきてくれましたね!」
「残りの骨どもは残り少ないようだ
俺とアサシンズに任せろ」
「ア、アサシンズ?あいつらって戦えたっけ?」
アサシンズは、ここのコロニーの諜報部隊であります
日々、コロニー周りの調査や、未知の土地の調査
哨戒任務などもやっている、正義の部隊であります
「俺たちは、イッチほどではないが戦える」
いつの間にか、アサシン殿たちが現れます
「皇帝の命令だ!一度下がって、休息を取れ!」
「…分かった、カイザー、ありがとう」
イッチ殿たちは引き下がり、骸骨たちをカイザー殿たちに任せます
カイザー殿は、格闘術で効率よく骸骨の弱点を狙い蹴り飛ばしていく
アサシン殿は、隠し持っていたナイフを用いて隠れ、奇襲を繰り返す
アーチャー殿は、弓矢を構え、的確に骸骨を始末していく
ディフェンダー殿は、体を張り骸骨の攻撃を引き付ける
私たちが戦っていた時は、どれくらいのペースで倒せていたかは分からないが
見る見るうちに骸骨の数が減っていく
「本当に倒せてしまった…」
辺りに散らばる骨の山、そして荒らされた地面
これが、どれだけ激戦だったかを物語る
「は、口ほどにもない敵だったな」
カイザー君は、かっこつけてそういうが、ひどく疲れている
ふらふらと、安定しない足取りでイッチのコロニーに戻ろうとします
「はは、見ろよ、遠出して頭を冷やしている時に見つけたんだ」
カイザー君は、ある物を取り出す
「これは…じゃがいも?」
「正確には種芋でしょう、芽も生えていますし」
「さて、これはそこのベッドに置いとくな」
カイザー君が、芋を置いた時、地面が揺れる
何事かと、周りを見渡すと、骨の山の上に、緑色の巨人が乗っていました
「…よくも、我が奴隷をすべて殺してくれたな?」
「お前は誰だ!」
「私は、そうだな、お前らの世界でゾンビと呼ばれる貴族だ
あのスケルトンどもは、すべて私の奴隷だ」
緑色の巨人、いや、ゾンビは立ち上がり骨の山を下りる
「それでだ、私は新たな地を求め外に出た
ここの土地を強引に奪うつもりだったが、失敗した
私はすべての奴隷を失った、許されるべきではない」
ゾンビは、背中に背負っている剣を手に持つ
その剣は非常に長く、2mほどの長さを誇る
「今こそ、貴様らの肉を落とし、新たな奴隷としてやろう!」
「悪い、俺もう戦えそうにない」
カイザー君は下がる
賢明な判断だろう、コンディションが整っていないときの戦闘ほどリスクのあるものはそうそうない
「今、戦えそうな奴は立ち上がってくれ」
イッチ殿が立ち上がり、そういう
勿論、私は立ち上がる
なぜなら、仲間を守ることこそ正義だからだ
「ジャスティス!」
「ぶんなぐる!」
「ハスキー、ジャスティス、ありがとう
それじゃあ、行くぞ!」
最初に殴りかかったのはハスキー殿です
あの剣を恐れることなく、拳を振り上げ殴りかかります
しかし、ゾンビはハスキー殿を両断する軌道で剣を振り下ろそうとします
「ジャスティス!」
私はシールドを突き出し剣を防ぎます
正義の力で、完全に相殺します
「うおおぉぉぉ!!」
ハスキー殿は、ゾンビの鳩尾目掛け正拳突きを放ちます
ゾンビは少しのけぞり、剣を握る手が緩みます
「見逃すか!」
イッチ殿は、ゾンビの手目掛けダガーを投げる
一直線にダガーは飛び、吸い込まれるようにゾンビの手に向かう
だが、刺さったからといって剣を手放すほどゾンビは弱くなかった
「小癪な!もはや奴隷などどうでもいい!
貴様らを地獄に叩き落してくれる!」
剣を振り回しハスキー殿を吹き飛ばします
私も、危機を感じ一歩下がります
そして、イッチ殿がハスキー殿に回復魔法を使おうとした時
「予想通り!人間は愚かだ!」
イッチ殿の首を狙う、薙ぎ払いをゾンビは仕掛けます
私は正義の警察、放置すれば消える命の灯を見過ごす訳にはいきません
「ジャスティス!」
私は、シールドを構え、薙ぎ払いの範囲内に入ります
イッチ殿をかばい、私とシールドで攻撃を受けます
「ジャスティス!?大丈夫か!?」
「正義の行為であります、これくらい、平気であります」
正直、痛みが激しく今すぐにでもシールドを落としそうですが
先に、防御の薄いハスキー殿を優先してもらいます
「貴様!正義を妄信し、自らの身を投げ捨てる真似をするそこの貴様!
貴様の正義は真実か!?貴様の独りよがりではないか!?
私は、貴様のような人間がひどく嫌いだ!!」
ゾンビは飛び上がり、大剣を私に向け振り下ろそうとする
どうすべきか、今ここを避ければイッチ殿とハスキー殿が巻き込まれてしまいます
しかし、私1人で受け止め切れる可能性は分からない
下手すれば、死ぬ可能性だってあります
だが、例え私が死のうと正義は守る
それが、正義の警察の心構えであります!!
「ジャスティス!!」
私はシールドを構え、迎撃姿勢になる
決死の防御、どうなるかなんて誰にも分らない
だかしかし、この防衛戦は、意外な出来事が起こり私は生き残る
「魔力シールド!!」
魔法使い殿が私の前に飛び出し魔法を展開します
ゾンビの一撃は、魔力シールドにぶつけられる
だが、魔力シールドが割れることはなかった
「魔法使い殿!?」
「なんか、助けなきゃって思ったらいつの間に…」
「ハスキーの治療は終わった、次はジャスティスの番だ」
私は、一度イッチ殿の回復を受けます
「魔法使い殿、無理はしないでありますよ?」
「分かっています」
魔法使い殿は、杖を上空に掲げ、それと同時に空を覆いつくす量の火の玉が生成されます
「炎魔法!」
数多の火の玉は、憎きゾンビ目掛けて降り注ぐ
ゾンビは剣を振り火の玉をかき消すも、すべてを捌くことは出来ず
いくつか受け、そこに火傷が出来ます
「この、人間風情が!!」
完全に怒り狂ったゾンビは、剣を魔法使いに振り下ろします
しかし、魔力シールドはまだ展開していて、その攻撃も無意味となる
「ゾンビさん、僕のシールドは物理攻撃じゃ壊れないんです」
「調子に!乗りやがって!貴様ら!皆殺しだ!!」
ゾンビの攻撃は、完全に冷静さを欠き乱れている
そんなに雑に振り回すだけでは、人1人も切ることは出来ないだろう
「ゾンビさん、この攻撃を受け止め切れますか?」
魔法使いは、幾つもの氷を、整然と一列に並べる
その氷を、複製するように何列も重ねていく
「終わりですよ、氷魔法」
氷は、一直線にゾンビに向け飛んでいく
怒り狂ったゾンビは、防御という概念も忘れたか、そのまま物言わぬ腐肉となった
「魔法使い…頑張ったな!
ジャスティスも!」
「ジャスティス!正義の勝利であります!」「はは、疲れました…」
「センス!戦いが終わったぞ!」
「お疲れ様です、後片付けは私たちでやっておくので休憩をとっておいてください」
「わかった!」「ジャスティス!」「なら、お言葉に甘えて…」
「いや、俺も片づけするよ」
「そうですか、あまり、無理をなさらず」
山場を乗り越え、やっと日常に戻れるかと思ったイッチ殿たち
しかし、その思いは、たった一言で破られてしまう
「ふふ、僕をお忘れの様ですね」




